特集 2019年6月10日

68歳のDIYパーティーおじさんが作った沖縄のペンションは壁が開く

沖縄の友人がとんでもないパーティー野郎を紹介してくれた。自分で書いたそばからなんだが、“野郎”だなんて言い方失礼で、その方は68歳になる男性だ。

沖縄本島南部の南城市に、自分や仲間たちの力だけでペンションを建てたという。そしてそのペンションが色々な面でぶっ飛んでいるというのだ。

実際にそのペンションに連れていってもらい、そこで予想を遙かに超えるものを見た。次々と目の前に展開されていく光景に心の整理が追いつかなくて「うおー!」ぐらいしか言えず、最後の方はその言葉すらなくなるほどであった。

うまく伝えられるか少し自信がないけど紹介したい。

大阪在住のフリーライター。酒場めぐりと平日昼間の散歩が趣味。1,000円以内で楽しめることはだいたい大好きです。テクノラップバンド「チミドロ」のリーダーとしても活動しています。(動画インタビュー)

前の記事:「唐揚げ何個食べた?」レベルまで飲み代を厳密に割り勘する飲み会


その人との出会いは地元掲示板がきっかけだった

今回、私にその男性のことを紹介してくれたのが、沖縄県那覇市にあるライブハウス「G-shelter」の店長・黒澤さんだ。

私が以前、「G-shelter」で開催されたイベントに出演させていただく機会があって、それ以来の知り合いである。

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相手の男性に「今から行きますね!」と電話してくれている

沖縄の面白いスポットを色々教えてくれる頼もしい人。そして「G-shelter」は国際通りの繁華街からもほど近い素晴らしいライブハウスなので沖縄に行く人はその日のライブ情報をチェックしてみてください。

黒澤さんの運転する車に乗せてもらいながら、これから向かうペンションのオーナーとの出会いについて話を聞く。

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南城市へは那覇市から30分~40分ほどの距離だ。

――黒澤さんはなんでその人のことを知ったんですか?

「2年前、不要になったスピーカーをネットに出品したんですよ。地元の掲示板みたいな。譲りますーっていうような。その譲った相手がそのオーナーだったんです。車にスピーカーを乗せてその住所に届けに行ったら、すごい場所で、『何これ!?』って」

――その時にそのペンションがすでにあったんですね。

「いや、ペンションにするんだとは言ってたんですけど、色々作りかけで、まだ人を泊められるような状態ではなかったです。ただ立地はすごく良くて、ビーチを見下ろすような場所で。その場にオーナーの知り合いがいて、その人が『この人、2年かけてやっとこれだから、まだまだかかるよ』って」

――時間をかけて作っていたんですね。

「でもそれから半年ぐらいしたら、ちゃんと人が泊まれるようなクオリティになっていて驚いて。それからも色々作っていて、様子を見に行くたびにどんどん新しい要素が増えていってるんですよ。今はAirbnb(個人オーナーが宿泊施設を貸し出せるWEBサービス)で宿泊を受け付けてるみたいです。今日は結構久しぶりだから、どんな風になってるかなぁ。かなりヤバいことになってそうです」

黒澤さんが「とにかくヤバい人なんですよー!」というので、頭の中で色々と想像が膨らみ、緊張が高まってきたと思ったら「はい、ここですよー!」と車が止まった。

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海辺のサーフショップという雰囲気だが。
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「シーサイド南城」というのが建物の名前のようだ。
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いきなり目の前に広がる青い海

黒澤さんが建物の中に「大浜さーん!お邪魔しますー!」と声をかけると、ウエスタンハットの男性が颯爽と現れた。「はいはい、ではこちらへー!」と動きが早くてグングン行く。

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小走りで追いかけないと置いていかれるテンポ感。
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「一瞬立ち止まっていただけますか!」と撮らせてもらった写真。

彼こそが大浜安十(おおはまやすと)さん。「シーサイド南城」のオーナーである。68歳になられるという。

この一瞬だけ立ち止まってくれたけど、またスピーディーに動き出す。

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「はい、ではいきますねー!」と建物のドアをオープン。
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大浜さんの背中を追いかけ廊下を進む。
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右手にいきなりビリヤード台が現れる。

