たくさんおみやげをくれた熊くんに悪いのでなんかあげなきゃと思って、駄菓子屋で煙が出るカードを買ってきた。そのイラストを見て「これは向こうでうけますよ。クールって言われます」と喜んでいた。そして
「『千と千尋』も人気ですから」
とも言っていたけど、ぜんぜん絵が違ってないか。熊くんのなかにアメリカンな感覚を発見したいっしゅんだった。
HULK HAND
熊：「これ今回のとっておきです」
林：「でけえ」
熊：「これをつけて、なにかを叩くと……」
ガォー。手から低いうめき声のような叫び声のような声が聞こえる。
熊：「ハルクの声がするんです」
林：「ハルク？」
熊：「いまアメリカで大人気のキャラクターです」
The HULK ホームページ。ここのホームページから流れてくるような低い音がします。
熊：「このおもちゃは人気あります。売り場がいちめんこれでした」
林：「かさばるのに」
熊：「おもちゃ売り場もでかいですからね」
熊：「これ、爪もリアルにできてるんですよ」
林：「ほんとだ。……」
熊：「血管でてますしね」
林：「なんかいやらしくない」
熊：「んー、そういえば」
わかりにくいのだが、そのときはちょっとエロティックということで合意したのだ。
熊：「でもこれ振動に弱いんです。カバンに入れて持ってくるときも、ちょっと揺れただけで「ガオー」とかカバンのなかでなるから。
林：「あきらかに怪しいね」
熊：「飛行機のなかでなったらどうしようかと」
林：「荷物のなかを見られるね」
熊：「見られたところで怪しさはぬぐえません」
林：「でもこれ欲しい。面白い」
熊：「うん、でも１日であきるかも」
林：「飽きた？というか遊んだのか」
熊：「半日家で遊んでました」
