三人の構図を研究する。撮影も含めて三人。
構図を研究するも気温35℃
二子玉川の河原に集まった筆者とデイリーポータルZ編集部の安藤さんと藤原くん。発端となったCMの構図を確認しながら撮影の位置を決める。
何度かの調整があってわかったことは
・低いところから撮って背景を空にする
・望遠気味で撮って後ろの人間はできたらぼかす
・画面の外側を向く
などがコツであった。これを守ることで「三人の構図」というものが出来上がるはず。
ためしにやってみよう。まずは水である。
ラベルをはがした水。こうしたものを見て人は「おいしそうだな」と思うのだろうか。そこで三人の構図である。
こ、これは…!!
でかした! このでかした三人が飲んでいるものはちゃんとおいしそうだ。
あっぱれである。背景に水しぶきを入れてみよう。ますます広告のようだ
水と書いてみてもいい。よくわからないが、この人達は水をすっごく訴えてるなという一枚になった。
音も入れてみよう。これだけでもはやCMである
肯定的な印象を与える
水がうまそうだし、なんだか楽しそうな三人である。仲が良さそうだしチームワークがよさそう。水を同タイミングで飲むなんてことはないのだから奇跡的な三人だとも言える。
総じてポジティブな印象があるのでこれは効果がありそうだ。水でなく食べ物でもそうなんだろうか。
土を背景にしたおにぎり。こういうものを見て人はおいしそうとは思わないが…
おにぎりを…
食べる! おにぎりのCMがあるとしたらこうかもしれない。これが格段おいしそうというわけでもないが「なんか楽しそうにやってるな」というちょっとしたよさがある。
おいしさではないかもだが楽しそうだ
続いておにぎりをせーので食べてみた。おいしそう!という印象を与えたいなら、笑顔がすてきなお相撲さんにおにぎり頬張ってもらうのがいいだろう。しかしさわやかであるしみんなで楽しそうにやってる。総じてポジティブな存在であるおにぎりが今、特にポジティブである。
写真を眺めてるうちに「なんかよかったな」と思って思い出のアルバムにしまいたくなった。全く何もしていないが。
さて、飲み物食べ物をせーので摂取することで良い効果が見られるのはわかったが他の商品ではどうなのだろうか。百均で適当に買ってきたもので試してみた。
百均でこんなものでもよく見えるのかなという商品を買ってきた
たとえば歯ブラシである
歯ブラシのCM!みたいな感じは出てきている。なんか楽しそうだなとは見えるのだが、脳を機械に改造されたキャンプの朝でかれこれもう3時間くらいこのままだと言われたらそう見えなくもない。
ティッシュはどうなんだろうか、せーのでめいめいに
バビッ。こんなにも同じタイミングで鼻をかむ人がいるのだろうか。楽しそうではあるが、実際に起こりえないことに「ウソだろ」という疑念が高まる。商品にも向き不向きがあるのかもしれない。
これは冷却ジェルシートを頭に貼り付けた大人たち。たしかによく効いてるんだなという気はするが、頭が悪そうな気がしてしまうのはなぜだろうか。熱中症が心配である
クラッカーのCMがもしあるとしたなら正しいのだろう。しかし人間としてのスケールの小ささが際立ってきた。
百均になぜか給料袋が売られていたので試してみた
一斉に覗き込んだ図。
一斉にくずれ落ちる図。中に葉っぱとか入ってそうな三人である。三ヶ月連続の葉っぱが確定。しかし楽しそうさはある。ネガティブな感情もせーのでめいめいにやるとなにか祝祭性みたいなものが宿る。
あんまりふだん注目しないものを買ってきた
お、これはすごい。なんだかよくわからない物が便利そうな物に見える。しかし物が何かを知ってると、三人の知性のなさが際立つ。このあと虫取り網持ってセミとりに行きそうな感じがある
カラーセロハン。食べものとちがってこれといった用途がないものであるが
一体なにが悪かったのかは検証が必要だが、まずいことになってしまった。お母さんに迎えに来てもらわなければこの三人は帰れないだろう。
針金ハンガーを買ってきてみたのだが
何をすればいいのかわからなくなって頭にはめることにした。ハンガーを頭にはめると
徐々に頭が回転して
こういうことになる。この三人には「おう、そうだな」という言葉をかける以外に特にない。お母さんにはもう迎えに来るように言ってある
CMがやってることには理由がある
基本的にはどれも「楽しそうだな」という印象ではあった。それが飲み物になると「おいしそうだな」であるし商品になると「便利そうだな」となるものもあった。
実際にはこんなこと起こりそうもないのになんとなく楽しそうだなで流してしまう私達の脳のいいかげんさ。その隙きを狙ってこの三人はカラーセロハンを見てくる。
ライターからのお知らせ
なぜか舞台を作演出してまして、60分ずっとラストシーンをやる舞台を水曜からやります。これもおおむねバカな感じになってます。
昇悟と純子『ラストシーン』
日時:
7/25(水)19:30★
7/26(木)14:00★/19:30★
7/27(金)19:30★
7/28(土)14:00/19:00★
7/29(日)14:00(★回はアフタートークあり)
会場:SCOOL(三鷹)
料金:前売2,500円 当日3,000円(日程変更は空席あれば受付ます)
https://t.livepocket.jp/t/lastscene
デザインは大伴亮介さん(書き出し小説の常連でもあります)