自由ポータルZ 2019年10月11日

犬糞看板・今こそヤマザキショップ~自由ポータルZ

石川です。先日の17周年、名作カバー祭りはお読みいただけましたでしょうか。

自由ポータルでも、10月はテーマ部門「デイリーの過去記事カバー」を募集しております。

・デイリーの過去記事から好きなテーマを選んで、自分なりに書いてみてください。
・記事の最初の方にデイリーのカバーであることを注釈として書いて、元記事にリンクをはってください。
・本文では「デイリーではこうやっていたが…」みたいなことを書かずに、完全に自分のテーマとして書いてください。
・応募のとき、コメントにテーマ部門である旨書き添えてください。

募集期間は10月いっぱい。もちろんいつもどおりのオリジナル企画も募集しております!

今回の応募作を見てテーマ部門が1本もなかったので「あれ、空振りだったかな…」と思ったのですが、考えてみたらアナウンスしてからまだ1週間でした。

自由ポータルZは毎週金曜日に更新の記事投稿コーナーです。読者の方が執筆した記事をご紹介しています。

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【入選】大阪守口市にしかない犬糞看板を集めました

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[投稿者]パスカさん (ナンセンスダンス
[コメント]大阪の守口市に存在する謎の犬糞看板を集めまくりました。

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古賀及子のコメント

おもしろかったです。笑ったし、すごい記事でした。

これ、テーマである「犬糞一掃作戦実施中!!」看板が完全に虚無なんですよね。看板としての役割を一旦終えた感じでほとんど掲示物がなく使われていない。役割を果たしていないんです。3か月かけて36か所集めたそうなんですが、ほぼ全部虚無。もちろん「犬糞一掃作戦」というワードの強さがけん引する面白さというのはあるんですが、その虚無の中に見どころを見出してピックアップしてかいがいしくおもしろく紹介しているところに才気を感じました。

紹介がはじまってベスト10の1発目がとにかくすごい。横っ面張り倒されました。書き手のパスカさんはすごいものに風情を感じているのだなと嫉妬さえ感じます。

こんなに天才っぽい感性を発揮しながら、ベスト10まできりっと発表したあとは2ページ目からダイジェストにしている手堅めの編集力があるのも良かったです。

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石川大樹のコメント

いやーいいですね。1ページ目のコメントのキレ。「公園の半分が墓地という立地の良さでノミネート」にめちゃくちゃ笑ってしまいました。

これ、看板自体が大発見じゃないですか?こんな見捨てられた看板が町中にあるのって。それなのにその珍しさに全く負けてないコメントの力。最高でした。

しいて言うならですが、古賀の言うとおり2ページ目がダイジェストになってるのは僕も良いと思ったのですが、このあともうちょっと何かあるかな…?と思ったらそのまま終わっちゃったので、1ページ目の終わりでもうちょっとはっきり締めてもいいかもと思いました。興味がある人は2ページ目もどうぞ、くらいのテンションで。

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林雄司のコメント

同じものでもたくさん集めると細かいところに興奮できる、のお手本みたいな記事ですね。
犬糞看板という単語もつかみとしては十分!

ただ、どの看板も何も書いてないので、もともとどういう役割の看板だったのかがよく分からないんですよね。
看板だけを自治体が設置して、そこに市民が作品を自ら貼っていたのか、選ばれた作品が配布されて貼られていたのかとか。(1ページめに1枚だけ絵が残ってるのがありますが)
古くなって味わいを出している姿で突っ走る前にオーソドックスな説明があると嬉しいです。

あと路上観察ものの場合、写真を同じアングルで撮るとコレクション感が増しますよ。

 

【入選】今こそ!ヤマザキショップに行くべき5つの理由

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[投稿者]ヤマザキショップファン(おがわしゅう)さん (ナンセンスダンス
[コメント]コンビニのようでいてなんだか垢抜けない、時には敬遠されがちなチェーン「ヤマザキショップ(Yショップ)」。ヤマザキショップ巡りをライフワークとする筆者がヤマザキショップの楽しみ方を伝えます。

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石川大樹のコメント

これはもうライフワークの集大成という感じで、完全にコレクションの力ですね。
「ラインナップが個性的」で出てくるのが、まず鮎の塩焼きですよ。やわらかい酒の粕、店の半分が薬、もう続々。
ヤマザキショップってこんな店ばっかりなわけではないじゃないですか。むしろほんの一部です。でもこの記事にはこのレベルの大ネタがどんどん出てくるというのは、やっぱりストック量の強さです。
個人的にグッと来たのは最後の「ハードルの高い退廃的なお店やクセが強すぎるお店も多々ある」のところ、退廃的な象徴写真がしっかり載ってるんですよね。このレベルで素材がそろってるのはすごいです。

 

【もう一息】ちょっとビール買ってくるわ、アメリカで

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[投稿者]拙攻さん (つるんとしている
[コメント]え、お酒って海外から持ち帰っていいの?と疑問を持つ人もあろう。なに、簡単なことである。スーツケースを開ける。ビールを入れる。スーツケースを閉める。ほらね。キリンを冷蔵庫に入れるようにシンプルだ。

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石川大樹のコメント

ちょうどいい贅沢感と、冒険感と、お役立ち感。どれをとっても「すごく」ではないんですけど、すべてがちょうどいい塩梅の記事だと思いました。
でも1本の記事に3つもちょうどいいがあるなんて、素晴らしいことです!
そのちょうどいい感じがみごとにタイトルなってるんですよね。「ちょっとビール買ってくるわ」。このテンションの統一はバランス感覚だなーと思いました。
「うまいビールを手に入れたうえ、酒税が払えるなんて最高じゃないか」。こういうポジティブな感じも良いです。

しかし今回はもう一息…なぜなら、拙攻さんは次で5回目の入選、ひとまずのゴールということで我々の見る目がめちゃ厳しくなっているからです。
壁を越えてくる次回作、お待ちしております…!

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林雄司のコメント

ビールってこんなに持って帰れるのか!クラフトビール好きなので持って帰ればよかった。
さてビールの話ではなくブログのコメントです。
一見いいの?という行為だけど、手続きがしっかり書いてあるし、手続きの情報だけじゃなくて空港の人との会話もあるから無機的になってないですね。
記事は知らない人でもいいから他人が登場するとぐっと面白くなります。
面白さって意外性ってことだから、作品を面白くするためには意外なことに出会わないといけない。
いちばん手軽な意外は他人です。思わぬことを言ってくれます。

 

頭と最後でコントロール

最近思ったのですが、最初と最後に何を書くかで、記事の印象がコントロールできる気がします。

最初……(読んでる最中に)どんな記事だと思って読ませたいか

・内容がすごくよくても取っつきにくい記事ってありますよね。序盤だけでもとっつきやすくするといいです。
・最初だけでも写真多め、文字少な目で軽くしておくと「読みやすい記事かな?」と思って読んでもらえます。その印象はそこそこ引きずります。
最後……読後感をどうしたいか
・前にも書きましたが、最後にいい話を書くと読後感が「いい記事読んだな…」って感じになります
・わりとシリアスな記事でも、最後に冗談描いておくと「オチw」って感じの読後感になります。
・ここはTwitterとかで拡散されるときのコメントを左右するのでけっこう大事かも

思っただけであんまり試してないので、嘘だったらすみません(そんなTipsある!?)

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