特集 2018年7月8日

悪魔の兵器・すね毛剥がしマシン開発日誌(デジタルリマスター版)

現代によみがえる悪夢の兵器
現代によみがえる悪夢の兵器
「すね毛を剥がす」というのは人類の歴史上もっとも古典的な拷問法で、その記録は古代メソポタミア文明までさかのぼるそうだ。

2010年12月に掲載された記事の写真画像を大きくして再掲載したものです。
インターネットユーザー。電子工作でオリジナルの処刑器具を作ったり、辺境の国の変な音楽を集めたりしています。「技術力の低い人限定ロボコン(通称:ヘボコン)」主催者。1980年岐阜県生まれ。(動画インタビュー)

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すね毛剥がしプロジェクト

というのは嘘で(いやもしかしたら本当かもしれないが調べてもいない)、ここでさかのぼるのはたったの1ヵ月半である。

当サイトのustream企画で「すね毛グルーポン」という企画が行われた。(この記事の初出は2010年12月です)視聴者が増えると、ドアストッパーを使った即席すね毛剥がし機が発動、出演者のすね毛がガッツリ抜かれる、という恐ろしい企画であった。
その日の配信のようす
その日の配信のようす
その後の打ち合わせで、ウェブマスター林さんが「あれ定番企画にしたいよねー、ちゃんとした機械があるといいよねー」と言った。

そこで「そのプロジェクト、僕に任せてください!」と若い頃の島耕作ばりに(すいません読んだことないです。憶測。)手を挙げたのが僕である。

さっそく材料を買ってきた。
材料
材料

テコを使用した新しい脱毛法

すね毛はがしにはテコの原理を使う。子供のころ近所の公園のシーソーでよく遊んだが、30歳になって同じ原理ですね毛をむしることになるとは、人生何があるかわからないものだ。

準備したのはテコになるパイプと、土台になるすのこ。ペットボトルは作業中の水分補給のため、ではなく、おもり用だ。

さっそくテコの部分から作っていく。
設計図を書いてないので、だいたいこのくらいかなーと勘で切る(いちおうペットボトルの長さと比べたりしている)
設計図を書いてないので、だいたいこのくらいかなーと勘で切る(いちおうペットボトルの長さと比べたりしている)
先日の記事を見てその日に買いにいったパイプカッター。パイプがスルスル切れる。これはすごい!全員買え!
先日の記事を見てその日に買いにいったパイプカッター。パイプがスルスル切れる。これはすごい!全員買え!
と言った次の瞬間には手が疲れて変な姿勢になっている
と言った次の瞬間には手が疲れて変な姿勢になっている
新しい工具を買うたびに「これさえあればなんでも作れるな」と万能感に酔いしれる。作品ができあがる頃にはだいたい現実を目の当たりにするのだが。

いい具合の長さに切れたパイプを、ジョイントで接続します。
できました
できました
上の写真、ちょっと横目で撮ったことによって女性誌のモデルみたいになったなー、と思ったのだがたぶん誰も同意してくれないだろうしイラッとした人すらいると思うのであまり強くは言いません。
ネジを通してシーソーに
ネジを通してシーソーに
さらに支柱もつけます
さらに支柱もつけます
支柱をすのこに固定すれば…
支柱をすのこに固定すれば…
「私が作りました」
「私が作りました」
すのこと塩ビパイプでシーソーが完成した。これがマシーンの動作部分である。

ここまでくれば徐々に全体像が見えてくる。改めて図で説明すると、すね毛剥がしマシーン、こんなしくみだ。
キャプション!
テコの片側におもりがぶら下がっている。おもりと逆側の先からはヒモがでていて、すねに貼ったガムテープに繋がっている。

テコを止めているストッパーを外すと、テコが回転してヒモを引っ張り、すね毛がビシッ!と抜ける。シンプルかつダイナミックなしくみだ。
しかもこのでかさである。フルスイングすると思うと恐い
しかもこのでかさである。フルスイングすると思うと恐い

