森さんは、タコス好きの、タコス好きによる、タコス好きのためのイベント「渋谷でタコス!」を開催するという。
意気込みをお聞きしたら「最近のタコス界隈はすばらしいので、私などがイベントをしなくても勝手に盛り上がると思いますが、自分もそのムーブメントの細波になれたらと思ったんです」と力強く語ってくれた。
すでにタコスが好きな方、これからタコスを好きになる予定がある方、ぜひイベントに足を運んで欲しい。
タコスが盛り上がっている。
渋谷を中心にタコス専門店が増えつつあり、タコスラバーが続々と集い始めているという。
このタコスムーヴメントに後押しされて、東京カルチャーカルチャーではタコスイベント『渋谷でタコス!』の開催が決定。
注目を集めるタコスについて、Ocho Taqueria Mexicanの森さんと井上さんにお話を伺った。
こちらが今回の登場人物。
井上誠さん:Ocho Taqueria Mexican オーナー。食品商社勤務後、人々が楽しく集う空間を作りたいと思い、メキシコ料理店「Ocho Taqueria Mexican」を2018年10月にオープン。かつてブルックリンで食べていた思い出の味が忘れられず、タコスを看板メニューに据える。おすすめの楽しみ方は、タコス×フローズンメスカリータ。
森奈生美さん:出版社勤務の傍ら、夫の店を手伝っているうちに、すっかりタコス好きに。都内を中心にタコスを食べ歩く中で、その美味しさと度量の広さ、そして各店の個性に魅せられる。お気に入りはCarnitas(豚の煮込み)。
まいしろ:デイリーポータルZのライター。タコスのことをずっとタコライスの略だと思っていた。
古賀及子さん:デイリーポータルZ編集部。タコスは専門店で2回くらい食べたことがあるはずなのだけど印象があいまい。
まい:それでは早速、タコスとはなにかをお聞きしたいです!
森:タコスは、トルティーヤとサルサと具を組み合わせたメキシコ料理です。
森:トルティーヤはとうもろこしを石灰処理した粉を捏ねて焼いたもので、サルサは「ソース」という意味ですね。
古賀:サルサってものじゃなくて概念だったんだ!
まい:森さんのタコス歴は何年ぐらいなんでしょうか?
森:実はまだまだビギナーなんですよ。もともと「皮で巻いた料理」が好きだったんです。
森:それでタコスに出会って、皮に巻いてあるうえにシンプルで自由なところが好きになりました。
まい:「メキシコ料理」ではなくて「タコス」が好きなんですか?
森:メキシコ料理は「好き」ですが、タコスは「愛」です。
まい:急に名言が!
森:タコスを食べると心も体も満たされるんです。楽しい気分になるんですよ!
まい:では早速そんなタコスを注文したいんですけど……。
まい:すいません、先にメニューを解説してもらってもいいですか...?
森:まず、メキシコ料理には「元祖メキシコ料理」と「アメリカンメキシコ料理」があって、後者をテックスメックスと呼ぶんです。
古賀:中華料理に「ガチ中華」と「町中華」があるみたいな感じですね。
まい:なんてわかりやすい例えなんだ。
古賀:タコスとブリトーはどう違うんでしょうか?
森:タコスは具を上に載せますが、ブリトーは具を巻きますね。
まい:巻き方で名前が違うんだ!
森:あとは大きさですね。中華でいうとタコスは餃子、ブリトーは春巻きのポジションでしょうか。
まい:中華でたとえるとすべてが頭に入ってきますね。
古賀:このケサ...はなんでしょうか?
森:ケソはチーズという意味で、トルティーヤにチーズを挟んで焼くとケサディーヤです。
まい:すごい!かなりメニューが読めるようになってきたので、このままドリンクメニューも理解したいです!
森:うちはテキーラとメスカルというお酒を置いています。
森:テキーラもメスカルもリュウゼツランという植物から作られているんですが、品種や地域、作り方によってお酒の名前が違うんですね。
まい:シャンパンとスパークリングワインみたいな感じですか?
森:そうなんですけど、シャンパンで例えるとメスカル派の人に怒られるらしいです。
まい:危なかった...…。
まい:実際に食べてみて思ったのですが、タコスは主食かおかずのどちらなのでしょうか?
森:おかずでも主食でも軽食でも食べられるのがタコスの良いところの一つですね。
まい:森さん、どんな質問でもタコスを全肯定してくれる。
森:個人的には、お酒と一緒に食べるタコスが一番好きです。
まい:あと、タコスの「タコ」ってなんなんでしょうか?
森:諸説あって、正確なところはわからないようです。
まい:せっかくなのでタコスについての疑問をまとめて解消したいんですが「TACOTUESDAY」ってなんなのでしょうか? イベントの企画書に書いてありましたよね。
森:「火曜日はタコスを食べよう!」というアメリカの文化ですね。どうやらメキシコ料理店のキャンペーンとして始まったらしいんですが、正確な発祥はわからないです。
まい:あと、タコスとタコライスは似ている料理とされることが多いですが、タコライスのことをどう受け止めているのかも気になってました。
森:タコライスは遠い親戚だと思っていますね。
まい:(近くはないんだ)
森:「沖縄の米軍が好んで食べていたタコスのお米バージョン」として生まれたという認識ですね。
まい:なるほど。あとやっぱりタコスを食べて思ったのですが、タコスをこぼさずに食べる方法ってないんでしょうか...…?
森:なるべく少ないステップで食べるといいですよ。私はだいたいひとくちで食べます。
まい:すごい!
古賀:本当にひとくち!
まい:早さと覚悟が違う!
タコスを食べ終わったあと、トルティーヤを作らせてもらえることになった。
耳たぶぐらいの硬さになったら、小さくちぎって丸めていく。
トルティーヤはさらさらした砂のような独特の手触りで、こねているとストレスがどんどん解消されていくのを感じた。
これからは疲れたときはトルティーヤを作るといいのかもしれない。
丸めた後は、機械を使って一気にトルティーヤを伸ばしていく。
急にぺったんこになったトルティーヤの元が出てきて感動した。
丸めるところできれいな球にしておくと、つぶしたときに形がきれいになるという。
さらに、井上さんいわく、焼いてから10分蒸らすと一番おいしいらしい。
冷めたトルティーヤと、焼きたてのトルティーヤでは味が全然違った。
森さんさんに「ぜひ手作りしてください!」と言われたが、確かに家で作れば楽しさもおいしさも倍増するのかもしれない。
森さんは、タコス好きの、タコス好きによる、タコス好きのためのイベント「渋谷でタコス!」を開催するという。
意気込みをお聞きしたら「最近のタコス界隈はすばらしいので、私などがイベントをしなくても勝手に盛り上がると思いますが、自分もそのムーブメントの細波になれたらと思ったんです」と力強く語ってくれた。
すでにタコスが好きな方、これからタコスを好きになる予定がある方、ぜひイベントに足を運んで欲しい。
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