でかいワイシャツを着てみる
会社員をやっているので毎日、ワイシャツを着ている。普段着ているのが4Lだ。いつの頃からだろうか、Lが2Lになり、そのうち3Lへとなっていった。そして、今では4Lでないと着られないほどもりもり食べて育った。飽食の時代なのでしかたない。
今回、大きいサイズがある洋服屋サカゼンで「一番でかいワイシャツをください」と伝えて買ってきた。
普通のサイズに見えるかもしれない。
でも8Lである。
9Lや10Lもお店によってはあるらしいが「多分置いてないでしょう」とのことだ。なぜなら「需要がないんですよね。置いていても売れないんで。」
「へー、売れないんですか?」と聞いたら「全然売れないです!もう全然です。」と強い気持ちで伝えてくれたのでこれからも安心してサカゼンに行こうと思う。
取り寄せなどすれば、10Lまで買えるそうだ。ネットなら確実に買える。
普段着ている8倍の大きさである8L。どれほどでかいのか、そしてかわいくなるのか。
心霊写真?
腕を下ろすと袖が長いため、手が出ずにダラッとしてかわいくなると思った。しかし、実際は手が出てないだけで、心霊写真のようになる。腕の心配をして、思わずして見てしまった。この後、腕を蚊に刺された。
この後、もっと腕をダラッとすればかわいくなると思って色々とやっていた。
マンガだとワイシャツを着ていて、全身を隠す格好がある。きっとその格好をすればかわいくなるのでないか。やってみよう。
ズボンを脱いでしまったら終わる気がしたのでめくった。
自宅の玄関にこの人が立っていたら怖すぎるな。
世間では「かわいいは作れる!」と言っていたが、全然作れなかった。そして作っていないはずの恐怖がやってきた。クールな人、ユーモアがある人など特徴を分類する言葉は色々あるが、これは変態な人だ。
近所の人に見つかってしまったので終わりです。
でかい服でコーディネートするとかわいくなるのでは?
ワイシャツはダメだった。しかし、全身をでかい服でコーディネートしてみるのはどうだろうか。「おしゃれ」で服を買うのではなく「でかさ」で服を選んでみるのだ。大は小を兼ねると言うのできっと大丈夫だろう。
今度は10LのTシャツを買おうと思ってやってきた。ちなみにサカゼンではサイズ表記にXというオリジナル表記を使う。X5が最大。
近くのサカゼンに行ったが、Yシャツと同じく10Lはないと言う。やはり、需要がないため置いていないらしい。しかし、接客してくれた店員さんが「新宿や渋谷のサカゼンならあるかもしれません。店舗が大きいのできっとあると思います」と教えてくれた。
店員さんは昔、新宿店で働いていたそうでそのときに小柄な人が大きいサイズの服を買っていくことがあったそうだ。
「サイズを合わない服を買っていくので尋ねたら、芝居で使うと言っていましたね。それからかなりの割合で大きい服を買って行く人が何人かいました。」
都内の店舗にはありそうだ。急いで渋谷のサカゼンに行ってみる。
渋谷のサカゼンにはでかいジーンズが飾ってある。
ジーンズとの撮影コーナーもあった。インスタ映えだ。
「一番大きいサイズの服をください」と伝え、色々と買った。まずは買ったものを紹介しようと思う。
まずは柄のシャツ。
だいたい9Lである。10Lはないらしい。(X4はサカゼンのオリジナル表記で一般的な8L~9Lである。)
少しおしゃれなデザインの服だと10Lのサイズはほとんど置いてないそうだ。お店で買える最大は9Lなので、皆さん、太ったときのために覚えておいてほしい。
ちなみに無地のTシャツも10Lはほとんどないそうです。
9Lの服しかないのか、諦めかけたそのとき10Lの服が見つかった。
10Lの服である。(サカゼンのX5サイズは一般的な10Lのサイズです。)
X5こと10Lはサカゼンの中で一番大きいサイズの服である。
一般的な10Lと書いたが、10Lのサイズなんて一般的じゃないことに気づいた。サカゼンの本気サイズである。
