いや、お店自体は渋谷に移転して今もバリバリ営業中なわけですが……。
とにかく、2007年8月にお台場でオープンして、2016年12月に渋谷に移転するまで、観覧車の真下、Zepp Tokyoの真上という、好立地なんだか悪いんだかよくわからない場所で9年間営業していました。
カルカルは、デイリーポータルZのイベントや、ライターの個人イベントなどを多数開催する、オレたちのホームグラウンドだったわけです。
で、最近話題になっていましたが、カルカルのあったお台場のパレットタウン一帯が再開発されることになり、一帯が丸ごとなくなっちゃうらしいんですよ。
……ということで最後に、思い出深いお台場に行ってきました。
そもそも、カルカルとデイリーポータルZとの関係。ボクと横山さんの関係がよくわからない人もいるかと思いますので、軽く説明しますと……。
カルカルとデイリーポータルZは運営会社が一緒で、ニフティ→イッツ・コミュニケーションズ→東急メディア・コミュニケーションズと、デイリーポータルZの運営会社がコロコロ変わるのと一緒に、カルカルも流れ流れてきている運命共同体なのです。
そして、ボクと横山さんの関係は。もともと二人ともロフトプラスワンという新宿にあるライブハウスで働いており、横山さんはそこをやめてニフティに入社、カルカルをオープンして店長に。で、ボクもやめて、なんだかんだあって今、デイリーポータルZでライターをやっているわけです。
そうこうしているうちに、社内では大森(当時、ニフティのオフィスがあった)に作ろうなんて話も持ち上がって、ヤバイなぁ〜と思い。そんな中、Zepp Tokyoの上にあったレストランが出ていって空いているという情報が入ったんだよね。しかもこの辺は、東京オリンピックが決まったらすぐに再開発がはじまるから、2年限定という約束で家賃もメチャクチャ安く貸してもらえるという話になって。
※当初、東京都は2016年のオリンピック開催を狙って招致活動をしていたが、2009年の会議でリオデジャネイロに敗れている。
結局、そのときはオリンピックが決まらず、2020年のが決まったときには不景気になって再開発するという話も消えてちゃって、2016年までダラダラお台場にいることになったんだけど。
「ヘボコン」と「地味ハロウィン」かな。1回目の「ヘボコン」は最高傑作だと思ったよ。「地味ハロウィン」も、みんなとりあえず集まってくるけど何していいのかわからないイベントって最高だなーって。あとは「リアル脱出ゲーム」とか……。新しい文化が生まれる瞬間に立ち会った感動があったね。「これで天下が取れる!」って思ったもん。
イベントというか、ステージで寝ちゃったのが……。
物件探しに苦労してたんで、お店が完成するまで酒をやめてたんだけど、オープンできたのがうれしくていきなり飲んだらメチャクチャ酔っぱらっちゃって。
オープニング3DAYSの西原理恵子さんの日にも、ベランダで酔い潰れてましたよね。
※お台場にもう一個あるZepp。カルカルから小走りで10分強はかかった。
夏だったからカフェ営業中、涼しい映像を流そうと思って買って来たのが魚介生物の生態を紹介する真面目なビデオで(笑)。涼しいは涼しい映像なんだけど、「伊勢エビ」とか「フグ」とか出てきて。
海に棲む地味な生き物が次々出てきて……「サバ」とか(笑)。あの映像を見ながらスパゲティ食べていると、不思議な気分になるんですよ。どうしてカルカルってああなっちゃうんですかね? 空いている昼間、カフェ営業をやろうという普通のことをやりたいだけなのに、コント空間になってしまうという。
ロフトプラスワン時代から、イベントを運営するのはうまかったんだけど、別に店を作ったことがあるわけじゃないから、何にもわかってなかったんだよね。
横山さん、いまだに課長と部長どっちが偉いかわからなかったりとか、社会人として大切なことがスッポリ抜け落ちていますよね。
「ネットとリアルを結ぶトークライブハウス」といって店を作ったのに、だいぶ後になるまでネット回線がADSLだったし!
建物ごとなくなるインパクトはでかい!
仕事をしていた店が閉店しちゃうとか、移転しちゃうとかは結構ありがちですが、それでも普通は入居していた建物は残っています。
お店が入っていた建物。それどころか周辺の街全体がなくなってしまうというのはかなりのインパクトで、まあまあ切ない気持ちになってしまいました。
最後に残ったお台場の観覧車も、8月31日で営業終了。この記事が公開された当日に急いで行けばまだ間に合う! 〝無〟と化しつつあるパレットタウンを見ることができる貴重な機会なので是非!?
……というか、今でも渋谷で元気いっぱい営業している東京カルチャーカルチャーにみんな行こうぜ!