さぁ、お待ちかねの試飲会
さて、貯蔵庫から出た後は別の建物に移動し、カウンターのあるレストランのような部屋に通された。そこには、試飲用のグラスがずらり。既にスタンバイOKという事ですか。ひゃっほー。
試飲で飲めるウイスキーは山崎12年。ハイボール・スタイルで出された(できればストレートかロックが良かったが、それはまぁ、お買い求め下さいという事だろう)。ウイスキーの仕込み水でもある山崎の湧水も、チェイサーとして付いてきた。
この山崎の地は昔から湧水が有名で、千利休もまた山崎の水を賞し、茶を立てていたそうだ。この湧水があったからこそ、日本初の蒸留所建設地に選ばれたのだろう。
「御替りもありますので」と嬉しい事を言ってくれるお姉さん。結局、山崎12年をもう一杯、山梨県と長野県の境にある蒸留所で作られた白州(はくしゅう)10年を一杯の計三杯をいただいた。意地汚いなんて言わないで。勧められたんだもの。
肝心のお味は、山崎はフルーティな中に苦味や渋みがちょっと感じられる。白州は軽くて爽やかで、酸味がちょっと感じられる。私は、う~ん、山崎の方が好みかな。
もう一杯、行っとく?
ハイボール、大変おいしゅうございました。……が、いささか飲み足りないような気もする。血中のアルコール濃度が中途半端なのだ。もう一杯くらい、引っ掛けてから帰りたいところ。
そんな事を思っていると、おあつらえ向きに、ウイスキーを給してくれるカウンターが施設内にあった。
おぉ、凄い!ここでは山崎の構成原酒が飲めるのだ。
シングルモルトは品質のばらつきを抑える為、数種類の樽で作った酒をブレンドして作るのが普通である。構成原酒とはそのブレンドされる前の、樽別の酒。そうそう飲めるものではないと思うが、さすがは蒸留所だ。
山崎の構成原酒はホワイトオーク樽とシェリー樽、それとミズナラ樽。価格はホワイトオークとシェリーが200円、ミズナラはちょっと高くて600円。量はいずれも15ml。シングル(30ml)の半分と少な目ではあるけれど、味見と考えれば十分かな。
ちなみに、ここでは熟成させる前のニューポットも飲ませてもらえる。こちらは15mlで100円。
まずは最も一般的なホワイトオークの樽で熟成された原酒。至ってオーソドックスというか、まぁ、ウイスキーっぽい。最初はやや甘い味で、後からカーっとアルコールっぽさがくる。飲んだ後は、舌に少し渋みが残る感じ。
続いてシェリー樽の原酒。これは元々シェリーが貯蔵されていた樽で熟成された原酒で、ホワイトオークのものとは見た目からして全然違う。濃ゆい。匂いもカラメルのような、甘くて芳ばしい香りがする。どことなくバニラのような風味も。
残るは日本産のミズナラから作られた樽の原酒。これは何か独特な香りがするのだが、良く分からない。味も甘めで、メープルシロップのような感じ?う~ん、修行が足らん。