【想夫恋の焼きそばの再現ポイント】
・ステーキ皿を用意する
・麺を茹でる&焦げ目がつくほど焼く
・白こしょうはマスト
・焼きそばを作ったあとのフライパンで目玉焼きを焼く
・作りたてを食べる
大分で再び本家・想夫恋の焼きそばを食べるその日まで、ひとまずこれで飢えをしのごう。
大分県のご当地焼きそば、「日田焼きそば」。
九州を中心にチェーン展開している焼きそば専門店「想夫恋(そうふれん)」の初代店主が生み出したものとされている。
大分を訪れた際に食べてみたところ、毎日食べたくなるほどクセになる料理だったので、記憶と勘を頼りに自宅で再現してみた。
初めて大分県へ行くにあたり、出身者である友人に大分の食べ物について尋ねた。その際にしつこくオススメされたのが「想夫恋の日田焼きそば」だ。
友人曰く「大分を離れた大分県民は皆、想夫恋の焼きそば恋しさに身悶える」という。
焼きそばといえば、私のなかでは「半日登校の日のお昼にお母さんが作る料理」。家庭料理として馴染みがありすぎて、故郷の料理だと言われてもピンとこなかったものの、実際食べてみたらわかった。
日田焼きそばは、過去に食べたどの焼きそばとも異なるものだった。
めいっぱい頬張ると、麺がモチモチとカリカリ、もやしはシャキシャキとフニャフニャ、相反するおいしい食感が口のなかで大狂乱。豚肉の味がしっかりしておいしい。
味付けのソースは濃すぎず薄すぎず、あっさりとした味わい。あとに引くスパイシー感もクセになる。
白身がやや固めに焼かれた半熟目玉焼きも、”味変”に最高の食材。
大分から帰ってからも、見事に想夫恋のことを考えていた。食べられないと思うと余計食べたくなる。恋と同じだ。
会えない想い人を作ることはできないが、焼きそばなら作れそう。記憶を頼りに再現してみよう。
これよりクッキングパートに入りますが、この段落に書かれている調理法は失敗します。
料理初心者が真剣に試行錯誤しているさまをお楽しみいただきたい。
現地で見た焼きそば on ステーキ皿の図が衝撃で、ステーキ皿をなんでも売ってるニトリで購入。乗せてみるとそれらしく見える。さて肝心の味はというと…
麺はカリカリを超えてコゲコゲだし、具は火を入れすぎて全部フニャフニャ。焼肉のたれの味が強く、全体的に甘い味がする。本家のような深みのあるスパイシーさもまったく無く、ステーキ皿だけではごまかしきれない再現度だった。
麺の食感だけ、弾力強めのモチモチに仕上がっていたのでそこだけは自分を褒めたい。
翌日、別の容器に入れて、想夫恋を教えてくれた友人に食べてもらった。
おいしい料理は「なんとなく」では作れないと学んだところで、再チャレンジすることにした。最大の特徴である「食感」、そしてマネしやすい「ビジュアル」に重きを置いて作ることにする。
モチモチ食感はあるものの。カリカリ感はひかえめ。麺の焼きが足らなかったのかもしれない。
後味に関しては白こしょうによってかなり正解に近づけている、気がする。初回よりもおいしい焼きそばができた。
「おいしい焼きそば」は無事完成したが、目的は想夫恋の焼きそばの再現だ。一度しか本物を食べたことのない状態で実際どれくらい再現できているのか、気になる。
そこで、想夫恋を教えてくれた張本人であり、最初の焼きそばに手厳しい感想をくれた友人を呼び出した。
一度的外れな焼きそばを食べさせられているのもあり「一回しか食べたことのない物の再現なんて、無謀じゃないですか」と痛烈。でも二度目も食べる。
「普通にうまいな。前回の出来栄えを考えると結構びっくりする。」
やったぜ。また怒られるのではないかと内心びくびくしていたのでほっとした。
ステーキ皿、肉の形、白こしょうによるスパイシーな後味、たまごの焦げ目という4つの要素により、想夫恋っぽさを感じるという感想をもらった。
あくまで「っぽさ」ではあるが、大分県の人間にここまで言わせたら大の字だ。あとはカリカリ麺の作り方を追求をしたい。
・ステーキ皿を用意する
・麺を茹でる&焦げ目がつくほど焼く
・白こしょうはマスト
・焼きそばを作ったあとのフライパンで目玉焼きを焼く
・作りたてを食べる
大分で再び本家・想夫恋の焼きそばを食べるその日まで、ひとまずこれで飢えをしのごう。
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