大人の積み商品の本気をご覧ください
スーパーの子供の本コーナー。書籍をなぜに器用にX字型に積むのか
まず圧倒される。つづいてすごいよ…すごいよ! と、二度見して立ち止まって圧倒される。
次に冷静になる。商品で遊んでいいのか! その積んである商品を抜いたら壊れやしないのか!そもそも商品が抜けないしとれないじゃないか! …とも思う。
ラップが積まれている。ファミコンの絵のようなドット絵の美学のようにもみえる。
誰か抜いてる!
抜いて壊れたら大変だ。
自分で作ったものでなければ、自分の家でもない。公共の場でこれが壊れて散らばるようなことがあれば、人騒がせな事態は避けられない。
抜くなら絶対にミスできない。これほど責任感が伴う、デッドオアアライブのジェンガがあろうか。
遊び場にしたい、蹴りたい、もっと別の積み方をしたい、そんな子供もいそうだが…
驚くべきことに壊れない。
中国の子供は自由奔放だし、中国の犬もリードに繋がれてない。中国はフリーダムというか寛容なのだが、なぜか積み商品にはオーラがあるようで誰も触らない。悪ふざけをして壊そうとする人がいない。
どういうことだ。神々しい存在感ばかりか、神の加護まであるのか。
ワールドカップ時のビール売り場はこんな感じに。子供がけりかねない。
本屋も積む。なんでも積む。
スーパーだけではない。僕の知る限り、本屋にも大人の積み商品が陳列されている。多くの本が本棚に置かれ、また平積みされているなかで、その姿は異様だ。
そしてどんな本だろうと平等に大人の積み商品の対象となるようだ。次からの画像を見てほしい。
ジェンガ的に安心して取れる本もある初心者にも優しい積み商品。
子供の背丈ほどの辞書タワーが積まれている。上からの取りやすさを考慮した積み方だ。
螺旋のように本は積まれる。
中国の難しそうな政治の本だろうと、なんだろうと詰まれる。そこに格差はない。
で、なぜ積むんですか
スーパーでなくメーカーに雇われたおばさんが積んでいる
積んでいるのにはわけがある。
企業がここで販売を強化するというときに、メーカーの人が商品を多数投入し、売り子さんも何人も投入される。
こうした中でなんとしても商品を目立たせるべく、商品の数と人力をかけあわせて、積み商品を作ってしまおうというわけだ。
確かに目立たないところに店員の趣味で商品が積んでいるということはなく、目立つところに積んである。
確かに積んだほうが目立つ。目に入る。
この積み商品は思い思いにやるところもあるが、商品陳列のノウハウである「陳列法」にのっとったものが多いとのこと。
陳列法とは、お客は上下左右に視線を動かしながら店内を歩くため、どこから見ても目に付くような立体的なオブジェを作るべしというものだ。なるほど、螺旋スタイルや真ん中に穴が開いているスタイルやX形のスタイルは、どこからみてもすごさはわかる。これらは陳列法にのっとったものなのか。
まな板を売るのも、単に置くのではなく、らせん状に。
通路に対して斜めに配置しているのも訳があった。
物量で圧倒させる。斜面をつけてアクセント。
中国式目立ち術
中国でみかける高層ビルは個性的だ。印象に残ってほしいというビル主の願いがあるのかもしれない。
北京にある国営テレビ「中国中央電視台」の本社ビルは変わった作りの建物なんだけど、その外観をみたら、陳列法と同じじゃないかというふうに思えてきた。
目立つために斜めに生きていく。