いきなりビリヤード台がある空間。映画かドラマでしか見たことがない気がする。しかしそこでは立ち止まらずに大浜さんは行く。

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「こちらへどうぞー」ともう一つのドアが開かれた。

部屋である。ダブルベッドが二つ置かれたオシャレな部屋。

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「そこのベッドに腰かけてくださいねぇ」と大浜さん。

言われるがままに腰をおろした。室内にはトランシーなダンスミュージックがドッツンドッツン鳴っていたが、大浜さんは「では、音楽をもっと大きくしましょうね。気分が出ますからね」と言って音量をグンとアップ。そして、大浜さんが部屋の隅のボタンか何かを押すと……

こうなった!

画像でも順を追っておこう。

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大浜さんがボタンを押す。
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目の前の壁が上の方に向かって開く。
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さらに開いていき……
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プール&海。

笑える。レコーダーでした音声を聞き返したら「えー!」とか「なんですか!」と繰り返しているだけの自分の声が入っていた。よく見ると写真に写り込んでいるのだが、視界の前方に備え付けられたシャボン玉マシーンからシャボン玉が飛んできている。この演出。パーティー野郎である。

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呆然とする私。何これ……。
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なんなのよ……。

大浜さんに「どうしてこんな仕掛けが?」と聞きたいのに、大浜さんは早くも次の未来を見ている。「さ、今度はもう一つの部屋に行きましょうねぇ」と歩き出した。さっきの部屋から徒歩数十歩の距離に別の部屋がある。

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ペンション内部をすごいスピードで案内してもらう

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 「このリモコンでね」
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「こんな風に」
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「外が見えますよー」

ブラインドが開ききると前方は先ほど同様、青い海だ。なるほど、大浜さんはどうやらこういう仕掛けが大好きな方らしい。ちなみにこっちの部屋はこっちの部屋で、さっきとは別のダンスミュージックがズンズン鳴っている。

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「カラオケできますからね!マイクチェック!テステス!」

「それでは屋上に行きましょうねぇ」と歩き出す大浜さん。一応書いておくが、私が大浜さんに初めて会ってからこの段階まで、まだ10分ぐらいしか経っていない。

取材に同行してくれた「非の打ち所」という変わった名義のミュージシャン、通称「非のちゃん」を追いかけ、空へ上って行くかのような階段を上る。ちなみに、非のちゃんは国際通り近くで「BABYBABY HAMBURGER&BOOKS」っていうハンバーガー屋さんをやっていて、これがすごく美味しい。

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さて、階段の上に何が待っているのか。
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「今日は風が強いですよぉ。雨が降らないだけよかったけどねぇ」と大浜さん。

黒澤さんが「あっ!」と声をあげた。「ブランコ復活したんですね!」と言う。このブランコのことだ。

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手作りっぽい風合いのブランコ。

聞くところによると、一時はメンテナンス上の事情で使用できなくなっていたという。黒澤さんいわく「危険すぎるからじゃないでしょうか」とのことだが、ご覧下さい。

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それもそのはず、
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建物の端から飛び出してしまう勢いなのだ。

ブランコのロープが長すぎる!そして、真下はスッカスカ。

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黒澤さんが飛んでっちゃうよー!

実際下に落ちる心配はない作りになっているとはいえ、体感的なスリルはものすごい。私もやってみたけど、撮ってもらった写真をチェックしたらあまりの見たことのない顔をしてた。

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全部の感情がマックス値。

「なんだこれー!すごい!」、「面白写真がいくらでも撮れる!」とはしゃいでいる我々を、気づけば大浜さんがにこやかに眺めていた。

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これもブランコ!ブランコが好きなんだな。
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そしてブランコの隣にあるのはドラム缶風呂。

怒涛のように色々な情報が押し寄せてくる。「ちょっと一回落ち着きましょう」と2階で深呼吸しているところを写真に撮ってもらったのだが、

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どこか遠い国のトレンディドラマみたいじゃないか?
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目まぐるしい展開はまだ続く

階下から大浜さんが呼ぶ声がする。「こっちで乾杯しましょうねぇー!」。階段を降りて声のする方へ向かうと、我々をもてなすべく大浜さんがご馳走を用意してくれているのだった。

