特集 2026年8月17日

冬生まれだけど夏に誕生日を迎えたい!誕生日じゃない日に開く本気の誕生会

私は12月28日生まれなので、誕生日=冬というイメージがすっかり定着している。誕生日の日に外に出て炎天下だったことが人生で一度もない。暑い真夏に誕生日を迎えてみたいので、8月8日を誕生日として過ごすことにした。その日を迎えても依然26歳。誕生日史上初の「年齢継続」である。

1999年生まれの人類。記事を書いたり短い動画を作ったりしている。
室内用サインプレートと国語辞典、絵本が大好き。酒が苦手。
飲み会でオレンジジュースを6杯飲み、同僚に心配されたことがある(果糖の過剰摂取を)。

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誕生日は冬なのが当たり前

冬に生まれた以上、誕生日は冬にしか来ない。当然、誕生日は寒くてなんなら雪も降っていて、年末セールとかやっていて、スーパーにおせち料理が並んでいて、余ったクリスマスケーキが安売りされているものだと思っている。それ以外考えられない!

そんな中、7月生まれの友人の誕生日を祝っていて気づいたのだ。

もしかしてこの人にとっての「誕生日」は夏なのか…?

そりゃあ夏に生まれたんだもの。誕生日は夏でしょうよ。こうして文章にすると驚くほど当たり前のことを言っている。でも想像してみてください皆さん、自分が生まれた季節以外の誕生日を。イメージできなくないですか?冬生まれの皆さん、誕生日が炎天下って想像できますか?

…というような話を友人にしたところ、当然のように希望が受け入れられ、その場にいたS氏とH氏が誕生日パーティーを開いてくれることになった。パーティーの予定が決まるまで本当に一瞬だった。どうしてそんなに理解力があるのですか?

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誕生日を迎える準備

ある日、H氏とS氏が誕生日会の飾りを作っている場面に遭遇した。私も手伝おうと近寄ったら「祝われる本人が飾り作ることってあんまないよ」と断られてしまった。確かにそうかも。誕生日を祝われる者としての自覚が足りなかった…

ありがとう…とつぶやきながら撮った写真

ふたりがそこまでしてくれるのなら、私も気持ちをしっかり作らなくてはいけない。本当に誕生日であるという心持ちで8月8日を迎えなくては…!さっそく両親と友人に、今年は8月8日が誕生日であること、当日にお祝いのメッセージがほしいことを図々しくもお願いした。そして全員普通に受け入れて応じてくれた。ありがたいなマジで。なにそれ(笑)みたいなものが全くない。周りにとても恵まれている(呆れられているのかも)。

両親が祝ってくれた。夏に産んだ覚えはないでしょうに

 

コレステロールのときも祝ってくれた相棒Kに事情を話したらカレンダーに入れてくれ、日付を超えた瞬間に祝ってくれた。彼女のカレンダーには私の誕生日が2こある

祝わせてばっかで申し訳ないねぇ…。

修学旅行企画の同行者、すーちゃんからはポルトガル語で(お互いポルトガル語を勉強しているので)。

そうして迎えた誕生日当日、S氏の家に行く途中に3人でケーキを買った。「お誕生日おめでとう」のチョコプレートを注文したから、受け取るとき店員さんに「お誕生日おめでとうございます!」と手渡されて照れた。とっさに笑顔でお礼が言えたので、もうすっかり誕生日である。

お店を出たら外は炎天下だった。これこれ~!これが味わいたかった!誕生日なのに暑い。誕生日なのに日傘を差している。コートも着ていないし、今年もまだまだ終わらない。

誕生日に味わったことがない日差し!季節が真逆のブラジルで12月28日を迎えたらこうなのかもしれない。いつかやりたい
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本人も参加する飾り付け

S氏の家に着くと、さっそくS氏がお祝いの料理を用意してくれた。

こんな可愛いサンドイッチ、誕生日にしか食べられない!最高!
きゅうりが大好物であることも覚えていてくれた。愛。本当にありがとうございます。
からあげを揚げて持ってきてくれるS氏。やったー!パーティーだ!
S氏がお菓子用のアフタヌーンティー風タワーも事前に用意してくれていた。もう完全にパーティーじゃん!嬉しい!

