思えば、カブリモノである必要はまったくないのだ。被りながら酒飲んで光ったからってどうする。飲んで酔ってることはとっくにわかってる。
例えば飲酒検問で、警官が被疑者に被せて検査するのが、利用法といえば利用法だ。警察のイメージアップ、そして被疑者も、童心に帰って素直に検査に応じる、かもしれない。
11月22日とその翌日。あの電子工作・DIY雑誌「Make:」のイベントである。このイベントに出すためもあって、アンコウをずっと制作してきたのだ。
展示は「オツハタ水産」と名づけて、「Make:」誌用に制作していた「なでると光るイワシ」とともに展示してみた。へいらっしゃーらっしゃー。
本当は…心おきなく頭に被れるよう、コンピュータをアンコウに縫いつけてしまって、乾電池で動くようにしたかった。でも事前に、縫い付け用のArduinoで試したらなぜか動かなかったので、仕方なく外付けになった。線が・・・線が邪魔だなあ。被りたい人は、コンピュータ部分を手に持ってもらわねばならなくなった。
さて、なぜ「カブリモノ」にしたかというと、上の写真をご覧下さい。口元にアルコールセンサーがついている。酔っ払いと思しき人物が下のように被って、息をハァーとセンサーに吹きかけると、ピコーンとチョウチンが光って「こいつ飲んでるぜ」とアンコウさんが教えてくれるというわけなのだ。
それで名づけて「チョウチンアルコールセンサー」。しかし説明ナシでは、誰も「“アルコール”と“アンコウ”をかけてる」ってことに気づいてはくれなんだ。思ってた以上に苦しいダジャレだったらしいぞ。
会場ではさすがに、実際に飲んでプハァーと実演するわけにもいかず、ずっとエタノール嗅がせていた。たまに子供も「かぶらせて」と寄ってくるが、実に説明しづらかった。
思えば、カブリモノである必要はまったくないのだ。被りながら酒飲んで光ったからってどうする。飲んで酔ってることはとっくにわかってる。
例えば飲酒検問で、警官が被疑者に被せて検査するのが、利用法といえば利用法だ。警察のイメージアップ、そして被疑者も、童心に帰って素直に検査に応じる、かもしれない。
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