特集 2026年7月4日

準備をして雨宿り

2時間こうしていた

仕方がなくやることになる雨宿りだが、敢えて準備をしてやりにいってみた。

1987年東京出身。会社員。ハンバーグやカレーやチキンライスなどが好物なので、舌が子供すぎやしないかと心配になるときがある。だがコーヒーはブラックでも飲める。動画インタビュー

前の記事:傘でなんでも劇的にする
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いい木陰があった 

先週、傘の骨が集中線に見える、という内容の記事を書いた。

こちら(傘でなんでも劇的にする

怠けていたら撮影をするのがギリギリになってしまい、その日が雨だった。 

延期したら間に合わなくなるので、やるしかない。開けていて雨がしのげる場所を探した。自宅でも撮れる内容だが、外で、たまたま見つけて撮っている様子があるといいなと思ったのだ。

その時に見つけた木陰がとても良かった。雨を完璧にしのげるわけではないが、開けていて涼しい風が通って気持ちがいい。木が、ふわっとバリアを張っているみたいだった。ちょっと濡れるけど。 

そこで撮影ができました
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雨宿りの連帯感

少し撮って休んで、を繰り返した。一人でやっているので遅い。ちょっとしたことで遠慮なく休む。

ぼーっとしていると、スーツの人がやってきて、器具で懸垂を始めた。

一瞬ギョッとしたが、そこまで強い雨じゃないし、日課にしている運動を雨ぐらいで途切れさせたらもったいない、と考えたのだろう。偉いな。

そう思って見回すと公園に色んな人がいることに気がついた。

懸垂をする人、ブランコで遊ぶ親子、スマホを見る人

レインコートを着てブランコで遊ぶ親子。きっと子どもが遊ぶと言ってきかなかったのだろう。

雨に濡れながら、鎖に繋がれたカゴの中でぶらぶらしていた。不条理だが、子どもはそんなこと気にしない。

その子が大きくなった時に「雨の中レインコート着て一緒にブランコやったんだよ」と親が話しても信じないかもしれない。

そして傘をさしてしゃがみこみ、スマホを見る人がいた。

人のいない場所でスマホと向き合いたい特別な理由があるのかもしれないし、ただそこで休憩する習慣があるだけかもしれない。

しかし雨の中しゃがみこんでいると、グッと事情のありそうな雰囲気が出て色々考えてしまう。

それぞれに「雨だが、ここにいる」という静かな気迫があり、一時的な連帯感を生み出していた。俺たちはバンドだ、と勝手に思っていた。 

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もう一回行こう

良い雨宿りの空気感だった。動きが制限された環境で、何かを待つ人や強行する人がいる。

別に交流はしないが「困っちゃいますねえ」というムードがうっすらある。

またあそこで雨宿りをしたいな、と思ったのでしに行こう。準備をして。

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2回目の雨宿り

雨予報の日を狙って、同じ場所に来た。 

来ました

ここに雨宿りをしに来た。とても良い場所だったからだ。 

持ち物

ここで快適に過ごして、雨が止むか弱まったら帰ろう。雨宿りだから。弱まりそうになかったら仕方がないので帰ろう。それもまた雨宿りだ。

詳しい天気予報は見ないことにしていた。空模様だけでここにいるかどうかを考える。 

野外で使える座布団を買った
座り心地がいい

雨が強くなるとこの場所にも降ってくるので傘をさした。

本来、傘があるのなら雨宿りは必要ないのだが、したくてする雨宿りなので、傘があっても構わない。

見回すと遠くに傘をささない人が集まっていた。イベントか観光の人たちだろうか。しばらく何かを話し合って移動していった。

他には犬を二匹散歩させる人がいた。犬の散歩も、ちょっとの雨だったらやってしまう人が多いのだと思う。運動させないといけないから。 

僕は買ってきたパンを食べた

本を持ってきてはいたが、濡れてしまうのが嫌で開く気になれず、パンを食べたらぼーっと芝生を見ていた。 

