ブレーメンに行ったことのある酒屋さん
興奮が冷めぬまま、本来の目的であったブレーメンビールを買いに酒屋さんへ向かう。
商店街から少し脇道に入ったところにある、宇野酒店。
中に入ると、冷蔵庫に3種類のブレーメンビールがあった。
ピルスナー、ゴールデン・エンジェル、ブラウンヴァイツェンの3種類。商店街オリジナルの音楽隊ロゴがかわいい。
お店の方に聞くと、福島県のビール工房が作っているオリジナルビールなのだそう。やっぱりドイツといえばビールなので、お土産としてブレーメンビールがあるのも納得だ。
夫がブレーメン出身であることを伝えると、驚くことに「夫と息子もブレーメンに行ったことがあるんですよ」と教えてくれた。
なんと、実際にブレーメンに行った方が!興奮していると、わざわざ息子さんを呼んできてくれた。

当時の写真が載った商店街のフリーペーパーも見せてくれた。
反対に、ブレーメンのオーケストラも元住吉に来て演奏したこともあるのだと言う。すっごい!
聞くと、ブレーメン通りはもともとブレーメンの音楽隊の童話から発想を得て、1990年に「ブレーメン通り商店街」という名前がつけられたそう。

それから30年以上経った今でも、さまざまなイベントを通してお互いの街を訪問し合いながら交流を続けているんだそう。なんていい話なんだ……
終いには商店街のパンフレットまで頂いてしまい、ほくほく顔の夫。自分が育った街をこんなにも推してくれる場所にいて、嬉しくない訳はないだろう。
ブレーメン出身者におすすめしたい、ブレーメン通り
訪れる前は名前ばかりだと思っていたモトスミ・ブレーメン通りに、こんなにも深いブレーメンとの交流があったことは驚きであり、感動的だった。
実はブレーメンの音楽隊の童話では、動物たちがブレーメンへ向かう道中の家に住むことにしたため、肝心のブレーメンにたどり着く前に話が完結している。
モトスミ・ブレーメン通りも、密かに「ブレーメン通り」と名乗っていたら今もブレーメンと特に関係を持つことなく存在し続けていただろう。
でもブレーメン通りの人たちがブレーメンに連絡を取ったおかげで、なんとも素敵な交流が始まり、元住吉の音楽隊もブレーメンにたどり着けたわけだ。
いや、でもこんなにブレーメンを愛でてくれる場所は、モトスミ・ブレーメン通り以外に世界のどこにもないだろう。ブレーマーの間でもっと広まってくれれば、きっと感動してもらえることだろう。
ドラッグストアの横にドイツ語で「Ratsapotheke(市立薬局)」という看板がさりげなくかかっているのが良かった。