作業中盤、すでに山積みの反省点

ところでここまで順調に作ってきたかのように書いているが、なにぶん不器用な僕である。ここまでで4時間くらいかかった。

数々犯してきた失敗の一部をご紹介します。
2本の支柱の長さが違う→長い方を切る→切りすぎて短く→長い方を切る→…(※4回繰り返し)
2本の支柱の長さが違う→長い方を切る→切りすぎて短く→長い方を切る→…(※4回繰り返し)
ネジが長い
ネジが長い
構造物を作るのは大変だな。正確に長さを測ったりしなきゃいけないんだ。途中でそれに気づいたが、それでも最後までかたくなに定規・メジャー等を使わずに作った自分。その腰の入った怠惰ぶりは賞賛に値すると思う。
同じ高さに2本のネジを貫通させようとして、真ん中で衝突
同じ高さに2本のネジを貫通させようとして、真ん中で衝突
これに至っては正確さの問題ではなく、「頭が悪い」とかそういう話である。

まわりに工作が得意な人がいっぱいいるのでなんとなく自分もできるようになった気になっていたのだが、そういうオセロみたいなことはないのだ。作業も中盤に差し掛かってから目が覚めた。
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手榴弾式スイッチ

1ページ目でいきなり反省会に入ってしまったが、作業はまだ続いている。

もう1本、テコを留めるストッパーをつけるための、柱を立てる。
立てました
立てました
ここでも木ねじを打った木が割れたりしたのだが、この記事の主旨は不器用自慢ではないので詳しくは書かないでおく。

ここからちょっと賢そうなことをするのだ。
斜めに穴を開ける
斜めに穴を開ける
ここでも斜め方向に力を入れたらドリルの刃が折れてはじけ飛んだりしたのだが、この記事の主旨は不器用自慢では…まあいいや、とにかく斜めに穴を開けた。
ドリルのドライバーに、ヒモをつけてピンに
ドリルのドライバーに、ヒモをつけてピンに
ピンでテコを固定。暗くて見づらいですが、テコ役のパイプまで貫通してます
ピンでテコを固定。暗くて見づらいですが、テコ役のパイプまで貫通してます
これでヒモを引っ張れば、ピンが抜けてテコが動き出す。穴を斜めにしたのは、マシンの正面方向から引っ張ってスムーズに抜けるようにするため(ここが賢いところ)。

ピン式のスイッチは手榴弾のそれに似ていて、なんだか破壊力がありそうだ。これで、マシンはとりあえず動作するはずだ。
約5時間の成果
約5時間の成果

プロトタイプ01

さっそく試運転。テコにおもりのペットボトルをぶら下げ、隣の部屋からイスを運んでくる。そして、いすに座っておもむろにジーンズをまくり上げ…。

後のようすは動画で見ていただこう。
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まさに「剥がし」マシーン

23本。日本の首都であり、人口1300万人を越えるメトロポリス・東京の区の数と同じである。

…表現に凝りすぎて多いのか少ないのかよくわからなくなってしまった。体験者として、もっと直感的な感想をお伝えしよう。「多いよ!」

正直、痛いというよりも、びっくりした。確かに痛い。痛いのだけど、予想していた、毛を引っ張られるような痛さとはちょっと違っていたのだ。例えるなら、皮をベリッと一枚はがされた感じである。この記事のタイトル、毛は「抜く」ものだから「すね毛『剥がし』マシーン」という日本語はおかしいのでは、と思っていたのだが、まさに「剥がし」という言葉がぴったりだと思った。

あと機械がでかく、そしてダイナミックに動くので、不必要に迫力がある。ハッタリだけで怖いのだ。そのうえ、中身(威力)も伴っている…。

なんにせよ、恐ろしいものを作ってしまった…。

しかし反省はしない

ところが、マシンはこれで完成ではない。

マシン制作に志願した僕、本当にやりたかったのはこの先である。
電子工作します
電子工作します
最近当サイトで妙にはやっている電子工作。すね毛剥がしにも取り入れてみたかったのだ。

罰ゲームとテクノロジーの融合。私たちの夢見た21世紀がそこにはある!
できた。マウスオーバーで動きます
すいません、技術的な話は割愛しました。だって、みんなが見たいのはプログラミングの話じゃなくてバカがすね毛抜かれてる姿でしょう。わかってます。お任せください。あと2回ありますから。

