巣との出会い
ということで今日も山へとやってきた。今朝体中がガクガクしていたので熱がでる予兆かと思ったのだが違う、あれだ、疲れだ。2日間山道を花粉集めて登ったり下ったりしたからだ。でも迷うことなく今日も来た。もう他に行くところがないから、という話もある。なんとか原稿に仕上げないと本当に記事枠に穴を開けることになるのだ。

この日もまた棒を持って花粉のありそうな木を渡り歩いていたのだが、そんなおり、ふと見上げると枯れ木の間になにやら密度の高い部分があるのを見つけた。あれはなんだ?


巣だ!
枝の間にもしゃもしゃ見えるのは鳥の巣だった。そうか、鳥って巣に住んでいるんだな。

見つけた巣をぼんやりと見ていて思った、届かない花粉にじたばたするよりも、同じ届かないのならば巣を見ていたほうが楽しいのではないか、と。
というわけでここから企画を変更して「鳥の巣を眺める」を始めたいと思います。そうと決めた瞬間から楽しくなってくる自分が好きでたまりません。
鳥の巣鑑賞、始めました
鳥の巣はいい。
なにがいいかと申しますと、まずその姿がいい。中空に浮かんだどっしりとした造形には人工物を越えた建築のひとつの到達点すら感じる。動物たちが本能で作り上げた美、我々人間もそろそろ原点に戻る時期ではなかろうか。
加えて巣を鑑賞する、という行為もまたいい。鳥の巣は木の上にあることが多いので自然と見上げる形になるだろう。涙がこぼれないのだ。
今日は冬の木々に作られた鳥の巣を鑑賞しながら、その楽しみをみなで分かち合っていきたいと思っております。
鑑賞の仕方
鳥の巣を楽しむにあたって注意してもらいたい点を以下にまとめてみた。巣ウォッチ、あなどるべからず。油断すると大変なことになるので、ちゃんと読んでみなさんの今後の巣ライフに役立ててもらいたい。

・自分の位置を常に確認する
鳥の巣は山にあることが多い。しかもその多くは木の上の方にあるために、巣ハント中は主に上を見上げて森を彷徨うことになる。巣に夢中になりすぎて道に迷ったり足を踏み外したりしないよう、十分に気をつけてほしい。

・鳥にちょっかいをだすのは無粋
誰だって自分の家をとやかく言われるのはうれしくないはず。そこに住む住民(鳥)に迷惑をかけないよう、巣のみを静かに鑑賞することを心がけたい。巣を見て鳥を見ず、だ。実はもとから鳥にはそんな興味があるわけでもないのでこれでいいのだ。
これらポイントに留意しつつ、それでは実際に巣を見ていこう。
