特集 2023年9月13日

ラーメン二郎インスパイア系ビリヤニ、ビリヤ二郎を作ってみた

これが俺のビリヤニだ!

ビリヤニの難しいところは、グレービーの汁気をしっかり飛ばしつつ、ちゃんと米に水分を行き渡らせて炊き上げるところ。米料理全般に言えることだが、この火加減が難しい。

絶対に焦がしてはいけないし、かといってベチャベチャでもいけない。米の生煮えも煮過ぎも避けなければならない。鍋底の音を聞き、蓋から漏れる香りを嗅ぎ、グレービーの水分がなくなる限界を探って火を止める。

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しばらく蒸らしてから蓋を開ける。でも上から見てもよくわからない。ただの醤油ライスだ。

さて、中身はどうなっているのか。ドキドキしながら炊きあがったビリヤニを大鍋にあけると、鍋底に敷いたキャベツは少し焦げたが、肉はギリギリで無事のようだ。米も程よく炊けているっぽい。よし。

ビリヤニ作りの醍醐味は、ここの緊張感にあるのだと思う。

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キャベツという防壁が無かったら肉が焦げていたかも。
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グレービーの汁気は程よく飛んで、米がパラパラに炊きあがった理想の仕上がり。
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上からタレをかけてカラメにする。
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なかなか破壊力のある料理ができたのでは。

これは確かに二郎インスパイアのビリヤニだ

大皿にビリヤニを盛り、その横にヤサイ、ニンニクをたっぷりと添える。付け合わせはライタ(ヨーグルトサラダ)ではなく豚肉のスープとタレ。

これぞラーメン二郎インスパイア系ビリヤニ、ビリヤ二郎ではなかろうか。使っている肉が豚だからイスラム教徒にはお出しできない料理となったので、もしその必要があれば牛や羊で作ってもいいだろう。どんどん二郎から遠ざかるけど。

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ミントやパクチーを乗せて食べると、ビリヤニ寄りの味になる。
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米と肉がドーン。

ヴィジュアル優先で豚肉を大きくカットしたせいで、ものすごく食べにくいと評判だったが、味は狙っていたところに着地してくれていた。ちゃんと二郎インスパイア系、でもビリヤニ。求めていた味はこれだ。でも脂が少なすぎるかな。バラ肉を使えばよかったか。

料理としての完成度であれば、本家のラーメン二郎にも沼尻さんのチキンビリヤニにも遠く及ばないけれど、これはこれで記憶に残る味なので大変満足だ。

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ヤサイとニンニクは大事ですよね。
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米と肉を限界まで頬張って、スープで流し込むのが最高。
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澄んだ豚肉スープが余ったので、和風出汁で割って沖縄そばにもした。
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作り直してみた

ここから先は余談となるのだが、肉やグレービーが余ったので、反省点を踏まえて家で作り直してみた。

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肉は食べやすいよう一口大にカット。
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米の味が少し弱かったので、グレービーの量を増やしてみよう。
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米の上にスープと煮た脂身と、米を茹でるときに加えたニンニクを乗せて、じっくり蒸しあげてみようか。
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弱火なのでなかなか圧が掛からないなと思いながら圧力釜で加熱。
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おいしく炊けたかな。
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ちょっと焦げた!でも許容範囲!
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スープではなくライタを添えてみました。
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肉が小さくて食べやすい!そして脂身がうまい!

一回目のビリヤ二郎に比べると、たっぷり脂身が加わったことで、より味わいの二郎感がアップ。やっぱり脂ってうまいよな。肉を小さく切ったので見た目のインパクトは弱くなったけど、これくらいが食べやすい。ライタの存在は迷うところだが、ビリヤ二郎ではなくビリヤニ郎とするなら有りだろう。

それにしても惜しむべきは豚骨を使わなかったことである。豚骨を扱っている肉屋まで行くのを面倒臭がった私が悪いのだけど、まずしっかりと豚骨スープを作って、それで大量の豚バラ肉を煮て、その汁もグレービーに加えるという方法が正解だったか。

その豚骨&豚肉のスープで米を炊いてしまうという手法も考えられる。いっそ米ではなく麺で作るというのはどうだろう。いやそれはただのラーメンか。奥が深い。


ラーメン二郎インスパイア系ビリヤニ、ビリヤ二郎。料理名を言いたいだけのやつだったので、一回作れば満足するかと思いきや、次は調理法をああしてみたいとか、食材をこうしてみたいとか、意外と向上心の生まれる料理で驚いた。さらには逆に、スパイスをたっぷり効かせたマトンビリヤニ風ラーメンとかも作りたくなっている。ビリヤニとラーメン、やっぱり「まぜるな危険」だ。

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