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こんなうまい話があっていいのか。
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「料理ができるまでパターゴルフでもしていてくださいねぇ」とのこと。
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その脇にもブランコ的なものが。

ちょっとここまでの展開が大急ぎ過ぎたので整理しておきたい。「シーサイド南城」は宿泊施設として貸し出されている建物で、今回は黒澤さんのおかげで特別に施設を見学させてもらっている。

シーズンにもよるが普段は一室3万円~5万円ほどの価格で宿泊できるそう(価格の詳細は宿泊案内ページをご参照ください)。普段、一泊3000円台の宿を中心に探している私からすると割高に思えるのだが、これだけの立地で、仕掛けだらけのリゾートホテルでワイワイ楽しめると思えば決して高くないのではと思う。

「シーサイド南城」はこんな場所にある。

左上に那覇市がある。

建物は高台のキワキワのところに建っている。

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左の建物の屋上にさっきのスリルブランコがある。
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うっそうとした森の向こう、右手に「新原ビーチ」、左手に「百名ビーチ」が見える。

最初に見せてもらったガーッと壁が開く部屋。

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不思議な光景だ。

その目の前にあるプールやジャグジーや、ビリヤード場。

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海とビリヤード台。なんか「いいちこ」のCMみたい。

もう一つの部屋とその屋上や、大浜さんがパターゴルフを進めてくれた芝生の庭。

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寝転ぶだけでも幸せだろう。

そしてその手前にあるバースペース。

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奥では大浜さんの知り合いのモーリーさんが音楽をかけている。
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バースペースのドアを開けると完全防音のカラオケボックスもあった。

と、宿泊者はこれらの施設を自由に使うことができるという。

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海を正面にしたカウンターでくつろぐことも。

なんなんだろうか。夢のような、天国のようなパーティー空間である。この施設が数年前まではかなり雑然としていたというのだから不思議だ。

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黒澤さんが撮影した2年前のバースペースの様子。
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大浜さんの料理をつまみにとりあえず乾杯

「はい、みんなで乾杯しましょうねー!」と大浜さんに呼ばれて、再びバースペース前の席に座る。

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「島豆腐を使ったすき焼きみたいなものですよ」と運んできてくれた。
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ゴーヤチャンプルーあり、焼き肉ありのご馳走タイム。

ようやくここで大浜さんにお話を聞くことができた。

――ここはもともとどういう場所だったんですか?

「カフェがあったんですよ。それを人から譲り受けましてねぇ」

――それを全部自分の手でこのようにしたんですか?

「そうですよ。4年かかりましたねぇ。今も工作中です」

――あの、壁がガーッと開くのも?

「そうですよぉ。トレーラーのウィングを使ってね」

――あのすごいブランコとか、全部大浜さんのアイデアなんですか?

「そうそう。なんでもやっちゃおうというね」

美味しいお肉をほうばりながら、やっと落ち着いてこの天国のような場所を楽しもうとしかけたその時、大浜さんが言った。

「日が暮れる前にキャンプ場に行きましょうね!」」

どうやら、この「シーサイド南城」とは別に、現在、大浜さんが整備している土地があるというのだ。もうすぐ日が暮れるというので、焼けた肉を口に入れたまま急いで飛び出す。

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「急いでいきましょうね!」
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これから整備される“キャンプ場”に案内してもらう

大浜さんの運転する車で移動すること10分ほどだろうか。現在、大浜さんが整備を進めているエリアに到着した。

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ゲームの中の門みたいな門。

眼下に海が広がり、一同声をあげる。

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すごい眺めである。「佐敷湾」の方向だという。

大浜さんが「ここに船の先端を作ってね、板張りにして、タイタニックの形をとろうと思ってるんですよ!」と言う。

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「こんな風にやれますよー!」

「これは僕が昔乗っていたキャンピングカーですよ。これもこうして開くようにしてね、まだ今は綺麗になってないけどね」

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とにかくこの仕掛けが大好きな大浜さん

「桜の木も植えましたからねぇ。桜の季節にはここで花見をしようとね」

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いつか花見をしようと植えられた桜。
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「いい眺めだよねぇ」。

