心の中のエロ本とは何か
「草むらに捨ててあることでお馴染みの」とサラッと書いたが、そんな光景に出くわしたのは果たしていつのことだったか。あるいはそんな場面なんて実際には一度も見たことないような気もする。あったとしても、小学生の頃など、群馬の山で遊んでた時代にまで遡るだろう。
なので資料となる写真を持ってないのだが、実はコロナが出始めた昨年2月に、犬の散歩で通う近所の河原で見つけたのだ!DVDを。
おおお!貴重なアレ(=草むらエロ)!そして今や書籍でなくDVDかい!と大興奮した記憶がある。コロナ前時代の、ひとひらの残り香であろうか。
というわけで、「乾いたエロ本をバリバリ開く」経験も私には皆無なのだけど、それを開くときのバリバリ感は、あのバリバリ財布に通じるのではと予想する。風呂で半身浴の際、本を読んでいるのだが、1ヶ月もするとバリバリになるもんな。似たような感じであろう。
さて。まずはエロ本的デザインを考えねばならない。ここでもハタと困惑する。現代のエロ本は、ざっと検索しても財布にするにはちょっときつい。というか、イメージの中の濡れそぼったそれは、もっと淫靡な、触れてはならないというような妖気をまとっていなければならぬ。
イメージをいろいろな語彙で検索するに、私の思い描く画風は「カストリ雑誌」に近いとわかった(各自おググってください)。戦後、それまでの抑圧から一気に花開いた、エログロで安価な雑誌群のことである。あのバタくさいような安いようなあの絵の感じで描いていこう。
そのものズバリではない、チラリズム。そんな様態が、財布の表紙には合うだろう。コンビニで、デパ地下で、観劇で、しっくり来ないかもしれないが、ギリ人前に出せるものを。出した後の本人の評判は、知らない。
さすがに、自分でも何やってんだかわからなくなってきた。なぜ自身初のエロ画を、健全なみんなの読み物サイト・デイリーポータルZで一生懸命徹夜して描いているんだ私は。
でも早くバリバリエロ財布が見たい。その一心で続行しております。
見立てを突き詰めすぎてエロ財布作る夜
さて次は通称バリバリ財布、マジックテープ=面ファスナーで開閉する財布の制作だ。
FREITAGのバリバリ財布をこれは便利と意気揚々と持ち歩いていたら、世間はバリバリ財布を嘲笑しはじめて悲しかった。その悲しみをも昇華していきたい(適当)。
とはいえもうその財布は家になく、代わりに3つ折り財布があったので、これを参考に作ろう。
こうしてざっくりと型紙を考え、もう考えが行き渡らなくなって「ええいもう作りながら試行錯誤だ」と、布にプリントして、手芸店でラミネートシートなどいろいろ買ってきた。
さあ縫製だ。カンでバリバリ財布を作るイベントが人生で起きようとは。
やってることは正統な縫製作業なのだが、チラチラチラチラ裸体が目に入る。ピンクだし。そして夜中に突入。血走った目で、働かない頭で、なぜこんなことになったか思い出そうとしては諦める夏の夜だ。
おお、でもなんだかしっかりした財布らしいものは、とにかく出来上がったぞ!
とにかく開けてみよう。バリバリバリバリ…
さっきから何度も考えている。これ、普通に財布ができてるので「草むらのエロ本財布」っていうか「単にエロ財布」だ。古い観光地のお土産みたいな。ヌードペンやヌード湯呑みのカテゴリだ。私はこの数日間、喜んでエロ財布を作る人になっていたのか。
これは草むらに置かないと始まらないのではないか。
前提とか状況とか何もかも間違っているせいかもしれないが、「(やった、エロ本みっけ!)」とはならなかったよね。「これはいったいなんだろう、エロ財布?」となるはず。
なぜなら、使ったが最後だと思うのだ。いろいろな意味で。
でも考えようによっては、財布を周囲から死守することになるので、失くしにくくなっていいかもしれない。
エロエロすいません
とにかく仕上げることを使命にわき目もふらず作っていたら、遠い地方の観光地まで流れてきてしまったような感じだ。
もっと本みたいによれよれな感じで、大きめに作ったらよかったか。たぶんそういう問題ではない。
とりあえず絵の練習は続けたい。
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