自由ポータルZ 2020年10月9日

今この世界には「2種類のCCレモン」が混在している~自由ポータルZ

こんにちは、編集部 石川です。

先日の18周年企画、みなさまお読みいただけましたでしょうか。「棒」というテーマのもとに18本、幅広い記事が集まりました。  素材も買った棒、拾った棒、作る棒、そしてジャンルも実験ネタ、写真ネタ、「やってみる」、などなど。

というわけで自由ポータルでも久しぶりにテーマ部門をやりたいと思います。コメントに「テーマ部門・棒」と書いてお送りください!期限は1か月、11/9までです!

自由ポータルZは毎週金曜日に更新の記事投稿コーナーです。読者の方が執筆した記事をご紹介しています。

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【入選】今この世界には「2種類のCCレモン」が混在している

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[投稿者]鬼谷さん (鬼note
[コメント]2種類のCCレモンを発見したので、その真相を調べました。

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古賀及子のコメント

おわー、すごい! おもしろかったです。明るく表裏のないイメージの大メーカーの超有名商品に謎めいたことがある、興奮しますね!

対象がCCレモンとポップなのでじわじわとねちっこく謎に迫るのが合ってました。バーコードが同じところの「戸籍上同じCCレモン」のように言い方で笑わせるのも上手です。

最後の余談が結構な情報量なのも調査の余地をまさか残す終わり方でふるえました。

起伏のある内容ですし、次なにか書くときは小見出しを入れるとテンポがついて内容についていきやすくなると思います~~! 

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石川大樹のコメント

おもしろかったです。調査もしっかりされてて良いのですが、そのまえに「よく気付いたな」というところですよね。こういう細かいところを見落とさずにしっかり気付ける視点を持っているのは、記事を書く上でとても重要かつ有利なスキルだと思います!

あとは結論にたどり着くまでのステップ、証拠を一つ一つ積み上げていってじわじわ詰めていく感じがすごくいいんですよね。ミステリー的というか。

10000字くらいあってちょっと長いので、内容、おもしろさともに減らさずに半分くらいにできないか推敲してみるとよい気がします。そんな無理難題…という感じですが、一度やってみて、自分が冗長になりがちなポイントの癖をつかんでおくと、次から書くときに意識できるので良いですよ。

 

【もう一息】何気なくカメラを向ければ、そこにはイオンがある

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[投稿者]おがわしゅうさん (おがわ収蔵館
[コメント]ふと気づけば、あの街にも、この街にもイオン。カメラを向ければ映り込む、風景の中のイオンと向き合いました。

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古賀及子のコメント

あっ……これは……良い……!

常連のおがわさんはかねてからジャスコやイオンについて言及されてきましたし、世間的にもジャスコ・イオンを語る流れは確かなものとしてあります。

今回はイオンを撮るネタ、イオンの撮影もまたひとつ文化としてすでにあり、ここに切り込むのは難しいんじゃないかと思ったのですが……くうう、そうか「遠景のイオン」か……!

完全に1本取られた、それがあったか! の良さです。遠景で撮るだけで企画としては確立していましたが、後半2つのイオンを1枚に撮る展開でばかばかしさが乗っかったのが良かったです。

せっかくなのでもう少し雰囲気に流されず文章がまとまるとよかったかなと思います。遠景、というところで写真だけで郷愁が出るので、バランスをとるように文章は遠景のイオンの良さをがっちりロジカルに解説しハウツーをまとめるような流れを作るのはどうでしょうか。

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石川大樹のコメント

あーいいですね、すごくいい。車社会の地方出身としては「遠くにジャスコが見えてくる」のは幼少期の体験として確かにあって、そこをくすぐられる…とともに、「バカでかい看板が市街地に立ってる」という風景自体の単純な面白みもあります。これはいいテーマでした!