大浜さんによれば、このスペースが納得いく状態になるまでは「2年ぐらいはかかるんじゃないか」とのこと。でも「あと半年もすればちょっとしたパーティーはできるようなります」という。近隣に住宅もない場所なので「夜通し騒げますよ!」と大浜さん。いやー、本当にパーティー好きなんだな。

キャンピングカーで自分だけの海を

「シーサイド南城」に戻って食事の続きを。運転を終えた大浜さんもお酒を飲んで上機嫌である。

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風が強くなってきたのでバースペースに移動した。

――さっきのキャンプ場もすごかったです。こっちもまだ手を入れているのにあっちも色々やるわけですよね。

「いい加減ね、疲れましたよ(笑)完成したら全部売りに出してね、そのお金で世界中遊び歩こうと思ってますよ」

――この「シーサイド南城」にはどんな人が泊まりにくるんですか?

「色んな人が来ますよ。海外から来る人が多いですよ。アジアの色々な国から来ます」

こちらは「シーサイド南城」に泊まりに来た香港からのお客さんがドローンを使って撮ってプレゼントしてくれたという動画。


 

――大浜さんはもともと何をされていたんですか?

「喫茶店をやってました。今も息子が宜野湾でやっていますよ」

――喫茶店……それでこんな風にいきなりペンションを建てたりできるものなんですか?

「日曜大工はしてましたから」

――そういうレベルじゃないですよ!野暮で申し訳ないのですが、これだけの設備を作るのには費用も結構かかったのではないかと……

「かかりましたねぇ。でも自分の手でやってるから安いわけですよ。だいたいね、ここにあるようなものをね、建築士さんに頼んだらね、全部やれないって言われますよ(笑)しょうがないから全部自分でやりますよ。溶接もできるからね。自分でやった方が早いねぇ」

――なるほど、頼んでもやってもらえないから自分でやるということもあるわけですね。

「建築家に頼んだら『台風の時はどうする?』ってみんな言いますよ」

――台風は大丈夫なんですか?

「大変ですよ……。飛ばされる。壊される。去年の台風はすごかったね。よく持ちこたえたよ。壊れたら、また直して。僕でないとみんなおかしくなります(笑) 今年もどんな台風が来るかわからんよね。だけどこの程度のことは計算内だね。飛ばされたって直せるんだから。だって、しょうがないもん」

――大浜さんはトレーラーのウィングが上がるあの仕組みがお好きなんですか?

「ウィングっていいよねぇ。さっきキャンプ場で見た、あのキャンピングカーが現役の頃はね、ビーチまで行ってね、ビーチの目の前に止めるわけよ。そして、そこでウィングを上げればこのビーチ全部自分の庭みたいなもんじゃん」

――その発想、最高です。ウィング一つで自分のものになったような気分にひたれる。

「誰も居ない浜辺につけて、開けて、川のそばでも上げて、すると川が自分のガーデンになるわけ」

――さっきまでただの部屋だったのがドーンと開くっていうのが気持ちいいですよね。

「そうですね。最初にここに入ったら廊下から、海がなかなか見えないでしょ。わざとそう言う風に作ったんですよ。バーンと海が見えるように」

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夜の眺めもまた面白い。

――なるほど。そうだったんですね。ウィングには夢があるなー。そういう遊びは若い頃からされていたんですか?

「キャンピングカーは長いね。25、26の時からだね。マイクロバスを改造してさ。U字型の席作って、奥にベッドルーム作って。畳入れたり、コタツ置いたりしてね」

――若い頃から改造するのが好きだったんですね。

「高校の頃、キャンプをして、カレーを作ったらみんな喜んでね。そしたらどんどん料理し出すわね。それがスタートでね。昔、基地の食堂で600円のカレー食べたら肉が2切れぐらいしか入ってなくて、それが、肉屋のウィンドウを見たら200円でお皿山盛りの肉を売ってる。自分で作れば同じ600円で肉がいっぱい入ったカレーを作れる。そして作ったたら、みんなが美味しいって食べてくれてね。いつも遊んでくれる仲間になってね」

