最初に断っておきたいのだが、姉がはまっている「ガムラン」とは決して怪しいものでも危険なものでもない。
インドネシアの歴史ある民族音楽のことである。
シャンシャンとした音で奏でられるエキゾチックな音楽で、バリでは観光客にかなりの人気がある。
私も存在自体は知っていたが、身近に演奏している人はいない。
......はずだったが、姉が突然はまったおかげで急にめちゃくちゃ身近に「演奏している人」が現れた。
「ガムランやりすぎでは?」と思っていたところに姉からこんな連絡が来た。
どうやらガムランの演奏会に出るらしい。
本人も弾くということで「なんの楽器で出るの?」と聞いたらこのLINEが返ってきた。
何が見られるのかまったくわからないが、日本でガムランを見ることも少ないし、身内がガムランをやっていることもなかなかない。
この千載一遇のチャンスをつかむため、姉の舞台を見に行くことにした。
ガムランのステージにはバナナが供えられている
やってきたのは東京・羽根木公園。
姉が入っているガムラン教室の人たちはここで30年ほど毎年演奏会をしているらしい。
うろうろしていたら姉の友人に会い、「お姉さん、取り憑かれたようにガムランやってるね」と言われたので「そうですね」とお返しした。
私のような初心者のために丁寧な解説があるのだが、いかんせんこちらの基礎知識がなさすぎてついていくことができない。
わからないことだらけだが、なんだか楽しそうではある。わくわくしながら開演を待つことにした。
様々な「まったり」を楽しめるガムラン演奏
シャンシャンと軽快な曲が始まった。
演奏前に司会者が「バリの方が聴くと『来た来た来た!』と血が騒ぐ曲」と紹介していたので、相当猛々しい曲なんだろうと思っていたが、聞いてみるとまったり聞けていい曲だった。
楽器の音もきれいで、自然のなかで聞くのにぴったりである。
「さっきの曲とは雰囲気が違う曲です!」といわれたので「激しくなるのかな〜」と思ったらさらにまったりした曲だった。
それなりにまったりした曲から、どんどんまったりした曲になっていく。
ガムランには私が知らない「まったりの多様性」があるらしい。


