ドイツのカプセルトイはやさぐれている
ドイツなのだが、空港でユーロの小銭を使ってね、ではない。
ドイツのガチャガチャは駅の近くにある。1日鉄道乗り放題のきっぷを買っていろいろ移動した際、なぜか高架下でよく見かけたのだ。
やさぐれている。カプセルトイはこんな存在なのか。
キッズ向けの手軽な価格ではあるが、教育に向いた環境とは言い難い。
10セント、20セント、50セントと書かれている。
ドイツの物価は結構高い。
お菓子やジュースまで1ユーロ以上だ。野菜にしても1ユーロ以上する。1ユーロは120円なので(2020年2月頭現在)、100円以下のものはそうそうない。日本のようにスーパーで100円以下のものが売られているのとは違う。
そうした中で、10セント、20セント、50セントで遊べるカプセルトイはものすごく良心価格ではある…のだが。
うーん、上級者向けですよね。
駅前高架下で様子をみるも、まるで子供が欲しがろうとしていない。
明るいところにあるマシンも見つけたが、これはこれで遊ぶとエスカレーターの通行の邪魔になる。
原点に戻ろう。
カプセルトイはとてもいい。小銭で何が出てくるかわからないドキドキが味わえる。外国人ならなおさらだ。
そうだ、子供は子供、僕は僕だ。利用してみよう!
試しに遊んでみる
手持ちには20セントコインと、50セントコインが1枚ずつある。
カプセルトイ以外何も買えやしない。今やカプセルトイのための交換通貨だ。
50セントマシンに挑戦!
ハンドルを回すが…そもそもコインが入らず断念。
20セントマシンは入った。これでいこうとハンドルを回すと…
落ちた音とともに小さなカプセル出てきた!
どきどきしながらカプセルを開ける…
TOYSというパッケージの中に謎のスライムのようなものがある。ほぐしてみると
びょいーんと伸びた。以上20セント(約24円)。
「おー、こんなものが出てきた!」と一人喜びましたよ。モノが実用的かゴミかなんて二の次なのです。このドキドキ感たるや。
思い出にしたければ残すもよし、写真に撮るもよし、こんなの出てきたよと苦笑いして、誰かがもっていくことを期待して機械の上に放置してもいい。お金のかからない娯楽だ。
次にこちらを試してみる。
お金を入れてガチャっとして、コロコロっと出てくる。
ケーブル束ねたり腕輪にしたりできそうだ。使える!
小銭がたりない
それにしてもいくら遊んでいてもまるで子供が僕のプレイを見ようとしないし、そもそも周りに人の気配がない。
東洋人がひとりさびれた台で笑顔で楽しんでる。そりゃああやしい。
コインがなくなって、通りがかった通行人に声をかけ、コインを交換してもらおうと相談したが、みな持ち合わせはなく。
別の駅でぶらり途中下車をしつつ、小銭を増やして、今までと違うカプセルトイが出てくる台を探すことにした。
電車に乗り移動する。Wifiが車内で無料で使えた。すごくありがたかった。
自動販売機で小銭を増やす。全部1ユーロより高い。日本より物価が高い。
ジュースより安いビールを買って小銭を増やす。
フランクフルトの路線図。ごちゃごちゃしているけど、東京の人がそうであるように、フランクフルトの人々は駅名や路線を覚えてるのだろう。
電車内でビールを飲む人、お菓子や果物を食べる人が結構いるので僕も休憩がてら電車や駅でハイネケンを飲む。
ビールを飲んで、台を見つけて、勝負する。たかだか数十セントだが気分はギャンブラーだ。だいぶ上級者になってきた気がした。勝手に思ってるだけだ。
初の10セント台を試してみる。
フィルムに包まれた甘いにおいのボールが出てきた。食べれるのかどうかはわからない。記念に持っておいた。
これは何が出てくるか未知数だ。試してみた。
20セントコインを入れてまわす。回すのも地元ドイツ人並みに慣れてきたと思う。
結果、何も出てこなかった。在庫切れだった。まさにギャンブルだった。
ドキドキは体験した。数十セントだから後悔はしていない。
日本のカプセルトイ文化が広がる未来
気づけば寒空の高架下、酒飲んでギャンブルをするというダメな大人ができあがっていた。そんなカプセルトイ遊びに子供が遊べるわけがない。
とはいえ、これが遊ぶ価値がないかというとそうでもない。なにせ回しても商品がでない在庫切れの台もあるくらいだ。今のうち遊んで景品をゲットしないと絶滅する恐れもある。
海を渡って遠く日本のカプセルトイは綺麗で様々な種類があり、無数の商品の中には外国人とて買いたくなるものもあるだろう。日本のカプセルトイが広まるならうれしく喜ばしいことだなと思った。