その前に、設置のところだけ紹介します。
支柱を少し短くして
支柱を少し短くして
そのうえにモーターを乗っけることにしました。
そのうえにモーターを乗っけることにしました。
ネジ止めしたいのですが
ネジ止めしたいのですが
ナットをはめるための指が入らず
ナットをはめるための指が入らず
電子工作がスムーズにいき、なーんだ俺って意外とデキルじゃない、と思った矢先にこうなった。さっそく本日2回目の反省会を盛大に開催。
モーターを乗せる前にウラからネジ入れて、外でナットを締めた
モーターを乗せる前にウラからネジ入れて、外でナットを締めた
工夫してうまく解決したように見えるが、結局ナットのサイズが小さめであんまり固定できず、最後はワイヤーでぐるぐる巻きにして解決した。結局は力技ですよね。
このように、バッチリ固定できてます
このように、バッチリ固定できてます
電池とか基板も全部ネジ止めのはずだったのに、パイプ内部へのアクセス方法がないことから針金に切り替え
電池とか基板も全部ネジ止めのはずだったのに、パイプ内部へのアクセス方法がないことから針金に切り替え
なんとか、必要な部品はすべて固定できた。
できちゃった
できちゃった

プロトタイプ02

できた。できてしまった。ので、動作確認をせねばならない…。

いままでいくつかの工作系記事を書いてきたが、完成に近づくにつれてどんどん憂鬱になってくるパターンは初めてである。しかしこういうときに限って、作業は着々と成功に向かっていくのだ。

というわけで、第2回、テスト運転の時間がやってまいりました。
2回目なのでやや減少、20本
2回目なのでやや減少、20本
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怖い

2度目ということもあって初回に感じたような驚きや意外性はなく、純粋に痛みだけを感じることができた。「できた」って書くとポジティブみたいだけど、そんなことないです。「ただ痛いだけ」なんですよ要は。

あとは痛みを知ってしまったことによる恐怖。すね毛を剥かれるのも辛いが、「もうすぐすね毛を剥かれる」という状況の方が辛い。スタンバイ状態のまま2時間放置されたら、発狂すると思う。

すね毛剥がしオンライン

ところで、このサイトの運営元はニフティ株式会社というところで、インターネットの会社である。

最近はテレビなんかも標準でネットにつながるようになっているし、すね毛剥がしマシーンもネット接続すべきですよね。
しました。
しました。
ネットに繋がったことより写真の部屋の散らかりぶりの方が驚きだが、色々やってるうちに夜中を過ぎてなりふり構ってられなくなってきたのでご容赦ください。とにかく、我らがすね毛剥がし機はネットに繋がったのだ。
弊社ではお客様に快適にすね毛をはがしていただくため、このような仕組みを採用いたしました
弊社ではお客様に快適にすね毛をはがしていただくため、このような仕組みを採用いたしました
超適当に作ったスマートフォン用の仮サイト
超適当に作ったスマートフォン用の仮サイト
ネット経由で、すね毛が剥がせる時代。

なんていうか、完全にディストピアである。

完成版

さあ、これが最後の動作検証だ。憂鬱ではあるが、これですべてが終わると思えばすがすがしくもある。
「最後だからちょっと派手にやるか」と思いテープを長めに切った結果、粘着力が強くなり、一気にはがれなかった。

そのため長時間かけてメリメリと剥がされることに。たかが十秒ほどの間だが、歯ぎしり&身もだえするほど辛かった。本当に恐ろしいものを作ってしまった…。
悲痛な16本
悲痛な16本

恐ろしいものを生み出してしまった

というわけで、工作は稚拙ながらも機能的には十分。装置としての完成度はけっこう高いと思う。ただし用途はほんとうに残虐。
今はただ、「俺はこの世に恐ろしいものを生み出してしまったのだ…」 という後悔の念にさいなまれながら、この原稿を書いている。このマシンは次回以降のustreamで活躍する予定ですので、ボタンひとつで人のすね毛を抜きたいサディストの方はぜひ放送予定をチェックしてください。
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