いきいき喋る人をみるのは楽しい
「相談されたい!」からはじまったが、相談する側としてもキラキラした瞳でワーっと話す人を見てとても楽しかった。しかも自分では用意できない質問を投げるので知識も増える。お得な気持ちでいっぱいになる遊びでした。
↵
最近、後輩に業務の相談をされた。知っていることだったので得意気に説明すると「助かりました!本当にありがとうございます!」とお礼を言われた。
気分よく喋った後に感謝までされる。なんて素晴らしい時間だろう。 むしろ後輩より私が得をしたのではないか? もっとこういう相談されたい!
ということで「自分好みの相談」をしてもらえる仕組みを考えて遊びました。
まず「相談」について他の人にも聞いてみようと、友人に連絡をした。
「あ〜〜〜それはうれしい」「わかるわかる」と同意する2人。しかし、相談されて緊張することもあるらしい。
まずは「緊張する相談」と「うれしい相談」を分けてみることにした。
自分の知識をきいてもらいながら、人に感謝までされる。こんなにいいことはない。内容が自分好みで、うれしい相談をもっとされたい。
とはいえ誰かに「私好みの相談をしてほしい」と言われたら絶対に嫌だ。なんで?となる。
せめて相談する側にもメリットが欲しいということで
資本主義すぎる仕組みになってしまったが、これで相談され放題の準備は整った。
山宮さんが指示したテーマは「カナダ留学とワーキングホリデーについて」である。大学時代に体験したので話せるらしい。
あくまで依頼されていないという体で相談してみることにした。5分間の相談開始である。
カナダ留学など一度も脳によぎったことがない。大嘘である。でも300円いただいたので指示通り聞く。
はじめはカナダ留学への興味なんて少しもなかった。しかし嫌々質問をしていく中で、かなり説得力のある情報がかえってくる。5分後にはすごく興味が湧いていた。なんだこれは!
「お金はらったから」と遠慮せず、体重をのせまくって喋ったのですごく気分がよかったという。「全然払える」とのこと。
しかもその結果、聞いてる方も楽しくなってしまった。むしろいい話を聞いて300円もらった気持ちである。たのしい会になってきた。
次はテーマだけではなく「されたい質問」も指示し、より気分を高めてみることにした。
テーマはいますごくハマっている「Nizi Project」というアイドルオーディション番組についてだ。されたい質問も送った。
では300円を払い、5分開始である。
日常でもこの話をしたかったが、あまりに好きすぎて引かれるかな……と思いしてこなかった。でも私は今日、300円を払った。語れる権利を初めて得たのだ。
しかも相手は相談という体裁で下から聞いてくる。一生懸命魅力を、やや偉そうに語った。
報酬を払っているおかげで「引かれてもいい」と楽な気持ちで話せる。この300円が意外と大事なのだ。あと、相手ももらった分は返そうとするので、サービス精神を持って聞いてくれる。
このドーピングしたような状態で、自分のしたかった話をやや上からできる気持ち良さ。しかも聞いた方も得した気分になる。昔から「Win-Winってどんな状態だよ」と思っていたが、これは自信を持ってウィンウィンである。
実験を繰り返したおかげで、だいぶ楽しくするルールが固まってきた。
個人的にはやっぱり「相談される側」の体験が驚くほどたのしかった。ぜひ他の人にもルールを渡して、体験してもらい感想を聞いてみたい。
だれかに相談されたら嬉しい内容と、こういう質問があったらテンションあがるものをまとめて送ってもらった。そして300円も送ってもらう。
しっかりした指示だ。でもいきなりやってみて!と言って成功するだろうか。5分はかってスタートである。
最初は指示にそって質問をし、疑問が出たらそれも聞いていく。「キュンキュン系と重ため系だとどっちが好きですか?」など大変うまいこと誘導され「與座さんおすすめなのはこれです」と自分にあう演目を選んでもらった。
感想を聞いてみると「本当に喋りたいことだったのでうっかり熱弁してしまった」「なんですかこの清々しさは」と笑っている。
また、普段こうした相談をうけたこともあるが、喋った後に「熱く語りすぎたかな」「自慢みたいに聞こえてないだろうか…」と不安になることがあったそうだ。
でも今回は報酬を払って、完全に自分で仕込んでいるという気持ちがあったので罪が減り、すごく楽しかったという。わかる。わかるぞ。
お互い相談しあったので、結局お金は元にもどり、0円でめちゃめちゃ楽しい時間をすごせた。ぜひみなさんも、仲がいい人と自分好みの相談しあう会、やってみてください。
「相談されたい!」からはじまったが、相談する側としてもキラキラした瞳でワーっと話す人を見てとても楽しかった。しかも自分では用意できない質問を投げるので知識も増える。お得な気持ちでいっぱいになる遊びでした。
▽デイリーポータルZトップへ | ||
▲デイリーポータルZトップへ | バックナンバーいちらんへ |