いろんな組み合わせを試作する
こうやって得た視点をもとに、世界中に子どもたちに普遍的に人気なおもちゃはどういうものかを試行錯誤していったという。
その過程で作ったものがこれらだ。
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よくある日用品や100円均一のお店で買ったものなどが組み合わされている。きっと子どもに人気だろうという思惑で。
それぞれに、実際に子どもに使ってもらって人気があったかどうかがマルとバツで(隠されて)書かれている。だから、その結果と自分の好みが一致する人は、子どもの感性に近いといえるだろう。
たとえばこれ。
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泡立て器とメイクスポンジとキラキラ折り紙でつくった試作品。果たして人気だっただろうか。
「これわたし作ったんですけど、これ遊ぶんです。めちゃくちゃ遊ぶんです」と桑原さん。よかった。ちゃんと人気だったそうだ。全体を押して遊べるようになっていて、ちゃんと押してくれるという。
ただ、一番時間をかけたのは上のキラキラの部分だそうで、そこが出たり入ったりするように時間をかけた。でも全然その部分はやってくれなかった。いらなかったという。
「大人の目線で楽しいだろうって思ってつけた装飾が全部見破られる。感触が素直に手に伝わるもののほうが好きなんですね。」
言葉に実感がこもっている。実際にやってみた人だけが持てる感慨だ。
ところで、取材には編集部の石川さんも同行していた。そこで、どちらがより子どもの感性を持っているかを比べることにした。ここに並んでいる試作品からよさそうなものを1つ選び、それが実際に人気だったかを確認するのだ。
石川さんが選んだのはこれ。
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この真ん中のやつだ。調味料入れ、縄跳び、スプレーボトルの頭でできている。
石川さんによるコメント:
・振ってカラカラ音が鳴るのは鉄板
・ひっぱるところ(ピンクのところ)もある。ここだけ色が違うのも目を引きそう
・サイズが1歳児が持つのにちょうど良さそうな感じだと思います
一歳児の感性というより一歳児の感性を推測する大人という感じである。まあ全員そうなのだが。
結果は紙をめくると書いてある。
△だった。これが低いのか高いのかまだ分からないが、少なくとも大人気というわけではなかったのだろう。石川さんはもう大人になってしまったことがわかった。
続いて三土の番である。子どもの感性をもっている大人であることを見せつけたい。
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この真ん中のやつである。遠くから見たときに赤くて目立つしイガイガしてるし、これしかないと思ったのだ。じっさいに触ってみるとこのイガイガ部分がくるくる回る。最高。
結果はこのとおり。
なんと二重丸になっている。講評の欄には「ひたすら回す。こどもの不発にも対応し斜めに回るのが良い」と書かれている。
そうそう、いい感じに回しやすいのである。このくらいの子どもは、おもちゃが難しすぎると遊んでくれないだそうだ。「もう『なんか嫌』となってしまいます」とのこと。かといって簡単すぎてもダメなのだそうだ。
たしかにこれは、本来回すための方向はあるが、それ以外でも回りはする、という感じの絶妙な塩梅になっているのだ。
なんにしろ自分の感性が子どもと一致することがわかって嬉しさがある。どうして嬉しいのかは分からないが。

