【ドリーが生まれた年の主な出来事】
・ミッドウェー海戦
・ガダルカナルの攻防
・関門トンネル完成
・ヒット曲:「朝だ元気で」
・流行語:「アイ・シャル・リターン」(ダグラス・マッカーサー、3月16日)
天龍選手は淵選手よりも強めに攻め込んでいた。水平チョップを受けて顔を歪めるドリー。その度に「天龍やめろ、殺す気か!」と野次が飛んでいた。
しつこいようであるが、ドリーは67才である。こんなに動ける67才なんてそうはいないと思う。
【ドリーと同じ年の著名人】
・金正日
・ポールマッカートニー
・松方弘樹
・青木功
・カルーセル麻紀
・ジミーヘンドリックス
このようにして、ドリーは最後の試合を自らの勝利で飾った。
試合後、リング上は引退セレモニーへと流れていく。
さよならドリー
引退セレモニーは厳かな雰囲気の中、執り行われた。弟のテリーファンクの登場を待っていたのだが、テリーは最後まで現れなかった。何か事情があるのだろう。出来れば最後にザ・ファンクスの姿を見たかった。会場にいたファンはみんなそう思っていたに違いない。きっと、事情なのだ。仕方ない。
こうして、ドリー・ファンク・ジュニアは45年に渡った現役生活にピリオドを打った。
予想以上に動いていたし、とても元気な姿を見せてくれて嬉しかった反面、やはり25年という月日は誤摩化せず、リングの上に立っているドリーは僕が夢中だった頃のドリーと違っていた。Tシャツを脱がなかったのは、老いた体をさらしたくなかったからかもしれない。
久しぶりに初恋の人にあったら全然変わっててショックを受けた、みたいな心境だろうか。生でドリーの引退試合を見たい。そう思って両国国技館まで足を運んだが、もしかしたら夢中だった当時のまま、ザ・ファンクスを自分の胸にしまっておいた方が良かったのかもしれない。
でも、ドリーの最後を生で見れたって事は凄い事だ。
と、両国からの帰り道、頭の中でずっと堂々巡りをしていました。