特集 2026年3月23日

案内板の矢印が指し示す先に立つと何にでもなれる

「入口はこちら→」「←インターホンはこちら」など、矢印が書かれた案内板やポスターは街中にあふれている。そのあらゆる矢印が示す先に私が立って、私が矢印を受け止めてみよう!矢印が示すものに、私自身がなる。

1999年生まれの人類。記事を書いたり短い動画を作ったりしている。
室内用サインプレートと国語辞典、絵本が大好き。酒が苦手。
飲み会でオレンジジュースを6杯飲み、同僚に心配されたことがある(果糖の過剰摂取を)。

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どうも!インターホンです。こんにちは。

百聞は一見に如かず、こういうことです。私の真後ろにインターホンがあるのだが、存在を上書きしてみた。

東京メトロのお知らせが「インターホンはこちら」と言っている。その「こちら」が私なのだから、この写真の私はまぎれもなくインターホンです。ご利用ありがとうございます。

このように、矢印の先に立つと矢印が私のことを紹介してくれているように見えるのだ。その瞬間は「んちゅたぐい」としてのアイデンティティが揺らぎ、何にだって化けられる。

そんな矢印付き案内板を、新たなフォトスポットとして提案したい。

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矢印が向けられていると、どんなことが書いてあってもその人の説明かのように見える
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「乗り場」や「売り場」を担う一瞬の責任感

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矢印「コイツがニトリです」
んちゅ「そうだ、私こそがニトリだ」
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矢印「この人ハルクです!(大声)」
んちゅ「そうです、私はハルクです。」

とんでもない大嘘である。でも、そうとしか見えない。矢印看板で写真を撮るコツは、とにかく堂々と自信にあふれた顔をすること。矢印の言うことが正しいのだ。

ポーズや動きを工夫するともっと矢印に寄り添える。

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私はスロープなのかもしれない

エレベーターの矢印の先で上下に動くとエレベーターになれます。

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私が都営バスのりばです。

私が都営バスのりばであって良いはずがない。毎日めちゃくちゃ動くんだもの!目立たないし小さいし。

でも、この看板の矢印が私を指している限り私は都営バス②③のりばなのだ。横に立っている間だけは責任を持たなければ。

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私が全ての食料品を売ってます!

人間ひとりが「売場」になることなどない。でもこの矢印は「お前は食料品売場だ」と言っている。じゃあそうなのかも!

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矢印「こちらがボタンでございます。」
んちゅ「どうも、ボタンでございます。」
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数字はすべて身長に見える

矢印の近くに数字が書いてあることも多い。だいたい何m先にその施設があるのか示している。距離をあらわす数字であったとしても、その矢印の先に立つだけで身長に見えませんか?

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なんとこの人、90mもあります
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この人の肘のあたりが地上40mです
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ちょうど横線が頭に当たっていて身長みたい!150mです(本当は150cm)
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手や物を使うとありえない光景になる

矢印の使われ方として特に多かったのが「入口」だった。人はいつも入口に導かれているんだなぁ。「入口」の矢印の先には当然自動ドアなどがあるが、その入口を私が塗り替えてしまうことだってできる。

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入口はこちら
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入口せま!!!

店の入り口が私の手になった!客はみな私の手の中に吸い込まれていくのだ。私が巨大なのかもしれないし、客が小さいのかもしれない。手の中にカラオケがあったらよく響きそうですよね。

「入口」の矢印は、大きければ大きいほど手の小ささが際立って良かった。「入口」の案内が堂々としているほど、指し示す先のショボさとのギャップが広がる。

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入れるもんなら入ってみな!
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「出口」もあった。閉じ込められているときにこの光景を見たら絶望する

そしてこの丸めた手を使うと、どんなものでも(文字通り)手中におさめることができる。

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手の中に大型コインロッカーがあります!

せっかくコインロッカーなのでカバンでも試してみよう。

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ポーチの中に大型コインロッカーがあります!

荷物をロッカーに入れるのではなく、荷物の中にロッカーがある!とんでもない革命を起こしてしまった。

どちらもものすごい嘘なのに、赤い矢印が自信にあふれているので丸め込まれそうになる。矢印があると言うならじゃあ、あるのかもな……。

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勝手に高級ブランドにする

矢印の手にかかれば、ただの黒いポーチを高級ブランドのバッグにすることもできる。

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これ、ルイヴィトンです!

全然ルイヴィトンらしくないルイヴィトンだ。この矢印の先には何を掲げてもルイヴィトン製品になる。撮影時には持ち合わせていなかったけど、身の回りのものを積極的にヴィトン化していきたい。湿布とか孫の手とか。

この矢印の上には「下りエスカレーター」の矢印もあるので、大きめのポーチを二つの間に掲げたら「ヴィトンでも下りエスカレーターでもあるポーチ」が完成します。なんだその兼業は。

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写っている全員が嘘をついている写真

矢印の説得力は強い

どんな大嘘でも、矢印に示されたら一瞬「そうなのかも…」と思わされてしまう。普段信用している矢印に大嘘をつかせることができて面白いので、皆様もぜひお試しあれ!

矢印看板は街中にたくさんあるので、フォトスポットとしておすすめですよ。

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心がきれいな人にだけ見えるコーヒーカップ
編集部からのみどころを読む

編集部からのみどころ
「ニトリ」の矢印が自分に向いているから私がニトリ。
でたらめなのに理屈としては合っている。正論では太刀打ちできないタイプです。私がんちゅたぐいさんの担任の教師ではなくて本当に良かった、そう思いました。
しかし、距離を身長にしているのは発明だと思います。ヴィトンも。(林)

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