特集 2018年5月2日

約40年前の新聞折込チラシを大量に入手したのでみんなで鑑賞する

大量のチラシをひたすら鑑賞します
大量のチラシをひたすら鑑賞します
昭和53年(1978年)から54年(1979年)にかけての古新聞と、それに折り込まれていた大量のチラシをネットオークションで落札した。

大量の古新聞や古チラシをみていると、ずいぶんエモーショナルな気分になってきたので、みんなで鑑賞することにした。
鳥取県出身。東京都中央区在住。フリーライター(自称)。境界や境目がとてもきになる。尊敬する人はバッハ。

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落札金額100円、送料1660円

もし、40年前や50年前の新聞折込チラシがあれば、当時どんなものを、どれぐらいの値段で販売していたのかがわかるのではないかとおもい、つねづねふるい新聞折込チラシをさがしていた。
しかし、ふるい新聞折込チラシは、なかなかない。古書店でも古新聞はよく売っているものの、新聞折込チラシは見かけたことがない。

そんななか、ネットオークションで「昭和53年の古新聞、チラシ大量」という出物を発見した。しかも、破格の100円スタート。

まさに、ぼくが求めていたものである。
はやる気持ちを抑えつつ、「誰も入札してくれるな!」と、祈る気持ちで入札。数日後、誰ともあらそうことなく、無事100円で落札できた。

落札金額は100円だったけれど、配送料が1660円かかった。新聞をとらなくなって久しいので、1年分の古新聞の重さとデカさというものをすっかり忘れていた。
送られてきた
送られてきた
箱にパンパンに詰まっている古新聞
箱にパンパンに詰まっている古新聞
新聞を一つづつチェックし、チラシと古新聞に分けてみた
新聞を一つづつチェックし、チラシと古新聞に分けてみた
届いた古新聞をざっとチェックしてみたところ、つぎのようなことがわかってきた。
(1)送られてきた新聞は「読売新聞」で昭和53年の春ごろから昭和54年秋ぐらいまで約1年半ぐらいの期間のもの。
(2)なぜか、1面とテレビ欄、社会面の部分、つまり外側の折の数ページ分だけが裏返しに折って保存してあり、折の中心部に近いスポーツ欄などは抜けている。(抜けてないのもある)
(3)入っているチラシを吟味してみると、どうやらこの古新聞は、岡山県倉敷市の玉島地域に配達されていた新聞のようだ。
ふつう、読んだら捨ててしまう古新聞、さらにいえば新聞折込チラシなんかは読まずに捨てちゃう人さえもいるなか、こんなにまとまった量が、よく残っててくれた。と、ひとりでかってに感動しつつ古チラシを眺めてみる。
ホームセンターの古チラシ
ホームセンターの古チラシ
ジョイフルニッショクというホームセンターの「お盆特別大売出し」のチラシ。おそらく、昭和53年の夏のものだ。当時、人気沸騰中であったルパン三世が描かれている。
謎の「変化するよ」
謎の「変化するよ」
よく読むと、「手足、首が自由自在に変化するよ!」と書いてある。「動くよ」ではなく「変化するよ」というのがよくわからないが、おそらく今で言うフィギュアなのだろう。480円である。
カドの大倉敷歳の市協賛大売出し
カドの大倉敷歳の市協賛大売出し
家電販売店のチラシなどは懐かしさで、背筋が伸びるようでもある。
家具調テレビだ
家具調テレビだ
左上のほうにあるのは、家具調テレビというやつだ。チャンネルがボタン式のテレビである。まだリモコンではない。

中学校の友人の竹田くんの家にあったボタン式チャンネルのテレビは、2をかる~く加減して押すとなぜかFMラジオが聞けるという謎仕様だったことを思い出した。いまだに理由がわからない。

写真の右上にあるのは東芝のベータ方式のビデオデッキだ「1週間に3つの番組が予約できる2時間ビデオ」らしい。価格は23万5千円。今のHDDレコーダーの価格とそんなに変わらないか、若干高いぐらいである。

ぼくが高校生のころ(1990年ごろ)この東芝のベータ方式のビデオデッキを知り合いからもらったことがある。
その頃はすでにビデオの方式はVHSが主流になっており、すでに10年以上型落ちの古いものを体よく押し付けられたようなものだったかもしれない。
しかし、貧乏であったうちにはビデオデッキがなく、これでテレビを録画して見られると喜んだのだが、いくら頑張ってもテレビとつながらず、結局、軒先に打ち捨てられたままになっていたことを思い出した。

これはやばいので複数人でみたい

めくるめく古いチラシを眺めていると、かなりエモーショナルな気分になってくる。

これは、複数人で鑑賞したい。
できれば、チラシの内容に見覚えがある……倉敷出身で、昭和53年頃に小学生ぐらいだったひと……。
知り合いにそんな都合がよすぎる人材いるわけねえよなーと思いながら、編集部に相談したところ、なんと、編集部橋田さんのご主人の岡さんがまさに倉敷市玉島地域に実家があり、昭和43年生まれなのだという。なんだろうこのめぐり合わせ。

