アイスをすくう器具を手に入れた
さっそくだが見てほしい、アイスクリームディッシャーを手に入れたのだ。
その名の通りアイスクリームをすくうために生まれた器具である
握るたびにジャギ、ジャギと噛み合う音がして大変格好良い。こういう用途の狭い器具が好きだ。
さてこれを何に使おうか。この記録的猛暑、アイスクリームをすくうのもいいけれど、この愛すべき器具にもっと活路を見出したい。
そう思い製品の用途に目を向けると「ポテトサラダにも」と書いてあった。確かに半球のポテサラを居酒屋で見ることがある。これだ!ポテサラ以外にもおつまみをアイスクリーム型にしてやろう!というのが今回の趣旨である。
何を作るか考えるのが楽しい
さてじゃぁどんなメニューにしようか、と考える前準備がとても楽しかった。
ポテトサラダがいけるのならあれくらいの固さのものだったらすくえるのだろう。ペースト状のもの、おつまみになるもの…
まずメニューを”硬度”で選ぶことがはじめてだったのでそれがとても新鮮で、ひとりごとをつぶやきながらスーパーでカートを何周も走らせた。
わざわざ設計図まで書いたところからも筆者のワクワクが漏れ見える
さぁ半球おつまみを作るぞ
いくつかのスーパーを回ってうまく形になりそうなものを調達した。さっそくおつまみを用意していこう。
本当にうまくあの半球になるのか未知数だ、何せそんな用途で書かれたレシピがどこにもない。期待4割、不安6割といったところである。
と、はじめに伝えておきたいのはこの記事のメインは「料理を作る」ではなく「すくって盛る」ことだということ。なので既製品もどんどん頼っていきます。
我らが西友、お世話になります
グリーンのアイスをつくる
せっかくなので何品かは自分で用意してみよう。まずアボカドディップをつくる。あのペースト感ならうまくすくえそうだし、アボカドはおいしいから。
今回は粉砕するけど、穴にはアイスクリームを詰めると美味しいらしいです
滑らかにすればするだけ良いっぽい
木の棒しかなかったのでそれですり潰す。
ひとりで撮影をするとこういう作業の写真が撮りづらい。「右ひじからもう1本右腕が生えてくれ」と祈る気持ちで汗だくになり撮影をする。
手の数は今後の課題だ。
マヨネーズとレモン汁、塩胡椒で整える
普通にディップを作ったらゆるかったためアボカドを追加して調整した。これでアイスの形を保てるか…?こういう調整をできる点が手作りの利点だろう。
茶色いアイスをつくる
早く盛ってみたい、というはやる気持ちを抑えもう一品。コンビーフのペーストを作ろうと思う。
ニューコンミート(以下:コンビーフ)
コンビーフペーストと言いながら、手に入れたのはニューコンミートだ。馬肉を混ぜた廉価版コンビーフである。こんな種類があるなんて知らず思わず手に取った。日頃どれだれコンビーフに目を向けてなかったかを思い知る。
この記事ではこのハイブリッドな肉をコンビーフと言い張ることにします。安くてきっとおいしいから。
食べ物がこんな形をしてるのがそもそも楽しいと思う
すり潰して、クリームチーズ、玉ねぎ、塩胡椒を入れさらに混ぜる
玉ねぎ、過去に水にさらしただけでポテトサラダに入れたらめちゃくちゃ辛くて泣きながら一粒一粒避けて食べた思い出がある。今回は水にさらした上で電子レンジに入れ加熱した。せっかくなら美味しく食べたい。
おつまみ盛るならアイスクリームディッシャーで
さて、必要なパーツが揃ったのでいよいよ盛り付けである。まずはこれまで唯一実績のあるポテトサラダを盛ろう。頼むポテサラ!みんなの手本を見せてくれ!
袋にそのままディッシャーを突っ込んで
すくって…これがダメなら解散だ…
パカっと握る、緊張の瞬間
できた!?
