非電化ディスプレイ(つまり紙)
説明書には「解体しないように」という主旨の注意書きがあったので、皆様そのあたりは御斟酌の程何卒宜しくお願い致します。
さ~てレンズを外すぞ~。
途中経過もなく、いきなり出来てて申し訳ない。ビューワーを元に、厚紙を二重構造にして、伸縮してピント合わせできるようにしただけである。
要はその、ちょっと前に話題になったりした、ヘッドマウントディスプレイ、その「非電化バージョン」であろうか。それがこの紙メガネかよ、というご意見もあろうが、手っ取り早く皆でバーチャル花見を実現するには、これで良しとしたい。
さて桜の終わらないうちに、ステレオカメラで撮影しに行こう。それさえタイミング逃がしたら、よほど桜とはご縁がないに違いない。
カメラからSDカードを抜き、プリンタにそのままセット。撮った写真をそのままL版でプリントすればいいという。
光沢紙に出力された桜。もう今年は焦らなくてよいのだ。ゆっくりと、ひとつ深呼吸をした。
そしていつもどおり、瑣末なことに追われる日常を過ごし、花見の季節は今年も過ぎて行った。
やがて暇ができると、私は編集部に泰然とした気持ちで電話をかけた。「花見を、しませんか」。
アナログ・バーチャル・フューチャリスティック・スタティック・サディスティック・3Dヘッドセット
担当・石川氏、橋田さんを誘い、ニフティ近くの桜の名所にやってきた。当然桜はほとんど散っていた。だがそんなこととは関係なく、持参のレジャーシートを桜の木の下に敷き、ビールとつまみを並べた。
ニューウェイブなバンドメンバーのようになったがなんだかマヌケだ。厚紙そのままむき出しだからか。せめて銀色にでも塗ればよかった。いやそういう問題じゃなく、単に「花ないのにゴザ敷いてる」ところがダメなのか。
そこを言い出すとこのメガネの存在自体が危うくなる。さあアナログ・バーチャル3Dヘッドセットによる花見を楽しもう!