特集 2022年4月10日

ドットを手書きする(デジタルリマスター)

世の中どんどこデジタル化してゆく。アナログな部分を残しつつデジタル化してきた昨今ではあるが、もっと強力にアナログの力を見直す方法はないものか。

そうだ。ドットを手作業で紙に写してみるのはどうだろう。アナログの逆襲が今、はじまる!

2003年12月に掲載された記事を、AIにより画像を拡大して加筆修正のうえ再掲載しました。

1979年東京生まれ、神奈川、埼玉育ち、東京在住。Web制作をしたり小さなバーで主に生ビールを出したりしていたが、流れ流れてデイリーポータルZの編集部員に。趣味はEDMとFX。(動画インタビュー)

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アナログドット、ことはじめ

こないだまでデジタルなんて時計だけだと思っていたら、いつの間にやらいろんなものがデジタルだ。そのうち家電も全部デジタル化して、ネットワークでつながるんだとか何とか。

便利そうだ。

いやいや、なんだかんだ言いましても、やっぱり最終的には手作業の力ありき。そのことを忘れないために、直接的な方法でアナログ側からデジタル側にアプローチしたい。

デジタルの画面は全部ドットで表されている。絵も、文字も、写真も、なめらかに見えるが拡大すれば全部ドットだ。

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拡大すれば画面は全部ドットでできてる

これを手作業で紙に書き写して行くなんてどうだろう。
「アナログ→デジタル」の流れにあらがう
「アナログ←デジタル」の挑戦。気分は鮭の川上り。

その方法は

早速簡単なカタカナの文字でやってみた。

(1) パソコンの画面に書き写したい素材を拡大

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拡大表示して、

(2) 見えてきたドットをそのまま紙に写す。

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写す

できたら、パソコンの画面で見るのと同じような大きさで見てみる。紙は縮小することができないので、距離をとって、見る。アナログだ。

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パソコン画面
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手作り

こんな感じで、ドット絵や写真などのドットを手作業でどんどこ紙に再現していく!

果たしてどこまでデジタルは手作業で紙の上に再現することができるのか。当たって砕けます。

第一章「切り絵でドット絵」

初代ファミコン画面みたいなカキカキしたドット絵にはストレートな未来感がある。これを征すればパソコンの画面などは征したようなものだ。

選んだドット絵は顔のアイコン。自分の顔のドット絵を手作業で写し取る。

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これ

ドットの代わりにするのは小さく正方形に切った折り紙だ。切った折り紙を手にすると、パソコン画面のドットを採取したみたいな不思議な気分。

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手作りドット

方眼紙の上に一つ一つ折り紙を並べて自分の顔のドット絵を作っていく。一つずれると隣もずれて、福笑い状態になってしまう恐れも。一つのドットに細心の注意を払わねば。気分は職人だ。どこからも発注はないが、プライドだけでやってます。

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細心の注意払い中

作業は上一列目から順番にやっていった。徐々に見えてくる顔。職人というよりもむしろ、出力にやたら時間のかかるプリンターのようになっていないか、大丈夫でしょうか。

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約1時間をかけて完成。さすがアナログ、さすが手作業。じっくり手間ひまかかってます。

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怖い

 

アップで見ると怖い。三マス続いて一マス上がる赤い口の部分にたくらみを感じる。

アップには耐えられないようだ。あわててパソコン画面と同じサイズまで下がって見てみる。

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おお。大丈夫です。パソコン画面と同じように、ちゃんとかわいいです。

遠目ではかわいく見えるのに、アップだとそうでもない、デジタル、なんだかいじわるだ。

新たな発見があったところで、よりアナログ感溢れる方法、書道でドット書きにチャレンジです。

第二章「書道でドット文字」

次は書道でドット文字を書き写す。筆で、墨でドットの四角は上手く書けるのだろうか。まさにデジタルVSアナログのガチンコ勝負。

今回の実験、所用によって実家で行ったため、小学校時代に使っていた書道の書き初め道具をひっぱり出してきて使った。年明け前に書き初めもないが、今年は一度も書道はやってないので、ある意味書き初めだろう。

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筆!
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墨!
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かきぞめ!

