ちょっと聞いてよ 2023年10月3日

日本各地でお麩をジャケ買いする楽しみ

旅行では必ずスーパーに行く。

なかでもいつのまにか手に取っている食材が「お麩」である。お麩をジャケ買いしている。お麩たちがかわいいから。

1981年群馬県生まれ。ライター兼イラストレーター。飲食物全般がだいたい好きだという、ざっくりとした見解で生きています。とくに好きなのはカレー。(動画インタビュー)

前の記事:5000円使って、南米スーパーの未知の飲食物たちを買い集めてみた

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そばに置いておきたくなるお麩たち

かわいいから、そばに置いておきたい。その一心で、気がつくとここ数年の間、目についたお麩を家に連れて帰っていた。

ゆっくり集めてきたお麩たちよ。コレクションというにはまだちょっと頼りないが、微妙な数が集まった。ぜひ今日は彼らのかわいい姿を一緒に眺めてほしい。

まずはこちら。先日沖縄の石垣島に行ったときに出合った。

かわいいので即決で買った
だってまず、強引なまでに「麩」の漢字を盛り込もうという気合いがいじらしかったから。「麩レンド」もすごいけど「麩っと想ったら」もすごい
彼らはきっと「麩レンド」
沖縄のお麩らしく、ふーちゃんぷるの作り方が書かれているのだが、その絵面がまたかわいい。ゆるやかな筆致

沖縄からの帰り道のことだ。空港の保安検査で、この「麩レンド」が手提げ袋から少しはみ出してしまった。その瞬間、周囲の人がちょっとだけ「??」という表情をしていた気がする。

無理もない。空港で突然、お麩を見ることになろうとは、なかなか予想がしにくい。不思議な気持ちにもなるだろう。 

ちなみにこれが当時の写真。あとで使う日が来るかもと思ってなんとなく撮っておいた。なお、そうやって撮った写真の100枚中88枚は「これ、何で撮ったんだろうね?」って未来の自分に思われがち

でも、存在するのだ。

あっけらかんと駄洒落を貫くパッケージも、手提げからちょっとはみ出したお麩を飛行機の手荷物にして持ち帰る人間も。 

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福井のお麩もおもしろかった

福井にある「角麩」は、かたちが四角いのが特徴的だ。

色合いもかわいい!
がっしりとした「角麩」のフォントとともに「高級」「美容」「健康」をまっすぐ言及されると少し戸惑う。そんなところも含めてかわいい

同じく福井で見かけて思わず手に取ったこちらのお麩は、岐阜生まれ。そして……

このお麩、ただかわいいだけではなかった
このマーク……

「ふーちゃん」の麩菓子でおなじみ、敷島産業のお麩だったのである。ちなみに手に取ったときはまったく気がついていなくて、あとで人に言われてハッとなった。

裏側に描いてある妊婦さん、お子さん、パパのイラストも味わい深くていい
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会津若松のお麩もかわいい

小麦粉で作られているゆえなのか、パッケージに小麦をあしらうことが多め
「志ら玉麩」は、こづゆという会津の郷土料理には必須のお麩なのだそう。豆麩とも呼ばれるらしい。ぱっと見はたまごボーロみたい

そのほか新潟や宮城、山形のお麩もかわいいし、もちろん私がここに書きそびれている場所のお麩も、みんな違ってみんなかわいい。

こちらは新潟県新発田市の約120年続くお麩の老舗、宮村製麸所のおしぶ。つるっとした舌触り

ところで数ヶ月前、ある会合で「旅行に行くとついお麩を買ってしまいがちなんです」と告白したら、メンバーの2割くらいの人たちが賛同してくれたことがあった。

「意味がわからない」と思われないか、そわそわしながらの告白だったので、賛同者がいることがうれしかった。

それで決心がついた。これからはもっと積極的にお麩を集めたい。

これはファミリーマートにちょっと似ているお麩

どこかに行くたびに家にお麩が増える人生とそうでない人生。今までよりもさらに自分の意思で前者を選んでいくのだ。

お麩、かわいいから。

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