できたのか!?できたと言えばできたが、粗いと言われれば粗い。まぁでもこんなアイスもありますよね。あるある、素材感を売りにするやつ。初回だし、75点くらいはあげてもいいだろう。
もっと粒を細かくした方がいいんだろうな、その点では次のかぼちゃサラダはより滑らかなので期待できそうだ。
早くも100点が出る
というわけでかぼちゃサラダ(おつまみ度は低いが)。ひとつくらいは綺麗なのできるのといいなと思っていたけれど、その”綺麗なの”がさっそく出た。
すくった時点でさっきより手応えがある
なんというか、ディッシャーの球部分にうまく入り込んでいる感じがあるのだ。その直感は当たった。
できたー!
これには思わず「できたー!」と声が出てしまった。いきなり100点が出たのだ。形も綺麗だし色も大変に可愛い。これはもうサーティーワンだ。秋限定メニューである。
こうなると後ろのポテトサラダがもう山にしか見えなくなってきた。しまったな、75点もあげてしまった。
大変盛り上がってまいりました。わかるだろうか、筆者はいまだいぶ盛り上がっている。
やっぱりうまくできると嬉しいな、このままの勢いでアボカドディップを盛り付けしよう。
かっわいい
これもまたうまくいった。パステルに近いグリーンが爽やかな春の新色だ。
そしてここにブラックペッパーをふりかけると、
チョコミントアイス!
ご覧ください、チョコミントアイスができた。おれにはそう見える。
どんどん行くぞ
もう失敗する気がしないぜ、という気持ちでコンビーフを詰める。みじん切りの玉ねぎが少し粗いがどうか。
どーん
チョコナッツアイスだ。どうだろう、眼鏡をかけているひとは一旦外して、裸眼のひとは一旦数メートル離れてこの写真を見てほしい。
チョコナッツアイスだ。
アイスたちが揃ったのでトーストしたバゲットを添えたらプレートの完成である。
逆時計回りにチョコナッツ、チョコミント、オレンジ、バニラ、に見えるおつまみ
不器用なりに頑張って盛り付けた。パーティなどでこれが出てきたらちょっと嬉しいのではないか。
おつまみであるからして、隣にビールなどを置かねばならない
これはあくまで撮影用のビールだ。撮影のためなのでコップにビールを注がなくてはいけない。仕方ないなー。
ふつうにおいしい
ちなみにコンビーフのペーストが抜群に美味しかった。アボカドディップの青臭さと酸味も気持ちがいい。バゲットが進む進む。
ビールでもいいし、ワインでも合うだろうな。
いやー
撮影のためだからなー
一口だけです、仕方がないのです。
エンジンがかかってきたのでもう一皿作ってみよう、次はもう少し和のテイストを入れてみるぞ。
ついでにもう一皿
次に目指すは日本酒にあう一皿。まずは海鮮系屈指のペースト、ねぎトロを召喚した。
夕飯はこのねぎトロとアボカドで丼にした
スプーンなどで上から押してならすとうまく形ができることがわかってきた。外す際はできるだけ手元がぶれないよう、かつ水平に保つこと。ノウハウが蓄積されてゆく。
キラッキラ
蓄積されたノウハウにより宝石みたいなのができた。アイスクリームというよりジェラートだろうか。おつまみ界のブラッドオレンジジェラートだ。
続けて一番不安な豆腐
今まではペースト状のものだったので、ここまで形がしっかりしているものがすくえるのか不安があるが…
あっ、セーフセーフ
あー、なんとかなった!柔らかさゆえに自重でつぶれてしまっているがそこも含めてかわいい。多分しゃべったらのんびりしてるタイプのおつまみだ。
甘いソース(に見えるもの)をかけて
で、ここにごまドレッシングをかけると、キャラメルソースがけミルクアイスの完成だ。
この写真だけ見たらスイーツにしか見えないんじゃなかろうか。横で言い訳できないくらいねぎがふりかかっているジェラートがいるけれど。
豆腐の採掘跡
手元には今まで豆腐を扱っていて見たことのない痕跡が残った。隕石が落ちたみたいだが、豆腐をごまわさびドレッシングで食べようとしただけだ。
味噌はどうしようか
「アイスディッシャーを味噌の計量に使うと良い」という話も聞いたので、味噌でも一品用意しようと思う。そのまますくってきゅうりなどを食べるのでもいいけど、たまごと和えるとおつまみになるらしいので挑戦してみる。
たまご、味噌、酒、砂糖。焦げ付かないよう混ぜながら湯煎する。今回唯一火を使った瞬間
おーん?