そしてS氏がこれらの料理を作ってくれている間に、H氏と一緒に飾り付けをした。ここでもまた「祝われる本人って普通は飾り付けしないよ」と言われたが、そもそも記事の企画を手伝ってもらっているわけだし、何もしないわけにはいかない。自分、飾れます。飾らせてください。

風船を膨らまし、リボンをつなげる
本人もしっかり風船を用意したし、
なんなら本人が最も飾り付けを楽しんでいた

自分で「HAPPY BIRTHDAY」の風船を貼りながら、何度か「他人の誕生日を祝う気持ち」になりかけた。いけないいけない。祝われてるのは自分だった。誕生日パーティーの準備において、目的を見失うということはなかなかないだろう。貴重な体験をした。

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バースデーケーキで一気に気持ちが入る

料理と飾り付けが揃い、いよいよケーキの登場である。誕生日用のチョコプレートには「んちゅたぐい」と名前を入れてもらった。口頭で伝えたが聞き取れないだろうから、紙にも書いて補足した。それがこちら!

これは…

 

んちゃたぐいだ!!!!!!!!!

出来上がったプレートを「これでいいですか?」と確認されたときは遠目に私が「オッケーです!」と即答してしまったのだが、受け取って歩き出したときにS氏が「んちゃ…んちゃだった気がする…気のせいかな…」とつぶやいていたような気がする。

コレは変な活動名をつけた&紙に曖昧な字を書いた私が悪い!まぁ、「ゅ」も「ゃ」も同じようなもんだし全然問題ない。変な名前書かせてすみません。

「お祝い要員」として連れてきたぬいぐるみを抱える26歳
ろうそくの火を消したあとの匂いが完全に誕生日だった

そしてなんと、ふたりともしっかりプレゼントを用意してくれたという。誕生日の前借りである。

ちゃんとプレゼントじゃん!ありがとうございます!

 

私の普段の誕生日はクリスマス直後なので、たいてい包装がクリスマス仕様になっているプレゼントをもらう。でも今年の誕生日は夏なのでクリスマスのクの字もない。サンタがいない。新鮮だ。

S氏からはメイキングトイ「ホイップる」とちいかわの「うさぎ」のぬいぐるみ。私が友達に「ちいかわのうさぎに似ている」と言われたとS氏に話したのを覚えていてくれたみたい
H氏からは、自分で色を塗れるクマのランプと割って遊べるたまごのおもちゃ。H氏はずっとゆでたまごを食べているのでキャラどおりである。

このあとはしばらく3人でテレビを見ながらまったりしていたのだが、夜の時間帯のテレビが年末の特番じゃないのも新鮮だった。「今年も残りわずか」「佐野厄除け大師」など、誕生日とセットのイメージの言葉が一切出てこない。テレビの人たちはみな半袖で猫を愛でたりしている。8月生まれの人たちが誕生日に見るのは年末特番じゃないんだ。

もらった「ホイップる」をみんなで作っている間だけは、年末にいとこのお姉ちゃんたちと遊んでいるときのことを思い出した。

この日の夜、私はS氏の家にそのまま泊まった。日付を越えたとき、「誕生日が終わってしまった」となんともいえない寂しい気持ちになった。そして翌朝、炎天下を駅まで歩きながら「楽しい誕生日だったなぁ」と自然に思った。帰る頃にはもうすっかり誕生日気分に浸っていたのである。

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「当たり前」は自分だけなのかもしれない

誕生日は冬。クリスマスと年始の間で、テレビは厄除け大師か初売りのCMばかり。これを26年間ずっと当たり前だと思っていたが、それは12月28日付近生まれだけが持っている感覚であり、他の人とは違う。今回の本気の誕生日パーティーは染み付いた感覚を無理やり変える試みで、「肩甲骨はがし」のようなゴリゴリしたマッサージをされる気分になれた。ちょっと心の筋肉がほぐれた気がする!

架空の祝いに付き合わされるぬいぐるみたち
編集部からのみどころを読む

編集部からのみどころ
友だちが優しければ優しいほどこの記事の狂気が浮き彫りになります。だって、全部嘘だから。でも日付が変わる寂しさと翌朝の描写がリアルで現実と架空との境界が曖昧になるところまで行ってます。危ない!
しかし、「んちゅたぐい」でもじゅうぶんへんなのに「んちゃたぐい」でおかしく感じてしまうのが不思議です。慣れって怖いですね。(林)

以下、記事中で使わなかった写真をご覧ください。

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