矢印の説得力は強い
どんな大嘘でも、矢印に示されたら一瞬「そうなのかも…」と思わされてしまう。普段信用している矢印に大嘘をつかせることができて面白いので、皆様もぜひお試しあれ!
矢印看板は街中にたくさんあるので、フォトスポットとしておすすめですよ。
「入口はこちら→」「←インターホンはこちら」など、矢印が書かれた案内板やポスターは街中にあふれている。そのあらゆる矢印が示す先に私が立って、私が矢印を受け止めてみよう!矢印が示すものに、私自身がなる。
百聞は一見に如かず、こういうことです。私の真後ろにインターホンがあるのだが、存在を上書きしてみた。
東京メトロのお知らせが「インターホンはこちら」と言っている。その「こちら」が私なのだから、この写真の私はまぎれもなくインターホンです。ご利用ありがとうございます。
このように、矢印の先に立つと矢印が私のことを紹介してくれているように見えるのだ。その瞬間は「んちゅたぐい」としてのアイデンティティが揺らぎ、何にだって化けられる。
そんな矢印付き案内板を、新たなフォトスポットとして提案したい。
とんでもない大嘘である。でも、そうとしか見えない。矢印看板で写真を撮るコツは、とにかく堂々と自信にあふれた顔をすること。矢印の言うことが正しいのだ。
ポーズや動きを工夫するともっと矢印に寄り添える。
エレベーターの矢印の先で上下に動くとエレベーターになれます。
私が都営バスのりばであって良いはずがない。毎日めちゃくちゃ動くんだもの!目立たないし小さいし。
でも、この看板の矢印が私を指している限り私は都営バス②③のりばなのだ。横に立っている間だけは責任を持たなければ。
人間ひとりが「売場」になることなどない。でもこの矢印は「お前は食料品売場だ」と言っている。じゃあそうなのかも!
矢印の近くに数字が書いてあることも多い。だいたい何m先にその施設があるのか示している。距離をあらわす数字であったとしても、その矢印の先に立つだけで身長に見えませんか?
矢印の使われ方として特に多かったのが「入口」だった。人はいつも入口に導かれているんだなぁ。「入口」の矢印の先には当然自動ドアなどがあるが、その入口を私が塗り替えてしまうことだってできる。
店の入り口が私の手になった!客はみな私の手の中に吸い込まれていくのだ。私が巨大なのかもしれないし、客が小さいのかもしれない。手の中にカラオケがあったらよく響きそうですよね。
「入口」の矢印は、大きければ大きいほど手の小ささが際立って良かった。「入口」の案内が堂々としているほど、指し示す先のショボさとのギャップが広がる。
そしてこの丸めた手を使うと、どんなものでも(文字通り)手中におさめることができる。
せっかくコインロッカーなのでカバンでも試してみよう。
荷物をロッカーに入れるのではなく、荷物の中にロッカーがある!とんでもない革命を起こしてしまった。
どちらもものすごい嘘なのに、赤い矢印が自信にあふれているので丸め込まれそうになる。矢印があると言うならじゃあ、あるのかもな……。
矢印の手にかかれば、ただの黒いポーチを高級ブランドのバッグにすることもできる。
全然ルイヴィトンらしくないルイヴィトンだ。この矢印の先には何を掲げてもルイヴィトン製品になる。撮影時には持ち合わせていなかったけど、身の回りのものを積極的にヴィトン化していきたい。湿布とか孫の手とか。
この矢印の上には「下りエスカレーター」の矢印もあるので、大きめのポーチを二つの間に掲げたら「ヴィトンでも下りエスカレーターでもあるポーチ」が完成します。なんだその兼業は。
どんな大嘘でも、矢印に示されたら一瞬「そうなのかも…」と思わされてしまう。普段信用している矢印に大嘘をつかせることができて面白いので、皆様もぜひお試しあれ!
矢印看板は街中にたくさんあるので、フォトスポットとしておすすめですよ。
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