行ったことのある外国のすみっこを探そう
すみっコぐらしは、普段光のあたらな、い余り物や残り物や余計なものに光を当ててキャラクター化した。
外国の写真でよくあるけど光のあたらなさそうなあたり前のものを探してみると、海外版すみっコぐらしにできそうなものがたくさん見つけられた。
そして、この国ではこれが当たり前なのか・・・!と気づかされた。
あなたも外国旅行写真からすみっこにあるものを探してみると、意外な発見があるかもしれない。
サンエックスのキャラクター、すみっコぐらしが好きだ。
本当にすみっコぐらしが好きな人と比べると、たいしてグッズも買ってなくて好きというのもおこがましいが、それでもあの控えめで目立たなさそうなキャラクターたちがいとおしく思う。
すみっコぐらしでは、動物がモデルのキャラクターに加え、とんかつのはじっこや、飲み残しのタピオカや、道端の雑草、それにエビフライのしっぽなどがキャラクター化されている。
いかにも日本の生活のすみっこにいそうなキャラクターが揃っているのだ。
そういえば外国のすみっこにいそうなモノはなんだろう。旅行写真を見返して、海外版すみっコぐらしのモチーフを考えてみた。
韓国…といいながら、この韓国のすみっこにいがちなモノに気づいたのは日本の韓国料理屋だ。
定番料理「石焼きビビンバ」に、すみっこなきざみのりが乗っていた。
特に食べた後に残ったきざみのりは、黒い食器ではあまりに見つかりにくい。実に控えめなキャラクターにできそうだ。
日本だとかつては薬屋さんによく置かれていた、電動の乗れて揺れるゾウさん、サトちゃんムーバー。
中国では、商店をはじめいろんなところに、あれに似たムーバーが置かれている。モノの性質上、すみに置くしかないとはいえ、マッサージ屋の入口にも置かれていて、一体誰が使うのだろうか。
いつか子供を乗せたいと思っている。そんな気持ちでひっそりと待っているムーバーたちに、すみっコぐらし的なものを感じている。
中国ではいたるところに、黄色い「小心地滑」と書かれた「足元が滑るので注意」の看板がすみっこにちょこんとたつ。道路の真ん中に置くと邪魔だからか、端の方に置かれがちなのも恥ずかしがりやの気があって良い。
それでも「小心地滑」の文字の下で人が滑っている滑るピクトグラムはよく見かけるため、中国に行ったことがある人なら覚えているほどの存在感。中国で特によく見かけるのは滑りやすいから?
街の写真をいろいろ見返すと、ほうきとモップがセットになって置いてあるのをよく見かけるのだ。屋外、屋内、それに木に吊りかけられているものもある。
中国の人々にとって掃き掃除や拭き掃除は身近なものらしい。
僕は中国に長く縁があるけど、全く意識していなかった。それなのに頻繁に写っていて驚いた。すみっこにあるものを意識すると、今まで気づかなかったものが見えてきた。
四川とか中国の西南のほうの辛い食事のエリアでは、辛さと旨味のために大量に赤とうがらしが投入されているものも。でも一部は食べられず、おわんのすみっこについてしまう。
タイといえばお寺、それにセブンイレブン。タイのバンコクから国境近くの地方都市まで、行く先々に、お寺とセブンイレブンはある。
お寺の境内の日陰やセブンイレブンの扉の前には、犬が寝ている。店に入る階段にいる犬も多く、タイのすみっこといえばこれ、通称セブン犬。
中に入りたいけれど、入れてもらえないのはわかってるらしい。中に入ると追い出されるけど、入口にいる限りは追い出されることはない。日中は人間が出入りするときに流れる冷風を味わっている。
タイは屋台が多いけど、その屋台をじーっと見ると、ビニール袋がよくぶら下がっている。他の国の屋台はそう目立つところにかかってないけど、タイのは目立つのだ。
中から何か尖ったものが突き破ることがないように、やわらかそうなものをいっぱい詰めて、ただただぶらさがっている。
フォーなどを食べるときについてくる無料の野菜。ミントとかもやしとかいろいろある。そこにたまにミニかたつむりが紛れ込んでいる。
野菜は無料だからしょうがない。かたつむりは、雨は好きだけどスープは苦手なのに、ちょっとかわいそうだ。
ベトナムの「チェー」と呼ばれるデザートについてくる。チェーが甘すぎる時や冷やしたい時に入れるやつ。
だいたい使いきれずにすみっこで溶けて水になっていく…。そしてその水は蒸発するか流しに捨てられるかして、いつか巡り巡ってまたチェーを冷やす氷になる…?
クルプックというのはせんべいみたいなもの。
細い道をバイクが走り抜けるインドネシアのジャカルタで、よく道路のすみっこで干されている。
椅子の上や廃車の屋根の上などでも干されている。すみっこにいる存在だけど日の当たる場所がすき。
インドネシアの写真を見て気づいたのは、カラーのプラスチック椅子がすみっこによく置かれているということ。
特にジャカルタではこの手の椅子ばかりだった。インドネシアのすみっこファミリーだ。
インドといえば牛。牛は端っこで野菜系のごみを食べている。
インドでは牛肉はほとんど食べないけれど、ラッシーやチャイはよく飲んだ。これらの乳製品の一部は、もとをたどれば道端に落ちてる野菜だったのかも?
インド料理といえばカレー。スパイス以外に玉ねぎも大事な調味料だし、口直し。
インド料理屋ではときどきミニ玉ねぎが出てくるが、全部食べられることはなく、ときどきすみっこに残される。のこされたミニ玉ねぎの哀愁は、また別のテーブルにいくのだろうか。
インドの工場で働いた人から話を聞くと、なんでもすみっこといえばまずコブラが思い浮かぶそうで。
「本当に工場のすみっこにいるんですよ。ごく稀に発見されると大粛正大会が開催されます!」
とのこと。後ろ向きな考えのコブラを萌えキャラにできそうだ。
すみっコぐらしは、普段光のあたらな、い余り物や残り物や余計なものに光を当ててキャラクター化した。
外国の写真でよくあるけど光のあたらなさそうなあたり前のものを探してみると、海外版すみっコぐらしにできそうなものがたくさん見つけられた。
そして、この国ではこれが当たり前なのか・・・!と気づかされた。
あなたも外国旅行写真からすみっこにあるものを探してみると、意外な発見があるかもしれない。
▽デイリーポータルZトップへ | ||
▲デイリーポータルZトップへ | バックナンバーいちらんへ |