ハトが来た
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30分経過

公園にいる人が入れ替わった。

以降、印象的だった人たち

まず、ベンチでお弁当を食べる人がいる。傘もささずに。

お弁当持ってきちゃったし、他に食べる場所もないから、という事情で濡れながら食べることになるんだろうか。

雨に濡れながら歩くことは僕もあるけど、濡れながら食べる、というアクションが存在することに驚いた。

その人は心配をよそにゆったりしたペースで食べ進め、食べ終わるとお弁当箱の入った袋をぶらぶらさせながら公園を出て行った。もう片方の手には畳んだビニール傘があった。分からないことが多い。

また、その日は立って何かを待つように時間をつぶす人が何人かいた。オーソドックスな雨宿りである。

「いるなあ」と思いながらこちらもぼんやりし、しばらくしてその場所に視線を戻すといなくなっている。

何がきっかけで移動したのだろう。天気かもしれないし、誰かから連絡が来たのかもしれない。僕にはその辺の事情が全く分からないので、いつの間にか薄くなって消えてしまったように感じる。

「最初からいませんでしたけど」みたいな景色になるのだ。

一方、長くいる人が現れると、やっぱり連帯感が生まれる。頭の中で僕たちを「アー写」っぽい構図に並べる。バンドだなと思う。 

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1時間経過

公園をウォーキングする人が現れた。

懸垂と同様、習慣にしていることなのでちょっとの雨ならやってしまうのだろう。

何回も近くまで来て通り過ぎていく。あちらも、目的もよく分からずぼーっとしている人がルートにいるのは気まずいだろう。なんとなく視線を下に落とした。

丸い水たまりがある

水たまりだ。

子どもなら長靴で入ってバシャバシャやりそうな規模の水たまり。

なんで子どもは水たまりで遊ぶのだろう。水に浸かっているのに足が濡れない感触がおもしろいのだろうか。

大人もやる同じような経験として、ゴム手袋をして水を触るというのがある。あれは確かにちょっとおもしろいが、そこまで積極的にやりたいとは思わない。手袋を外した時の開放感の方がおもしろい。まだ手に何かがまとわりついている気がして空中でぶらぶらするのだ。 

持ってきたお茶がおいしい

遠くには傘を肩にかけて上手にお弁当を食べる人もいた。

やっぱりああやった方がいいよ。 

1時間半経過

ずっと向こうに屋根と自販機があって、そこにスーツを着た人が二人立っている。ずっと前からいるような気がする。先輩後輩の二人組のように見える。

レーズンチョコ食べた

鳥の声が大きくなり、芝生をうろうろするハトやスズメが増えたなと思った。気がつくと雨がかなり弱まっている。 

本が読める

おもしろくて読み入ってしまったが、雨がかなり弱まっているので、これは雨宿りではない。公園で本を読む人だ。

顔を上げるとハトとスズメがいなくなり、カラスが木の上で鳴いていた。この公園の何かが何ターンか経過したのだと思う。 

帰ろう!

これが道を見る人か

雨があがったので意気揚々と歩いて帰った。

2時間ほどの雨宿りだった。ずっと過ごしやすくて最高で、普段なら手が届かない、頭や体の隅々までリフレッシュできた。

1回目のような他の人とのグルーヴ感もあったが、入れ替わる人々をひたすら眺める、広場の銅像みたいな気持ちになる時間の方が長かった。

玄関先に腰掛けて道をただ眺める人ってたまに見るが、あれはこんな気持ちなんだろうなと思った。

編集部からのみどころを読む

編集部からのみどころ
先週の記事に続き、雨の公園での撮影です。
意外と公園で過ごしている人がいました。毎日の日課にしている人は雨が降ってもやるんでしょう。
最後雨があがって帰るという、ドラマみたいな展開になりました。
最後の一文【玄関先に腰掛けて道をただ眺める人ってたまに見る】と書いてあるのが気になります。(橋田)

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