あと2つのイオンを捉えるくだりも最高ですね。過去に人類の誰も抱かなかった目的意識だと思うのですが、「どうでもいいことやってる」という印象はなく、きっちりやり遂げた達成感がそこにはありました。

古賀と同じで説明が雰囲気に流れてるなという印象はありました。発端が「自分の原風景」っていうプライベートなものなので、きっちり説明して読者の共感をつかめるといいと思います。写真の良さを具体的に説明するか、具体的なエピソードで原風景を共有するか、などなど。

 

【もう一息】映画館のフードメニュー全部頼んでお腹いっぱいになる。

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[投稿者]カエサルさん (カエサル 文章 書く
[コメント]ポップコーン以外の映画館のフードメニューを知っていますか? それらをまとめて食べてみました。

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古賀及子のコメント

そもそも興味の強いテーマにもかかわらず、それに甘んじない冒頭の強引な流れの作りがすごい! 動機の説明でふざけられるのは才能の証です。

>やがて小説は直木賞をとって大ヒット、ドラマになり映画になり印税が1000000ドル入ったあなたは豪邸を構え……

ここ最高ですね。

全体的にきちっと笑わせにかかるのもみごとです。着席のくだり、全能感に包まれたと書いてありすが、そこをちゃんと分析して増幅させて可笑しみに変えていて丁寧に笑わせてますよね。

偶然観た流れの映画の内容とからめてるのも憎かったです。

もう一息の理由としては、せっかくの食べ物記事だったので写真が難しかったかなというところです。映画館に入る前に全貌の写真と、それぞれのメニューが押さえてあったら記事を編集するときに楽だったのではと思います。でもささいなことです!

 

【もう一息】米だけでエビフライ弁当を作る

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[投稿者]とりもちうずらさん (とりもちうずら
[コメント]米の可能性がひろがりました。米はたくさん食べても飽きないので、皆さんもよかったらやってみてください。

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石川大樹のコメント

お弁当ネタはデイリーでもさんざんやっているのでもう未開拓地は残っていないかと思われましたが、こんなところにフロンティアがあったとは。各メニュー、薄目で見ると完全にそのもので笑いました。特にハンバーグの再現度がすごい。

「視覚的栄養」みたいな、発見をキーワードにちゃんと落とし込んでいるところもいいですね。

ちょっと気になったところとしては、米に対するネガティブな気持ちが数回書かれているので、これは1回くらいに抑えるといいかなと思いました。自分が好きで勝手にやっていることなのでネガティブに書くと「やらなきゃいいのに」って印象になってしまうのと、あとは食べ物に対してネガティブに書くとどうしても読者に「無駄にしている」という気持ちが生まれてくるので。お弁当のシーン、「チャーハン風味でおいしい!」の布石になっているところは良いですね!

 

【もう一息】土下座の強要に勝ちたい!

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[投稿者]つりばんど岡村さん (日本海ぱんく通信
[コメント]誰にでも起こり得る、アスファルトの上でスライディング式の土下座を強要された場合にも、それが行える装置の検証です。

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林雄司のコメント

この記事、つらい状況を強気に書いている文がとてもいいんですよ。

「ご覧いただければわかるが、装置を付けても全く違和感がないのは嬉しい誤算だった。」
「理由はうまく説明できないが、あまり人に見られないように早朝6:00、某所にて、」

完全に強気だと、この人本気…?と不安になりますが、これぐらいわかりやすく虚勢をはると意識的なのが分かって安心します。それでいて照れるかっこ悪さもないし、うまい方法です。

あと、ゴーッという完成予想図もよいです。失敗した工作ほど完成予想図をかっこよくする。デイリーポータルZでもよく使う手です。

強いていえば、リードがちょっと長いかな。要らんことをするときはリードでやる理由を書くことが大事なんですが、この半分ぐらいでポップにおさめたいところです。

あと、ほかの文章がよくできているので、部屋に帰ってからの部分「なにやってんだよ俺は…」「落涙」にややクリシェっぽさを感じてしまいます。

もうひとふんばりしてオリジナルな表現にしたらパーフェクトです。

 

Tips:記事の長さについて

内容にもよるし文体にもよるので一概に何文字がいいとは全く言えないのですが、参考値として、デイリーで新人ライターとして書いてもらうときにはだいたい3000文字目安でお願いするようにしています。少ないようですが、写真を多めに入れると実はそこそこのボリュームです。

長さを意識しないで書くと、思いのたけをどんどん盛り込んで2万字!とか、わりとすぐ行っちゃうんですよね。なので「短く書く」「推敲のときに短く削る」は意識したほうが良いかと思います。鬼谷さんのコメントに書きましたが、自分が冗長になりがちなポイントを見つけるのも有効です。もちろん面白いところや表現を省いちゃうと本末転倒なので、不要なぜい肉をゴリゴリ落としていくイメージでいきましょう!

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