誕生日は冬なのが当たり前
冬に生まれた以上、誕生日は冬にしか来ない。当然、誕生日は寒くてなんなら雪も降っていて、年末セールとかやっていて、スーパーにおせち料理が並んでいて、余ったクリスマスケーキが安売りされているものだと思っている。それ以外考えられない!
![]()
そんな中、7月生まれの友人の誕生日を祝っていて気づいたのだ。
そりゃあ夏に生まれたんだもの。誕生日は夏でしょうよ。こうして文章にすると驚くほど当たり前のことを言っている。でも想像してみてください皆さん、自分が生まれた季節以外の誕生日を。イメージできなくないですか?冬生まれの皆さん、誕生日が炎天下って想像できますか?
…というような話を友人にしたところ、当然のように希望が受け入れられ、その場にいたS氏とH氏が誕生日パーティーを開いてくれることになった。パーティーの予定が決まるまで本当に一瞬だった。どうしてそんなに理解力があるのですか?
![]()
誕生日を迎える準備
ある日、H氏とS氏が誕生日会の飾りを作っている場面に遭遇した。私も手伝おうと近寄ったら「祝われる本人が飾り作ることってあんまないよ」と断られてしまった。確かにそうかも。誕生日を祝われる者としての自覚が足りなかった…
ふたりがそこまでしてくれるのなら、私も気持ちをしっかり作らなくてはいけない。本当に誕生日であるという心持ちで8月8日を迎えなくては…!さっそく両親と友人に、今年は8月8日が誕生日であること、当日にお祝いのメッセージがほしいことを図々しくもお願いした。そして全員普通に受け入れて応じてくれた。ありがたいなマジで。なにそれ(笑)みたいなものが全くない。周りにとても恵まれている(呆れられているのかも)。
祝わせてばっかで申し訳ないねぇ…。
そうして迎えた誕生日当日、S氏の家に行く途中に3人でケーキを買った。「お誕生日おめでとう」のチョコプレートを注文したから、受け取るとき店員さんに「お誕生日おめでとうございます!」と手渡されて照れた。とっさに笑顔でお礼が言えたので、もうすっかり誕生日である。
お店を出たら外は炎天下だった。これこれ~!これが味わいたかった!誕生日なのに暑い。誕生日なのに日傘を差している。コートも着ていないし、今年もまだまだ終わらない。
本人も参加する飾り付け
S氏の家に着くと、さっそくS氏がお祝いの料理を用意してくれた。
そしてS氏がこれらの料理を作ってくれている間に、H氏と一緒に飾り付けをした。ここでもまた「祝われる本人って普通は飾り付けしないよ」と言われたが、そもそも記事の企画を手伝ってもらっているわけだし、何もしないわけにはいかない。自分、飾れます。飾らせてください。
自分で「HAPPY BIRTHDAY」の風船を貼りながら、何度か「他人の誕生日を祝う気持ち」になりかけた。いけないいけない。祝われてるのは自分だった。誕生日パーティーの準備において、目的を見失うということはなかなかないだろう。貴重な体験をした。
バースデーケーキで一気に気持ちが入る
料理と飾り付けが揃い、いよいよケーキの登場である。誕生日用のチョコプレートには「んちゅたぐい」と名前を入れてもらった。口頭で伝えたが聞き取れないだろうから、紙にも書いて補足した。それがこちら!
出来上がったプレートを「これでいいですか?」と確認されたときは遠目に私が「オッケーです!」と即答してしまったのだが、受け取って歩き出したときにS氏が「んちゃ…んちゃだった気がする…気のせいかな…」とつぶやいていたような気がする。
![]()
コレは変な活動名をつけた&紙に曖昧な字を書いた私が悪い!まぁ、「ゅ」も「ゃ」も同じようなもんだし全然問題ない。変な名前書かせてすみません。
そしてなんと、ふたりともしっかりプレゼントを用意してくれたという。誕生日の前借りである。
私の普段の誕生日はクリスマス直後なので、たいてい包装がクリスマス仕様になっているプレゼントをもらう。でも今年の誕生日は夏なのでクリスマスのクの字もない。サンタがいない。新鮮だ。
このあとはしばらく3人でテレビを見ながらまったりしていたのだが、夜の時間帯のテレビが年末の特番じゃないのも新鮮だった。「今年も残りわずか」「佐野厄除け大師」など、誕生日とセットのイメージの言葉が一切出てこない。テレビの人たちはみな半袖で猫を愛でたりしている。8月生まれの人たちが誕生日に見るのは年末特番じゃないんだ。
この日の夜、私はS氏の家にそのまま泊まった。日付を越えたとき、「誕生日が終わってしまった」となんともいえない寂しい気持ちになった。そして翌朝、炎天下を駅まで歩きながら「楽しい誕生日だったなぁ」と自然に思った。帰る頃にはもうすっかり誕生日気分に浸っていたのである。
「当たり前」は自分だけなのかもしれない
誕生日は冬。クリスマスと年始の間で、テレビは厄除け大師か初売りのCMばかり。これを26年間ずっと当たり前だと思っていたが、それは12月28日付近生まれだけが持っている感覚であり、他の人とは違う。今回の本気の誕生日パーティーは染み付いた感覚を無理やり変える試みで、「肩甲骨はがし」のようなゴリゴリしたマッサージをされる気分になれた。ちょっと心の筋肉がほぐれた気がする!
以下、記事中で使わなかった写真をご覧ください。
ここから
会員特典コンテンツです
この先は「デイリーポータルZをはげます会」会員向けの有料コンテンツです。会員になるとごらんいただけます。


