個人的な思い出を聞ける
ガイドは江ノ島さん。
ガイドを聞きながらクマを見ると、何度も目が合ったような瞬間があった。体毛が黒くて分かりづらいが、クマって思っていたより感情表現が豊かなのかもしれない。
遠くから手を振る様子が想像できた。
思い出、もう一つ
この日、ゴリラは展示スペースに出てこなかった。そんなこともあるだろう。いないゴリラを想像しながらガイドを聞いた。こちらも江ノ島さん。
これだ。https://dailyportalz.jp/b/2015/04/01/uso07 四つん這いのゴリラが浜辺にいる。
あと今日映画を観に行こうと思って、ゴジラと、キングコブラ。
でっかいゴリラみたいなやつが戦うやつを見に行こうと思ってたんですけど、面倒臭くなってやめちゃいました。
なんでしたっけほら、キングコブラじゃなくて、でっかいゴリラのやつ。えー、でっかいやつ。キング、キングコブラ。
キングコングだ!
キングコングとゴジラの映画を観に、今度行きます。お願いします。
突然思い出が終わって、今日観なかった映画の話になった。
詳しくない音声ガイド、なんて自由なんだ。「今日観なかった映画の話」も聞けるのか。
すごくおもしろかった
このように、詳しくない音声ガイドでは意外な雑学や、個人的な視点と思い出を聞くことができた。細かく言うなら最近見たYouTubeや好きなナムコのゲーム、今日観なかった映画の話も聞くことができる。
自分じゃない頭でものを見ると、思ってもないことに気がついて注目するようになってすごくおもしろい。美術館でも博物館でもやってみたい。
最後に安藤さんが動物園全体について音声をくれたのでそれで終わります。
動物園の動物見に行くと、動物もこっちのこと見てると思うので、その感情の交錯する感じが僕は好きですよ。
ほら、動物って大体毛が生えてるじゃないですか。でも僕らは毛があんまりないので「うわ、毛がない生き物来た」って思ってんじゃないかなとか考えながら動物を見てるので、そうしてください。
音声ガイドの奇才
本文の流れに収められなかったガイドを紹介します。窪田さんより。
ペンギンは生存戦略で空を飛ぶ能力を捨てたと言われています。飛ぶのではなく、泳ぐという方向に適応の舵を切ったのです。
しかし、ペンギンと言えど鳥。かつては大空を駆けるように飛び回っていたことに疑いの余地はないと世界中にいる数多の研究者の間でささやかれていることに間違いはないと個人的には信じている今日この頃、今動物園で暮らしているペンギンさんたちも何かのきっかけがあれば空を飛ぶことだってあるかもしれません。
動物というものは、私たちが思っているよりも希望を胸に抱いて生きていて、不可能を可能にしたいという意欲も持っています。
そんなペンギンたちがいつ大空に羽ばたいて逃げ出してもいいように、脱走後の彼らの足取りを追うためにGPS付きのタグを羽に付けているんですね。それはペンギンを所詮飛べない鳥だよと見くびっていない証拠でもあるのです。
頑張れペンギン、負けるなペンギン。
そして同様に、頑張れ私、負けるな私。
世界は私たちが思っているよりも希望に満ち溢れています。
妙に力強かった。これはジャンル分けするなら「嘘」というカテゴリーになるのだろうか。でもこんなガイドも良い。
記事に使わなかった話
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