気持を落ち着け、墨をする。心を無にし、向かい合うのは見本の写し出されるパソコン画面。

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心を無にして

半紙にはさすがに方眼の目は入っていないので小さく折り目を付けた。この1マス1マスを心を込めて塗りつぶす。
 

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一マス一マス

書いたのは小学校時代に冬休みの宿題で出されながら上手く書けなかった二つの書き初め課題。

提出した書き初めが教室の後ろに張り出されたとき、名前が書いてあるにもかかわらず、間違えて男子側に貼られたのを思い出す。小学校時代って女子より男子の方が総じて字が雑だ。それで間違われたらしい。

今回はなんと言ってもパソコンの画面の文字をそのまま書くのだ。ドットさえ正しく塗りつぶせば下手に書く心配は無用。当時の無念もついでに晴れそうだ。

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ついでに無念も晴らす

完成!また離れてパソコン画面と見比べてみよう。

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……。あれ。「日の出」の「の」がずれた。マス目数を数え間違えたてしまったようだ。

やっぱりダメなものはドットの力を借りてもダメなんだろうか。でもこのミスでアナログ的な味わいが出たと思えば、わざわざ書道でチャレンジした甲斐があったというものだ。

なお、ドット書き初めを手にした右側の者は弟(17)である。私が社会に出てからは毎年お年玉をあげている。

兄弟仲もあたたまり、いよいよ大詰め、最後は写真のドットを書き写す! 果たして遠目で見れば写真に見えるのか。

ドット第三章「絵の具でデジタル画像」

アナログでドット 、着々です。

残る最後は写真。ここまでのドットの単純さに比べるとかなり難しそうだ。ある意味で手作業の限界への挑戦とも言える。

ここでも題材は顔。中でも一番やりやすそうな「目」の部分を拡大して書き写す。

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ここ

写真の目の部分を切り取って拡大し、なんとか人力で書き写しができそうなぐらいにまで色数を減らした。

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拡大
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減色、これを写す

減色した目の画像はかなり実体がわからないことになっているがが大丈夫だろうか。目の写真なのに、緑やオレンジや水色のドットが入ってる。

今までにないビビり。しかしやらねば。デジタルの力を信じ、アナログの新しい可能性を開くため。なさねばならぬ。買わねば当たらぬ宝くじ。

模造紙の方眼の一マスを、そのまま拡大した目の画像の一つのドットとして絵の具で色を塗る。

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今回は絵の具で

パソコン画面の見本にそって塗るだけの単純作業で、自分自身いまいち今どの部分を塗っているのかが分からない。

ただ与えられたタスクをこなす。楽だけど、ちょっぴり不毛。工業用ロボットが何か考えているとしたらこんな感じかも。

途中から手伝ってくれた母はパソコンに写る見本画面を見て色選びをしきりに気にしている。

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内職みたいになってる母

「コレは何色なのよ? なんて名前の色?」
「え? コンピュータが考えてよかれと選んだ色だから分かんないよ」

くやしいが、そうなのだ。画面の表示に近い色を作るのは難しかった。どれも絵の具の単色にはない色だ。あわわ。このままではチャレンジ内容が「アナログの逆襲」から「パソコンの力を思い知る」になってしまう。

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名もなき色たち

作業の大儀などわざと忘れつつ、苦闘半日。ついに模造紙にデジタル写真を完全移植した!

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何事だろう。このなんとも言いにくい佇まいだ。良く言えば社長の別荘にでもかけてありそうな。ぶっちゃけて、作品に漂う妙なありがたみの無さが気になる。

では、離れて見てみましょう。

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あ、目です! 全体的に色が濃いめだったようだけど、ちゃんと目が浮かび上がっております。

アナログの逆襲。一時はパソコンの力を思い知らされたと焦ったが、やりとげた今となっては、胸を張って言える。これはアナログとデジタル、両者の共同作業だったと。

※目の絵が見えてこない方はどうか心の目を開いて見て下さい。


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デジタルの世界へ返還

作った絵は、またデジカメで撮ってパソコンに取り込んだ。デジタルとアナログの行ったりきたりだ。

分かったのはデジカメで写真撮るのは1秒だけど、ドットを書き写すのは半日かかるということだ。やっぱりデジタルなことはデジタルにお願いするのが一番だ。

手作業の底力はドットとは別のフィールドで生かしていけば問題ないなと思いました。

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