自由ポータルZ 2021年1月15日

校歌の頻出ワードを調べて日本一平均的な校歌を作る~自由ポータルZ

石川です。ペットボトル以外で緑茶を飲む習慣がなかったのですが、ルピシア(世界のお茶屋さん)の福袋を買ったら入っていたので仕事しながら飲んでいます。これはおいしいですね…。紅茶に比べてすぐできる(45秒~1分!)のもよいです。緑茶にこんなインスタント性があるとは思いませんでした。

ゆっくりお茶を飲みながら今週の自由ポータルです。

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【入選】【全国300校調査】校歌の頻出ワードを調べて日本一平均的な校歌を作る

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[投稿者]電気とデニムさん (クレイジースタディ
[コメント]全国の中学校校歌の頻出ワードを調べて日本一平均的(ありがち)な校歌を作りました。
是非自身の母校の校歌と比べてみてください!

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石川大樹のコメント

力作でした!かける時間もさることながら、調査方法にも「もっとこうしたらいいのに」と思うところがなく、納得のいくものでした。

できた校歌はよく読むとなんか変なところがある(「立って輝く」? 「朝あかるく輝く」??)にもかかわらず、全体としてこの上なく校歌らしいという。校歌のイデアみたいなものが生まれていて、とてもおかしかったです。

ちょっと惜しいなと思ったところは頻出用語の説明のところ、どういう感じで登場していたのかの例がそれぞれあるといいと思いました。本物を出すことで、完成した校歌の「それっぽさ」がより引き立つと思うんですよね。

あとイラストが可愛いのは記事を書く上で圧倒的なアドバンテージなのでぜひ生かしていってください!

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古賀及子のコメント

おもしろかったです! やってることがまず面白いし、それがちゃんと面白く書いてありました。

>川はトップ10に入らないのか……意外だ。
>ここで大本命の山が!!!

このあたり、時間をかけて調べている人だからこそ熱くなって書けるワードがたくさんあったのが良かったです。ある程度予想を立てて調べてそれで結果を見ているので文の切れ味が上がるんですよね。

ランキングが上位になるにしたがって文のテンションが上がってるのも素直でよかったです。
あと、「山」のエピソード、普通に書いてあるけど普通じゃなくて笑いました。

すごく細かいところですが、後半の平均的な校歌の作り方のくだり、せっかくくだらないことを本気でやる肝の部分なので、着手の前にどうやって作るのかをざっとまとめてあると分かりやすくなりそうです。

「母校の校歌を品詞ごとに区切り、分類してランキング上位のワードを当て込んで行く」と最初に書くイメージです。

案外、説明しながら実行すると読者がついていきづらいんですよね。

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林雄司のコメント

こういうのって形態素解析のツールを使って…という技術の説明が始まりがちなんですが、そういうの一切なしの力技でいいですね。

代表的な校歌を作るところの説明がいまいち飲み込めなかったんだけど、品詞ごとにいちばんメジャーなものに置き換えていくってことでいいのかな。

さて、単語ごとの解説が勢いで書いたような文章なんですが、徐々にのってきて後半に行くにしたがって面白くなってますね。

> スマブラしかしてなかったよ。「子供はスマブラの子」に改めるべき。
> 僕の中学校は山の近くにあり、秋はよく熊が出ていた。
> 近所にある白湯かってくらい味のないスープのラーメン屋でさえ食べログ2.9あるのに……。

こういうエピソードで自分の話にもちこむのは大事です。おもしろいことを書ける人なので、前半部分ももう2回ぐらい見直したら冗談の密度が濃くなると思います。

 

【もう一息】【検証】VRで1ヶ月間卓球を猛練習したら実際に上手くなるのか

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[投稿者]めいとさん (めいとのぶろぐです
[コメント]VRコンテンツ、今キテます。おすすめです。

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石川大樹のコメント

こちらも長期にわたる力作。おもしろかったです。僕もかなり昔に「本だけでスポーツがうまくなるか」という記事を書いたのですが、その現代版だなと思いました。結果、しっかりうまくなっていた(しかもかなり!)のも爽快です。

前半の練習パートでさぼった日を強調しすぎかなと思いました(自虐や自己卑下はボリューム抑えないとくどくなりがち)が、終盤の走馬灯的なシーンが全部さぼってる絵なのはおかしかったです。あと本番のバックハンドのポーズは声出して笑ってしまいました。

「現実は視界が広い」「現実のラケットやピンポン球の解像度に素で驚きました」みたいな、自分しか言えない実感のこもった感想が書かれているのもよかったです。誰でも書けそうな言葉をできるだけ排して、自分だけの言葉を探っていくことが大事ですよね。

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古賀及子のコメント

おもしろかったです! それに丁寧に書いてあるな、ちゃんと読み手に親切をして読ませようとしているなと思わされました。冒頭のVRとはの部分がそうだし、進行しながらゲーム自体について過不足なく説明されてます。

明らかに上達しているのが伝わるので読み進めるうちにわくわくしてくる、本番の実践に対する期待値が上がっていくのは完全にエンタメでした。

24日目以降のラケットに愛着を持つことで上達を目指す展開も謎ですがとてもよかったです。寝かしつけだしたときは笑いました。

本番にちゃんと卓球のできる人を連れてきたのも、うまいこと友達にいた! ってことかなとも思いつつ、こういう段取りこそが実際の記事作りで一番大変なところであり、評価ポイントです!

 

Tips:注意したい笑い

自虐の話が出たので、それに関して少し書きます。(これはめいとさんの記事についてではなく一般論です!)

何も考えずに面白く書こうとすると、うっかり書いてしまいがちな笑いが何種類かあります。
・自虐や自己卑下
・下ネタ
・暴言や毒舌

3番目はともかく、上の2つは絶対ダメというわけではないんです。ですが危ないのは、書いただけで「面白いこと書いた!」って気持ちになっちゃうところです。3つとも、よく考えられたものであればちゃんと面白いんですよ。でもこの3つって、何も考えずに適当に書いただけで面白いこと書いたつもりになりがちです。世の中には面白い下ネタ・自虐・毒舌があるというだけで、すべての下ネタ・自虐・毒舌が面白いわけではない。

さらに、つまらないこれらは逆にネガティブな印象を与えるのでむしろ逆効果です。なので安易にこっちに逃げずに、ここぞという時だけ使う特殊技くらいに思っておくといいのではないかなと思います。

ではまた来週!

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