――なんでも自分でやる方が安くて美味しいものができると。

「このペンションも最初は自分の別荘だと思って作っていたんだけど、今はAirBnBっていうのがあるって知ってね。少しは建物を直したりするお金をと思ってたけど、お客さんが来てくれるからうれしいね。7月、8月、9月はほぼ満室になるんだけど、冬場はまだ少ないからもうちょっと工夫したいと模索中なんですけどねぇ」

――ここは喜ぶでしょうね。みんな驚くでしょう。

「夜、懐中電灯一つずつ持って海まで行くのもいいですね。暗いからね。途中の階段も手入れしたいねぇ。桜も植えたいしね。ポイントポイントに太陽光発電の照明をつけないといけないねぇ」

――ははは。やることいっぱいありますね……。

「そうだねぇ。難儀ではあるけど、一つのドラマだ」

――“難儀ではあるけど、一つのドラマ”……すごい言葉です。

と、我々が大浜さんとお話ししている間、流れている音楽が何度も気になった。山口百恵
、古いブルース、沖縄民謡、レイブっぽいダンスミュージック、ウクレレ、フュージョン、フラメンコ、井上陽水、グレイス・ジョーンズなどなどが並列に、ごちゃ混ぜにかかる。

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グレイス・ジョーンズのライブ動画に見入る

――大浜さんは音楽がお好きなんですか?

「彼の選ぶ音楽は好きだねぇ。彼はモーリーっていってね、ディスコの店長してましたから、いつもお客さんの好きそうな曲をかけてね、音楽と食事でね、楽しんでもらいます」

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この方がモーリーさん。「僕はディスコのオーナーですから、DJじゃないですよ。30年前の話ですよ」

大浜さんのお父さんは、大浜安伴(おおはまあんぱん)という八重山民謡の歌手で、それまで口伝によって伝承された民謡を譜面化し、後世に継承することに努めた方だという。モーリーさんのお父さんはその大浜安伴さんの弟子で、息子同士である二人は若い頃からの知り合いなのだとか。

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「そうだ、黒澤さんこのウーファーをあっちにつなげたいんですよ」と相談中。

大浜さんがiPadの中の「シーサイド南城」の写真や動画を見せてくれるのだが、そのiPadがなんともすごい。

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確かにiPadなのだが、
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木製の枠に入っている。裏に色々ごちゃごちゃある。
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こうやって一部を回転させることができるようになっていて、
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こんな風に、寄り掛かりながらお腹に棒をつっかえさせると楽なんだとか。

他にも、床に立てかけられたり、上から吊るす用のチェーンがついていたり、大浜さんが必要にかられて手作りしたというこの木製iPadケースに、DIY精神が集約されているように感じる。

「こうしたらもっといいんじゃないか!」と思ったらやらずにいられないのである。iPadと木材の組み合わせ、グッとくる。

聞けば大浜さんの自宅の天井も横にスライドして空が眺められるようにカスタマイズされているらしい。ほろ酔い加減の大浜さんは「楽しむにはどうしたらいいか、いつも研究していますよ」と言っていた。

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黒澤さんと大浜さん。

「泊まっていったらどうですか?」という大浜さんの言葉に後ろ髪をひかれたが、翌朝早くの飛行機に乗らねばならない私は「シーサイド南城」を後にした。

帰りの車で黒澤さんが「沖縄のあの世代の人たちは物がない時代を知っているからみんなタフなんですよ。大浜さんみたいな人のおかげで沖縄には今もDIY精神が引き継がれているんです」と言っていた。

大浜さんは「シーサイド南城」について「ここはテンション上げる場所だからね。悩みのある人もここに来れば必ずポジティブになるんじゃないかな」と語っていたが、実際、大浜さんのパーティー野郎としての「とことん楽しんでやろう!」というタフなエネルギーに照らされるようにして私のテンションもやけに上がり、次の朝が早いというのにその夜はなかなか眠れなかった。


1泊1500円の沖縄のビジネスホテルに戻ると、さっきまでのことがますます夢のように感じた。

大阪に戻ってきた今、友達を集めて「シーサイド南城」に泊まりに行きたくて仕方ない。朝目を覚まして、ウィングのボタンを押し、海に向かって「おはよう!」と叫びたい。

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これがガーッと壁が開くスイッチだ!
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