デジタルリマスター 2022年9月26日

よく考えたらすごい(デジタルリマスター)

ひとまわりして素直になりました

先日久しぶりにハンバーグを食べて、つくづくうまいと思った。

ハンバーグがうまいっていまさらな発言だし、新奇性に欠ける。だいいち子供みたいでかっこ悪い。でも、「ハンバーグうまい」って思っちゃったのは事実だ。ひねくれものの僕だけど素直に認めよう。

そうやって素直に考えると、ハンバーグ以外にもすごいことってあるんじゃないだろうか。身近すぎて見逃してるだけで。

意識的にあたりまえのものをエンジョイしてみたいと思う。身近なことばかりを取り上げますよ。

2006年10月に掲載された記事を、AIにより画像を拡大して加筆修正のうえ再掲載しました。

1971年東京生まれ。デイリーポータルZウェブマスター。主にインターネットと世田谷区で活動。
編著書は「死ぬかと思った」(アスペクト)など。イカの沖漬けが世界一うまい食べものだと思ってる。(動画インタビュー)

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100円ショップってすげえ

よく考えたら(考えなくても)売ってるものがぜんぶ100円なのだ。すごい。すごいよ。30個買っても3000円にしかならない。すべてを同じ価値として見るなんて貨幣システムへの挑戦とも言える。

そのすごさをかみしめるために、「3000円まで買ってOK!」という甘いルールを作って100円ショップを訪れてみた。

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100円ショップといえばプラスチックのかご。ものすごいバリエーション。

100円ショップ抑止力説

僕が子供のころの100円ショップってスーパーの催事場でこじんまりと開かれているものだったが、ダイソー以降は店すべてが100円だ。すごいなあ。

久しぶりに訪れる100円ショップは家でも建てるのか、というぐらいの建築資材と工具がそろっていた。東急ハンズ並みである。

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こんどここにある材料だけで家を建てよう。

100円ショップのすごいところは、ほかの雑貨屋に行ったときに「これ100円ショップにありそうだからいいや」と思って買わなくなってしまったことだと思う。

その抑止力を考えると、ほんとに僕は雑貨屋じゃなくてよかったと思う。

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ストロー100本100円。ストローなんてめったに使わないから、たぶん1年は持つ。
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まがらないストローならもう1年ぐらい持ちそうだ。

40個買っても4000円

約1時間うろうろしただけだが、気づけば40点買っていた。しかしそれでも4000円だ(ルール越えてる)。もしこれがロフトだったら1万円は越えていたのではないか。ああ、100円ショップでよかった!

さすがに40点も買う人は珍しいのでレジで僕の後ろに並んでいた女性が怪訝な目で見ていた。恥ずかしかったが4000円だ。税金入れても4200円。

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こんなに買ったのに4000円だと思うと足取りも軽い。

100円ショップってすごいよ。自分のたがを外して買い物をしてみると驚くほどテンションあがる。皆様もお試しください。

それでも1回飲みに行くぐらいの出費ですよ。

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和民ってすげえ

僕のとっておきの店を紹介します。和民です。

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坐・和民というちょっといい和民です。

安くて評判の居酒屋、のような店に行くことがあるが、よく考えると和民のほうが安いのだ。

雰囲気のある店でメニューが筆文字で壁に貼ってあると安くてありがたい気になるけど、和民のファミレスみたいなメニューにもさりげなく安い値段が書いてある。

鮭イクラごはん 480円だ。安い。
クリスマスみたいなチキンが280円。すげえ。

いいよ、和民で。という気分になるのもわかるだろう。

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子供のころのクリスマスの夢が280円だ。
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観光客相手の市場の海鮮丼ってばか高いよね。でもこれは480円。

お酒も安い

いちばん安いお酒を探したら、ウイスキーのソーダ割だった。200円。

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スターバックスよりも安い。ウイスキー ソーダ割り200円。

ウイスキーをボトルで入れると氷と炭酸がそれぞれ150円するので、ソーダ割りを作るとお酒以外に300円かかる。でも単品だと200円。100円安い。100円もらえてウイスキーが飲めるのと同じだ。なんだかわからないけどすげえ。

………。飲んでるときの計算なので間違っているような気がするが、要は酔えればなんでもいいのだ。

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ボトルサービスの氷と炭酸を足した値段より安いのはなぜだ。

安いと楽しく酔える

いい店があるから、と言って会議の後にライターの大北さんと玉置さんを誘って和民に行ったのだが、戸惑いを見せていた二人も200円ソーダ割でテンションがあがった。

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ライター玉置さん(左)とざんはわ大北さん(右)も満足。

「おやつ感覚ですよ」

と興奮を隠せない。値段のことを心配しないでいいのは楽しい。何も考えないで酔うことができる。

和民ってすげえ。

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もちろん僕も楽しい。
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高いところって楽しい

バカと煙は高いところが好き、などと揶揄されるが高いところは楽しい。数百メートルの地点から見下ろすなんて自分の体ではありえない視点である。

凧にカメラをつけて高いところから写真を撮ろうとしたことがあるが、よく考えたらビルのほうが高いのだ。ビルの上から撮れば済む話だった。

しかも都庁の展望台は無料だ。

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都庁。都民じゃなくても誰でも無料です。

登ってみると地上にみっちりとビルが並んでいるのが見える。大きな道路の両脇にはビルが建っているのでビルが一直線に並んで建っているのが面白い。

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あのビルが並んで建っているのは甲州街道だろうか。

僕の横にいた老夫婦は

「ほら、杉並の清掃工場の煙突が見える」
「こっちにも池袋の工場の煙突が見える!」
「煙突、見放題ね」

と興奮気味に話していた。興奮するポイントは人それぞれだが、高いところは楽しい。

こんなパノラマが手軽に体験できるなんてすごいよ。

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言われてみれば確かに清掃工場だらけだ
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展望台のおみやげやにて。俯瞰欲を刺激する商品。

沸点を下げるのって楽しいね

はさみを使うたびにすごいと思う。刃物を向かい合わせに組み合わせて、刃の反対側に握る部分をつける。安全でよく切れる。よくこんなことを考えたものだ。

階段もすげえ。高さをずらして板をつなぎ合わせるだけで、坂道が登りやすくなってしまうのだ。階段がなかったら駅でも滑り台みたいな斜面を登らなければならない。けが人続出だ。

すごいの基準が下がっていって、あたりまえのことをどんどん書きそうなのでこのへんでやめておきます。

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和民で「このボタン押すだけで店員が来るなんてすげえ!」と興奮して撮った写真。これはさすがに興奮がよみがえらなかった。
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