これが、多分おれの作り方が悪かったのだろうけど見た目もポロポロで味もしっくりこなかった。手間が報われないこともあるものだ、そのままきゅうりつけて食べればよかった。まあそんなこともある、というよりよくここまでこんな順調に進んでいる。
おれのなかのコールドストーン
気を取り直してそして最後にもう一品、先ほどコンビーフのペーストでも使ったクリームチーズである。ここまで来ると感覚でわかる。クリームチーズは”いける”やつだ。
「やわらかくぬりやすい」って書いてあるし
どん!ほら!
つやつやの綺麗な半球ができた!最後の最後でかなり完成度の高い出来栄えである。一方、後ろの方で豆腐がさらに潰れかけている。まずい、急げ急げ。
さぁこれをどうしようか。クリームチーズと日本酒で調べたら酒盗と合わせるといいというレシピを見かけた、うまいだろう、それはうまい。とはいえちょっと値が張るので家にあるもので簡単に。
で、かつおぶしと黒胡椒をかけた。個人的にはいぶりがっこと合わせるのが好きです
綺麗な丸は隠れてしまったが、意外とおしゃれさは増したのではないだろうか。勘で言うけど、コールドストーンにこれが混ざっていてもすぐには気づかれないだろう。店員さんたちが歌いながらチーズとおかかを石の上で混ぜてくれる。
おつまみを混ぜるときだけ歌のテイストが変わる。Gotta Have itである
色合いが少なかったので先ほどのアボカドディップもお邪魔します
アボカド、全く同じ登場のさせ方もなんなので「プリッツを刺すとアイスクリームらしさが増す」という豆知識をここで披露させたいと思う。アイスおつまみ、食感が犠牲になりがちなので口当たりの面でもプリッツの歯ごたえは嬉しい。
というわけでこちらも完成!
ちなみにこの皿では撮影用に日本酒をセットした。撮影のためなので仕方がないのだ。
宇宙おつまみの作り方
さて、ここで終わりにしても良いのだけど、以前鏡に半球のチャーハンを乗せて全球にした記事、宇宙
チャーハン>と同じことができそうだなと思ったので最後に挑戦したい。
捨てずにとっておくものですね、鏡
やっぱり浮いた!
最初は75点だったポテトサラダ、つぶして滑らかにしたら綺麗にできた。いや、そんなことより浮いてる話だ。浮いていますよね。さらにかぼちゃサラダとコンビーフも並べて、
やったー!
いいぞいいぞ!
かわいくておいしくてさらに球である。これはすごいものを生み出してしまった。さあさあ、おれが冷静になる前に宇宙を用意しよう。
1年ぶりにこの部屋に宇宙が現れた
宇宙の画像を大きく引き伸ばしただけだけど、いつも住んでる部屋の壁に宇宙があると思うと身が引き締まる。で、ここにおつまみたちを持ってきて写真を撮ると…
おつまみ3連星だ!
はい、やりたいこと全部できたのでこの記事はここまでです。ありがとうございました。
とても楽しかった
他にもツナマヨや煮こごりなんかでも試してみたかったが、ツナマヨはすっかり作るのを忘れ、煮こごりは売っている店が近所では見当たらなかった。
それにしても、アイス風おつまみ、用意する側も楽しいし、振舞われてもちょっと盛り上がるのではないだろうか。近々なんらかのパーティーのある方はぜひ挑戦してみてほしい。いいメニュー思いついたら教えてください。