デジタルリマスター 2022年10月30日

りんごをまったく使わないアップルパイとは?(デジタルリマスター)

紅玉というりんごがたまたま手に入った。アップルパイに最適な品種だ。なのでさっそくアップルパイ作るかと思い立ち、作り方をネットで調べようとしたところ、妙な記述が目に入った。

「アメリカの開拓時代、りんごが手に入らなかった人々は、りんごなしでアップルパイを作った」

ん?アップルが入ってるからアップルパイなんだよね?りんごなしの「アップルパイ」って?と不思議に思い、作ってみることにした。

2007年1月に掲載された記事を、AIにより画像を拡大して加筆修正のうえ再掲載しました。

1970年群馬県生まれ。工作をしがちなため、各種素材や工具や作品で家が手狭になってきた。一生手狭なんだろう。出したものを片付けないからでもある。性格も雑だ。もう一生こうなんだろう。(動画インタビュー)

前の記事:グミ好きならやってみたいこと(デジタルリマスター)

> 個人サイト 妄想工作所

その前に本来あるべきものを

私は実は本物のほうのアップルパイを作ったことがないので、まずそちらから作って食べ比べねばなるまい。

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普通に食べると昔のりんごのようなすっぱさです。

簡単そうなレシピを探して作ってみた。

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りんごを小さく切り、砂糖と水を入れる。
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30分ほど弱火で煮込む。
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まさかと思うようなアメ色になった。シナモンは、火を止めてから入れる。
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市販のパイシートの上にこぼれないように敷き詰める。
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切れ目を入れたもう一枚のパイシートでフタをし、卵黄を塗る。刷毛がないので適当なもので。
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フォークで型押ししてフタ。

そして、180度のオーブンで15分ほど焼くとごらんの通り。

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おお、見たことあるよこういうの!

ちょっと感動だ。自分で言うのもなんだが、お店で売っているかのようである。ちょっと焦がしたけどな。

さて、こんどは「アップルを使わない」ほうのパイである。その材料とは?

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砂糖、レモン、そしてリッツ???
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その名も「モックアップルパイ」

モックとは「見せ掛けの」といった意味。例えばケータイ電話売り場で目にする電話機の模型のことをモックというが、まあそんな意味である。

ネットで調べたのだが、日本語サイトではこのモックアップルパイの作り方はヒットせず、英語の「mock・・・」でやっと文献に当たることができた。翻訳しながら格闘していこう。

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レモンを一個しぼり、残った皮を「すりつぶす」とあったが、なかなかすれないので、みじん切りに変更。
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水をカップ2杯、そして砂糖をカップ2杯だと!不安だ・・・。
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まあいいや!えい!
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「2 teaspoons cream of tartar」というのが「酒石英」という材料らしいが、手に入らず。ベーキングパウダーのようなものらしいので、重曹で代用。
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重曹も入れてくつくつ30分ほど煮込む。あやしげ。

そして出ました、リッツ。どうも文脈からして、これがアップルの代わりとか。大丈夫なのだろうか。

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荒く割って、
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パイシートに敷き詰める。
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さてここで、先ほどのシロップを見てみましょう。色づいてますねー。
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そこに、レモン汁とレモンの皮を入れる。
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重曹のせいで、泡がジュワーッと。あわてる。
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このシロップを冷やします。
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そして、リッツの上にかけていきます。 なんとなく見えてきた。
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バターかマーガリンを「気前よく」(翻訳)落としていく。
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見た目はさきほどのアップルパイと変わらず。

これも同じようにオーブンに入れる。そして15分後・・・。

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意外な食べ比べ結果

見た目はほんとうに、アップルパイなのだ。香りは、レモンの香りがするが、香ばしいシナモンの香りのせいで、アップルパイのような気もする。

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手前がモックアップルパイ、向こうが本物アップルパイ。
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重曹のせいか、本物よりブワッと膨らんでいる。
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断面・・・おや?
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めくってみたところ。おや??

な、なんだか本当にりんごの煮たのみたいなことになってないか??これリッツか?あ、端っこはリッツっぽい。

なんだか信じられないような結果だったので、他の人にも食べ比べてもらうことにした。

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ニフティの古賀さん。おやつのゲッペイを我慢してもらって試食してもらいました。

「あれ?うーん、え?でもこっちがアップルパイですよねぇ・・・」

うん、そうなのだ。どっちかわからないくらいそっくりにできている、ということでもなく、識別はできるのだ。

さて、どっちが本物でしょう?

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こっちだ!

あったりー。まあ、そりゃわかりますよね。りんごの甘露煮がまんま入ってるんですから。

しかし、古賀さんはモック・・・のほうにもご執心の様子。

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え、わー。りんごみたいっすね!
でも最初ポテトが入ってるのかと思った!

食べ比べての両者の感想だが、「本物のほうは味が強いが、モックのほうはやさしい味で、こっちも別物として成立しそうだ」、ということであった。

まさかと思って挑んだ「リッツによるアップルパイ」。普通に成功です。


その後、他の方にも試食いただいたのだが、「モックのほうが好き」という方も多かった。これはこれで新しい分野になるかもしれない。ちょっと面倒だけど。

りんごがまったくない状況なら、子供にせがまれてモックパイを作ってもだませるかもしれない。しかしもしりんごが手に入るような状況なら、やはりアップルパイの代用、というにはちょっと無理があるかもしれません。

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