自由ポータルZ 2020年7月17日

ダクトで水ようかん・ベジマイトの漬物・地獄の抜歯~自由ポータルZ

こんにちは、編集部 石川です。

これは完全に自慢なのですが、生まれつき親知らずがありません。埋まってて生えてこないんじゃなくて、レントゲン撮っても最初からないんです。調べてみるとそんなに珍しいことではなく、3割くらいの人はないそうです。
抜くのはめちゃ大変という話も聞くので、前世で徳を積んだな…と思っています。

では今週の自由ポータルです。

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【入選】ダクトで水ようかんを作った

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[投稿者]3ykさん (note
[コメント]散歩の妄想を叶えました。

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古賀及子のコメント

ヒー、これは最高ですね……。

タイトルの時点でああこれは間違いないやつだと思いましたし、冒頭写真が完璧でした。
いきなり気持ちが分かる感じのテーマではあるんですが、手を抜かず前半きっちりダクトの良さを解説しているので読ませながら間口を広げる記事になっています。ダクト、あらためてかっこいいしすごい! と思わされました。からの「ダクトで水ようかん作りて〜」の急さもチャーミングで笑いました。

工作も器用なんですがただうまいことやるんじゃなくて

>わたしは無心になって楽しいなあと思えるのは最初の3分だけで

この辺、実感のこもったリアルな文章があってよかったです。常套句や一般的な心境に流されず、自分が撮影しながら感じたことがすくえていて読みごたえがありました。

終わり方まじかと思いましたがまとめ枠で無事が確認できてよかったです。

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石川大樹のコメント

いやーいいですね、丁寧な工作、きれいな写真、工作記事の新世代という感じです。あと作品にこだわりすぎていないというか、あくまで「ダクトで水ようかんを作る」行為が主役というのもよいです。
作る前にちゃんとダクト自体のでき方の研究から入っていますよね。こういう謎の情熱が記事を豊かなものにします!
とても良い記事だと思うのでさらに欲を言うと、まだ文章が淡々としているので、もっと面白くできるとよいかなと思います。冗談や軽口を入れてもいいし、古賀が言っている「実感のこもったリアルな文章」を増やしてもいいです。
あとGIFがコマ数少なく時間も短いので、もうちょっと見せてもいいかも。

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林雄司のコメント

ダクトがプラレールのような規格品だったというのが発見です。自由に組み合わせてみたいですね。
さて、うーん、ダクトの魅力と水ようかん、どっちかに絞ったほうがいいかもしれないですね。
ダクトはよく見るのにほとんど知られてないものなので、ここを膨らませれば1記事いけそうです。

でもそうするとちょっと地味な路上観察記事になってしまうかな。最後に好きすぎて水ようかんを作ってしまいました!
と、コンパクトに入れると締まった記事になると思います。(自分が作ってないから勝手なこと言いやがってとお思いでしょうが、編集者はそういうものです)。
水ようかんを作るときの苦労とか確かに入れたくなるのもわかるのですが。
路上観察趣味の人がアクセサリーとかモノに展開するパターンをやや見すぎているからかもしれません。

 

【入選】今こそマーマイトとベジマイトの違いに向き合おう、そして漬物を作ろう

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[投稿者]はっしーさん (JANDALS LIFE
[コメント]海外生活長いのに、いまだに違いがイマイチ理解できなかったベジマイトとマーマイト。しっかり違いを調べたらおいしい漬物ができました。日本の皆さんにも試してみてほしいです。

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古賀及子のコメント

ちょっと待ってくれ、ものすごくきれいで上等の記事ですねこれは。やや、文句ないです。面白かったです。

ベジマイトとマーマイトはいわゆる「海外の謎の食材」として有名なものですが、そういう新奇的な視点を軸足にしつつもちゃんと現地在住者として冷静な見方が合わさっているので情報力が圧倒的でした。

双方の違いを理解することについては、実は日本の読者にとってはあまり(言い方が難しいのですが)魅力的な情報とは言えないと思うんですよね、身近ではないから。それでも、ここまできれいに整理してあるとちゃんと興味深く読めます。

それに最後に野菜を漬けるというところで一気に欠落していた身近さが補完されて拍手! でした。冒頭のここ「そんな思いで行動したら、なぜか漬物が進化したというお話しです」や目次で最後に着地があることがちゃんと分かっているのもよかったです。

 

【入選】嗚呼、地獄の親知らず抜歯!!

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[投稿者]ちくわうしさん (GOGOちくわうし
[コメント]親知らずが8つに砕けた体験を記事にしました。抜歯が好きな人にも抜歯が嫌いな人にも読んでほしいです。

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石川大樹のコメント

今日の冒頭文はこれを読んで思い出したわけですが、あー親知らず、大変らしいですねーと他人事で読んでいたらどんどんひどいことになっていって笑いました。いや笑ってる時点でどこまでも他人事ですみませんが…。
全体にわかりにくいところはしっかり図が入っていたり、例えば痛みが「すげえ痛い」じゃなくてどんな痛みかしっかり説明されているとか、わかりやすさの点でサービス精神を感じる文章でした。
「少し奥の歯を強めの力で1分ほどグイグイやってみよう。政治や経済が頭から出ていくはずだ。」とか、急にギャルが出てきたり、表現も随所で凝っていて面白かったです。
全体に、エピソードの力に頼りきりにならないで、「ちゃんと面白く書こう」っていう気概を感じるんですよね。面白いだけでなく、頼もしい記事でした。

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林雄司のコメント

筆がのってておもしろいですね。


> 小学生の弟に「この問題わかんないんだけど……」と宿題を見せられたときの声だ。
> 「綺麗な指してたんだね」はJAYWALKの『何も言えなくて…夏』だったっけ……?

これぞエッセイという感じの文章でした。
テレビブロスに載ってたら、お、この人面白いな誰だ?と思って調べると思います。
アドバイスは特にないんですが、最後の謝辞や歯を大切にしましょうというあたりまえのことは書かなくていいです。
丁寧な気持ちや敬語ってキレが悪くなるんですよね。
個人の関係は保ちつつ、文章をおもしろくするために、デイリーの記事でも撮影時に「あなたのことをおもしろおかしく書くが気を悪くしないで欲しい」と断りを入れたりしています。(こういうのばらすのかっこわる~)

 

Tips:調べる

純粋なネタ記事だと調査って別に要らないのですが、とはいえ調べると記事に深みが出ます。
今日の3ykさんのダクトの記事が好例で、ダクトのでき方を調べてマネすることによって、「ただの見よう見まね」よりちょっといい感じになってますよね。うまくできればいい感じになりますし、これで失敗しても「しっかり調べてやったのに失敗した」というギャップにつながります。もし「適当にやってダメだった」だと、当たり前すぎて、ふーん…、って感じですよね。
工作に限らず、なんでも「一回じっくり調べる」っていうのは有効ですので、習慣にするとよいと思います。

とはいえ調べたことを例えば全部書いてしまうとまた余分になるので、あくまで自分の中にためて、面白くするための武器を増やす感じでしょうか。ここぞというところで繰り出す感じです。

ではまた来週!

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