特集 2023年12月21日

伊豆諸島のいずれかの島に行く“ミステリーきっぷ”で運試し

ミステリーきっぷ3回目?の行き先は――

伊豆大島は大変素晴らしいところではあるのだが、このままだと大島の良さを伝えるだけの記事になってしまう。なので最後にもう1回だけ挑戦してみることにした。

ぶっちゃけ本音を言えば、一番遠い神津島に行きたい。

049.jpg
3度目の正直ということで、再びの竹芝客船ターミナルへ
050.jpg
今回の行き先は――神津島!
051.jpg
やったー神津島へいけるぞー!

――などと茶番を演じてみたものの、鋭い観察眼をお持ちの方はこの時点で「ん?」とお気付きのことだろう。そう、このチケットは「ミステリーきっぷ」ではない。

052.jpg
なにを隠そう「スーパー島トクきっぷ」なのであった
053.jpg
ミステリーきっぷより1000円高い分、行き先を指定できるチケットだ

「スーパー島トクきっぷ」は行き先を指定できる上に、出発日から4日間有効なので日帰りのみならず島内に宿泊することも可能である。意中の島がある場合には、こちらの方が断然使い勝手が良い。

「ミステリーきっぷ」はあくまで行き先がどこになるのか分からないドキドキ感を楽しむロマンチケットなのである。どうやら私は大島に好かれているようなので、3回買っても3回大島になりかねない、いや大島から呼ばれるに違いないので、ここは「スーパー島トクきっぷ」で神津島を指定させて頂いた。

とはいえ、日帰りで予約したので条件は「ミステリーきっぷ」と同じである。神津島での滞在時間はわずか30分。この短時間でいったい何ができるのだろう。

076.jpg
まず、大島で下船せずにその先へ行けることに少し感動した
054.jpg
続いて、円錐形のシルエットが美しい利島へ
055.jpg
さらに、5島の中では大島に次ぐ大きさの新島に
056.jpg
そして、他の島に比べて平坦ながらも複雑な入江を持つ式根島だ
057.jpg
最後に、念願の神津島に到着である!
058.jpg
……が、接岸の時点で10時10分になっていた

定刻であれば神津島への到着は10時ジャスト。式根島の出港は定刻通りだったのだが、その後に少し遅れが生じたようだ。

途中、やや聞き取りづらい船内放送で「大型の海洋生物が云々……」と言っていたような気がしたので、ひょっとしたらクジラの群れでもいてスピードを出せなかったのかもしれない。

入港が遅れるということは出港も遅れそうな感じはするが、いちおう出港時刻は10時30分と決まっているので、それまでには乗船していないとマズいだろう。上陸できる時間は――20分。

059.jpg
ミステリーきっぷの日帰り客だろう、下船したら即ダッシュ! 私もダッシュ!
060.jpg
渋いフォントで描かれた神津島のペイント!
061.jpg
集落前に広がるビーチ!
062.jpg
少し波があるが白砂の浜でキレイだ!
063.jpg
続いて目に入ったのは神社の鳥居!
064.jpg
木々に囲まれて良い雰囲気の参道だぞ!
065.jpg
神津島の鎮守なのだろう、境内はキレイに整っている!
066.jpg
とりあえずお参りさせていただいた!

この時点で既に10時20分を過ぎている。さすがこれ以上の深入りは危険だ。素直に引き上げてフェリーへ戻ろう。

067.jpg
港にはなんだかカッコ良い岩があった!
068.jpg
流れるような紋様の岩肌が美しい!
069.jpg
だがパレット置き場になっている!
070.jpg
息を切らしながら駆け足で戻り、10時30分ちょうどに乗船!
071.jpg
さるびあ丸は定刻から少し遅れた35分に出航し――なんか海が鮮やかだ!
072.jpg
この海の色を見るために、私は神津島に来たのかもしれない
073.jpg
さらば神津島、また会おう! 次は泊りがけでくるよ!
【神津島(滞在時間30分20分)で出来たこと】
  • 白砂のビーチを見ることが出来た
  • 神社にお参りすることが出来た
  • カッコ良い岩を見ることが出来た
  • なにより海の色がキレイだった

なお、神津島は集落に近い西側の前浜と、山を隔てた東側の多幸湾の二箇所に港が存在する。今回は前浜港に到着したのだが、西風が強い冬場は多幸湾に入ることが多いようだ。

多幸湾は集落から離れているので通常の発着地としては不便であるものの、よりダイナミックな景色を見ることができるようなので、滞在時間の短いミステリーきっぷでは多幸湾の方が当たりかもしれない。


旅行先をガチャで決めるのもまた一興

というワケで、計3回に渡り伊豆諸島の日帰り旅行を楽しんできた。今回の「ミステリーきっぷ」は非常に面白い企画であり、特に行き先を告げられる時のドキドキ感は普通の旅行にはない魅力がある。

まず出発当日の天候によって行ける島が限られるところから運が試される。海が荒れると確定で大島になる日もあるので、基本大島行きと思って利用した方が気は楽だ。特に利島・新島・式根島はレアリティが高いようだが、SNSではこの3島の当たり報告も見られるので、まぁ、結局は運次第ということなのだろう。

この「ミステリーきっぷ」はかなり好評のようで、完売する日もあり途中から1等客船バージョンが追加された。みんなスリリングな旅行に飢えている。今や旅行先もガチャで決める時代なのである。

074.jpg
島でのタラップ設置は、東海汽船の職員さん、お巡りさん、郵便屋さんの共同作業だ
<もどる ▽デイリーポータルZトップへ

banner.jpg

 

デイリーポータルZのTwitterをフォローすると、あなたのタイムラインに「役には立たないけどなんかいい情報」がとどきます!

→→→  ←←←

 

デイリーポータルZは、Amazonアソシエイト・プログラムに参加しています。

デイリーポータルZを

 

バックナンバー

バックナンバー

▲デイリーポータルZトップへ バックナンバーいちらんへ