特集 2023年12月21日

伊豆諸島のいずれかの島に行く“ミステリーきっぷ”で運試し

ミステリーきっぷ2回目の行き先は――

大島は大島で大変良かったのだが、すべての島が勢ぞろいした中から行き先が選ばれるドキドキ感も味わってみたい。

というワケで、天気予報の波予測図とにらめっこをしつつ、すべての島に着岸できそうな日を狙って再びミステリーきっぷを予約した。そして見事、全島就航の日を当てることができた。

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意気揚々と、横浜港の大さん橋国際客船ターミナルにやってきた

さるびあ丸は週末に限り横浜港を経由する。この日は土曜日出発ということもあり、横浜港から乗船することができた。神奈川県在住の身としては、竹芝まで行かなくて済むのはありがたい。

さぁ、今日は全5島のすべてが抽選の対象になっているはずである。行き先はいかに――。

「大島ですねー」

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あっ、はい、大島ですか
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大島ですか

いやはや、まさかまさかの2回連続で大島行きである。SNSでの報告を見ると大島を当てた人が一番多く、次いで神津島、そして数は多くないものの利島・新島・式根島を引いた人も確認できた。

あくまでSNSを見る限りの推測であるが、全島が抽選対象となる日でも確率は等分ではないようだ。特に休日だと乗客が非常に多いので、ミステリーきっぷ以外の利用状況などにも左右されるのだろう。

とまぁ、あれこれ言っても決まった行き先は大島である。さてはて、今度は大島で何をしよう。

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横浜港の夜景を見ながら、2度目の大島で何をしようか考えた
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こうなったら……山に登るしかないか!

1回目の伊豆大島は外周を巡った。となると2回目は内陸を攻めるのはどうだろう。ズバリ、島の中央部にそびえる三原山に登るのだ。うん、いいかもしれない。

なんとか方針を定めることができた私は、持参したストロングチューハイをかっくらい、意識を失うようにして床に就いた。

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そして朝6時、3日ぶり2回目の伊豆大島に到着である

今回はターミナル前に待機しているバスには目もくれず、岡田港から三原山を目指して歩き始めた。

土日祝日は元町港から三原山までの登山バスも出ているのだが、ここはあえて標高0m地点から歩いてみることにした。なんせ時間はたっぷりあるのだから。

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標識が示す三原山を目指し、ひたすら車道を歩く
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途中、空港の滑走路越しに伊豆半島と富士山がうっすら見えてテンション上がった
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道路沿いにはサザンカの花が咲いていた
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岡田港から2時間弱で、​​​​​​三原山の中腹にある大島温泉ホテルに到着である
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温泉ホテルからは車道を離れて登山道を歩く
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しばらくすると森林を抜け、「やがて森になる道」と呼ばれる草原に出た

この辺りはかつて三原山の噴火による溶岩や有毒ガスによって植生が破壊し尽くされたそうだ。その後に草木が復活し、やがて森になっていく。この登山道は植生の再生を体感できる道でもあるのだ。

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地面は火山噴出物の砂礫でザクザクとした踏みごこちだ
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進むにつれ荒々しい溶岩が目立つように。「ジオ・ロックガーデン」というらしい
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山頂を見上げると、あちらこちらから噴気が上がっていた
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中央火口丘(実質の山頂)まで上がると「ゴジラ岩」がお出迎え
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中央火口丘を一周するお鉢巡りもやってみたのだが……
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いやはや、360度どこを取っても素晴らしい眺めではないか
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そして垂直に落ちる火口の迫力たるや! 筆舌に尽くしがたし!
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三原山に登って良かったと、心から思った次第である

2回目の大島行きとなったことで、なんとなく登ってみた三原山であったが、正直ナメていた。これほど見事な景色が見られるとは、まったくもって思ってもみなかった。

活火山の島ならではの風景がみっちり詰まっており、まさに絶景の連続である。伊豆大島に行ったら何はともあれ三原山に登り、お鉢巡りをした方がいいです。

さて、中央火口丘を一周したところで11時を過ぎ、そろそろ帰りのフェリーが気になる頃合いだ。スマホで東海汽船のwebサイトをチェックすると、出帆港は朝到着した岡田港ではなく元町港になっていた。大島は往路と復路で発着港が変わることもあるので注意が必要だ。

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というワケで、三原山から元町港へ下りる道路を歩いていく
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元町港に着いたのは14時近くと、割とギリギリの時間だった
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歩き通しで疲れたが、それ以上に楽しかった!
【2回目の伊豆大島(滞在時間8時間30分)で出来たこと】
  • 岡田港から歩いて三原山へ登山
  • お鉢巡りで絶景を堪能
  • 三原山から歩いて元町港へ下山

今回私は使わなかったが、土日祝日限定の登山バスを利用すればさらに時間を有効活用でき、日帰り温泉等に寄れたのではないかと思う。

⏩ 次ページに続きます

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