

これがその発明です

冒頭から愚痴を言わせてもらいます。すみません。先に謝っておきます。では、いきます。
暑い。なんだこの暑さは。梅雨のじめじめした天気が終わったと思ったら、今度はこの暑さ。「暑い」。この一言には僕の怒りと、憎しみがこもっている。そんな愚痴の一言ひとことはとてもハイカロリーで、自分で言っておいて、よけいに暑苦しい気分にもなる。暑い。とにかく暑い。
って言ってみたものの、やっぱり文句では暑さは解決しない。そこで僕は新たな一歩を踏み出すつもりだ。発明で暑さに対抗するのだ。
※2008年7月に掲載された記事の写真画像を大きくして再掲載したものです。
暑い。なんだこの暑さは。梅雨のじめじめした天気が終わったと思ったら、今度はこの暑さ。「暑い」。この一言には僕の怒りと、憎しみがこもっている。そんな愚痴の一言ひとことはとてもハイカロリーで、自分で言っておいて、よけいに暑苦しい気分にもなる。暑い。とにかく暑い。
って言ってみたものの、やっぱり文句では暑さは解決しない。そこで僕は新たな一歩を踏み出すつもりだ。発明で暑さに対抗するのだ。
※2008年7月に掲載された記事の写真画像を大きくして再掲載したものです。

インターネットユーザー。電子工作でオリジナルの処刑器具を作ったり、辺境の国の変な音楽を集めたりしています。「技術力の低い人限定ロボコン(通称:ヘボコン)」主催者。1980年岐阜県生まれ。(動画インタビュー)
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水冷というソリューション
物を冷やしたいとき、水を使うのはいい考えだ。車ならエンジン周りに冷却水が入っているし、パソコンにも水冷式のパソコンがある。
ならば人間も水で冷やすことができるはずだ。水冷ウェアというものが作れないだろうか。あっ、もしかして僕は天才かもしれない。
ならば人間も水で冷やすことができるはずだ。水冷ウェアというものが作れないだろうか。あっ、もしかして僕は天才かもしれない。


僕の考えた未来の服

僕が考えた水冷服はこんな感じだ。タンクに冷たい水をためておく。水はポンプで汲み上げられて、チューブを通って全身をめぐる。そしてめぐり終わった水は、重力で再びポンプに戻る。
このときタンクの中に氷でも入れておけば、汲み上げられるころには水はまた冷え冷えで、ずっと冷たい水が体中を循環し続けるという寸法。もしかして大発明なのでは。そんな思いに僕はちいさく打ち震えた。
このときタンクの中に氷でも入れておけば、汲み上げられるころには水はまた冷え冷えで、ずっと冷たい水が体中を循環し続けるという寸法。もしかして大発明なのでは。そんな思いに僕はちいさく打ち震えた。


材料

興奮冷めやらぬままホームセンターに行った。そして途方にくれた。僕は工作のノウハウがほとんどない。水周りなんてなおさら。ポンプの選び方とか、水漏れしない方法とか、そういうのが一切わからない。
大発明に有頂天になってはしゃいでいたら、いつのまにかえらいところに踏み込んでいた。川遊びしてて中洲に取り残されてしまった人ってこんな気分だろうか。
よくわからないまま、想像力とフィーリングと値段の安さだけでそろえてみた材料が上の写真だ。不安でいっぱい。
大発明に有頂天になってはしゃいでいたら、いつのまにかえらいところに踏み込んでいた。川遊びしてて中洲に取り残されてしまった人ってこんな気分だろうか。
よくわからないまま、想像力とフィーリングと値段の安さだけでそろえてみた材料が上の写真だ。不安でいっぱい。

最初の一手から不器用
まずはポンプとタンクをつなげてみよう。ここはこの発明の心臓部なので、早めに完成させて安心しておきたい。
ポンプは電動の灯油用ポンプを使用。熱帯魚用のポンプもあったが、性能のことがまったくわからないので値段で決めてしまった。タンクはペットボトルでいいだろう。
ポンプは電動の灯油用ポンプを使用。熱帯魚用のポンプもあったが、性能のことがまったくわからないので値段で決めてしまった。タンクはペットボトルでいいだろう。


タンク用に買ったペットボトルにポンプが入らず

しかし開始2秒後にさっそく問題が発覚した。ペットボトルの口にポンプが入らない。なんて原始的なところでつまずき方だ。仕方がないので無理やり切り開いて突っ込むことにした。


口のところを切断して無理やりテープで貼り付ける。どう考えても水漏れ必至

この時点でもう「あきらめたほうがいいかもしれない」と思いはじめていた。しかし、このあとの出来事によって、なんだかあきらめることが許されないような雰囲気になってしまうのだ。

小学生が興味津々
この作業は近所の公園でやっている。水を使うので、部屋でやると水浸しになりそうだからだ。遊ぶ子供たちの声を聞きながら不器用な感じにモタモタやっていると、向こうから小学生くらいの女の子がやってきた。
小学生「なにしてるんですか?」
僕は全力で話しかけるなオーラを放っていたのに、小学生は汲んでくれなかった。「チューブでぐるぐる巻きになって涼しくなる」というアイデアをこの子供に説明しなければいけないのか。大発明のはずだったアイデアが、冷静に考えるとなんだか急に恥ずかしくなってきた。ここはうまくぼかしてごまかそう。
石川「工作。」
小学生「なに作ってるんですか?」
説明しなくていいようにあいまいに答えたのだが、相手は一向に空気を読もうとしない。こうなったら腹をくくる。
石川「これをこうやってつなげて(仕組みを説明)で、身体に巻いたら涼しいかと思って…。」
小学生「涼しくないと思う」
僕の大発明は15歳も年下の子供に一蹴された。そして次の瞬間、彼女は確かにこう言った。
小学生「仕事は何してるんですか?」
小学生「なにしてるんですか?」
僕は全力で話しかけるなオーラを放っていたのに、小学生は汲んでくれなかった。「チューブでぐるぐる巻きになって涼しくなる」というアイデアをこの子供に説明しなければいけないのか。大発明のはずだったアイデアが、冷静に考えるとなんだか急に恥ずかしくなってきた。ここはうまくぼかしてごまかそう。
石川「工作。」
小学生「なに作ってるんですか?」
説明しなくていいようにあいまいに答えたのだが、相手は一向に空気を読もうとしない。こうなったら腹をくくる。
石川「これをこうやってつなげて(仕組みを説明)で、身体に巻いたら涼しいかと思って…。」
小学生「涼しくないと思う」
僕の大発明は15歳も年下の子供に一蹴された。そして次の瞬間、彼女は確かにこう言った。
小学生「仕事は何してるんですか?」

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