10Lの服は袖なしでした。
10Lの服は袖のなかった。「これしかないですか?」と聞いたが、苦い笑顔を店員は見せてきたので「あ、買います!」と言って買った。
実際に着てみる
9LのTシャツに10Lの服を重ね着してみる。
ダボダボだが、着心地はとてもいい。
服の素材もあるが風通しがよくなり、締め付けがないため、とても快適だ。
でもこういう人、原宿の路地裏にいそうだ。もしくは近所のおばさん。
思っていた以上にかっこいい。バンドマンにも見えるが、婦人服売り場にもいそう。
ただ、ジーンズを脱ぐと近寄りがたい雰囲気が出る。(一応、下にハーフパンツをはいてます。)
下まで生地があるので、スカートのようになる。長いズボンを脱いでもパンツが見えないので大丈夫だ。良く言えばプールの授業で使用した長いタオルのような感じ、悪く言えば、現行犯逮捕である。
下を脱いだのは、ズボンを履くためだ。変態になりたいわけではない。大きいサイズのズボンがあったので購入した。
ウエスト170cm。身長ぐらいある。
一番大きいのを探してもらったら、渡されたのがこれである。「小錦のような大柄なお相撲さんが履くズボンですね」と言われたので、履くだけで横綱になれる。(ウエストサイズだけ。)
そして、でかいズボンにはそれに合った長いベルトが必要だ。
そこで160cmのベルトを見つけた。
130cmのベルトに継ぎ足して作られている。
友人から借りた70cmのベルトと比べるとその長さがわかる。
さて、用意はできた。全てを身につけてみよう。ちょうどいい通路があったので、そこを歩いてみる。
東京ガールズコレクションを意識しています。
見た目はかっこいいのではないか。満足しながら撮影してくれた友人に感想を聞いてみると「生まれも育ちもサブカル出身の芸大学生」と言われた。最大級の評価だ。
ただ、普通に歩くとずり落ちるので、またを開いて歩く必要がある。
また、寒い日は腕をズボンに入れられるので機能性も抜群である。おしゃれも使いやすさも最高だぜ!
ズボンにシャツを入れない方がいい
サイズがでかい服も色の合わせ方でちゃんとおしゃれに着ることができた。なら、柄のシャツはどうだろうか。
先ほどのウエスト170cmのズボンに合わせた。
全体的に「これがおしゃれだ!」という強い主張が伝わってくる。渋谷もこの格好なら普通に歩くことができるだろう。109にも行けるし、ヒカリエにも行ける。
ただ、ベルトを入れた瞬間に突然、ダサくなった。どうした!?
シャツをズボンに入れた瞬間、カントリーミュージックをやっていそうな親戚のおじさんがやってきた。
しかし、友人は「いや、これおしゃれだと思うよ」と言ってくるではないか。おしゃれ?これが、おしゃれなのか?
「おしゃれって何だ?」と自問しながら、この格好で歩いてみる。
おしゃれが全然わからない。
井の中の蛙大海を知らず
でかい服を着ると、おしゃれに見えることがわかった。ならおしゃれな町に出てみようではないか。おしゃれの総本山、原宿の竹下通りに行ってみる。
まずは柄の服で歩いてみた。
おしゃれではないが、浮く。
先ほどまで「うわ、おしゃれだ!」と興奮していたが、大勢の中に入るとおしゃれじゃなくなる。おしゃれではないのだが、他の人よりも目立つ。視線、独り占めである。
シャツを入れると、怖いほど浮く。
おしゃれが遠のいた。しかし、まだ諦めるわけにはいかない。こちらには10Lの服があるのだ。
全然、目立たない。
周りと同化したのだが、これは原宿の町が歓迎してくれたのかもしれない。おしゃれのネクストステージにようこそと言ってくれた気がした。目立つだけがおしゃれではないのだ。
サイズは大事
自分では似合っていると思っていたが、友人には「サイズって大事なんだなと思った」と言われた。おしゃれって難しい。
柄のシャツをズボンにインしてソフトクリームを買ったが何もハプニングは起こらなかったが、恥ずかしさがすごかった。