というわけで、集まってもらってみんなで鑑賞会を行うことにした。
右から編集部の橋田さん、西村、橋田さんのご主人の岡さん
右から編集部の橋田さん、西村、橋田さんのご主人の岡さん
岡さん、チラシをざっとみていただいて、知ってるお店はありましたか?
まさに、実家の近所のチラシでした。例えばこの店は、行ったことはなかったですけど、自転車ですぐのところですね。
オフィス什器を取り扱う店
オフィス什器を取り扱う店
「レザー張り丸いす500円」が目を引く。「折りたたみパイプ椅子1200円」は今でもそれぐらいではないだろうか
「レザー張り丸いす500円」が目を引く。「折りたたみパイプ椅子1200円」は今でもそれぐらいではないだろうか
さすがに、オフィス什器は子供に縁遠かったため、行ったこと無かったらしいけれど、そういう店があるな。ということは知っていたらしい。
全体をみると、ホームセンターや住宅のチラシが多いような気がしたんです。ホームセンターだけで数件ありますよね。
大園芸祭
大園芸祭
でた、大園芸祭! この鹿沼土がイラストなの、たまんないですね……。
なぜかイラストの土
なぜかイラストの土
ホームセンターが多かったのは新築の家が多かったからかな。当時は家がどんどん建ってましたから。
プレハブの広告も入ってますね。スズキハウス?
信頼と品質で選ばれるスズキハウス
信頼と品質で選ばれるスズキハウス
これはどういうことかな? スズキってあの自動車メーカーのスズキ?
スズキハウスは、今でもありますね。こういうプレハブの小屋、自宅の庭なんかに置いて、子供部屋にしたりとか、よくありますよね。
「タッチ」の勉強部屋だ。
実家の隣に住んでた友達の家の庭にプレハブの小屋があって、子供部屋として使ってたらしいんですが、寝タバコで火事になったことがあって。子供部屋でなんで寝タバコなんだって話ですが、そういうことですね。
シンナーが爆発したわけではないんですね。

岡家の家電はほぼ全てここで買った

うわ、なつかしい! うちはこのデンエーで何百万円も使ってるんですよ。岡家の家電はほぼ全てここで買ったんです。
岡家の家電を一気に担ったデンエーがオープンしていた
岡家の家電を一気に担ったデンエーがオープンしていた
これは、町の電機屋さん? ですね。大型の家電量販店ではないですね。
当時は、ヤマダ電機みたいなのはまだ一般的じゃなかったんですよね。
ご縁がありますように、乾電池5円セールがたまんない
ご縁がありますように、乾電池5円セールがたまんない
今や北関東発祥の家電量販店がほぼ全国くまなく進出して、こういった電機店はほぼなくなりましたね。昭和53年ごろは地方がまだ元気があったころですね。
岡家の家電を支えたデンエー
岡家の家電を支えたデンエー

物価が気になる

こういったチラシをみてやっぱりいちばん気になるのが、当時、どんなものを、どれぐらいの値段で売っていたのか? ということだ。

スーパーの特売のチラシを見ていきたい。
ダイナミックセール シルビア
ダイナミックセール シルビア
小麦粉1キロ98円、サラダ油1.8リットル278円、しょうゆ1リットル168円、上白糖1キロ149円。やすい……のかな?
もやし10円はつい最近までそれぐらいの値段で売ってるところもあったね。マイバスケットで18円とか。
そうそう、もやしは今でも安い。全体的には安いけど、そんなにびっくりするほどは安くない感じですね。
それよりも、この「シスコルオーレ」ってなんだろう?
謎の菓子
謎の菓子
たしかにみたことないですね。なんだろうシスコルオーレ。
「シスコルオーレ」の下の「味せんまい」も、その下にある「ホワイトロリータ」のド定番さに比べると、まったく謎ですね。検索してみましたけど、シスコルオーレ、検索結果ゼロですよ。闇に消えた菓子だ……。
別の日のチラシ
別の日のチラシ
別の日の菓子コーナーも謎の菓子が安くなってる。
「元祖ボール」って、すごくざっくりした元祖だ……(検索する)あー「鶯ボール」みたいなお菓子ですね……元祖ってことはこっちのほうが最初なのかな。
安いけど、そんなに安くはない
安いけど、そんなに安くはない
この「いの一番」ってなんだろう。
これは、うま味調味料ですね、味の素みたいなやつ。
「いの一番」100グラム395円って他と比べると異常に高いですね。(ネットを調べる)いまだと500円ぐらいするのか。角砂糖の72粒138円も高いんだか安いんだかよくわかんないですね。
そういえば、最近角砂糖って見ないですね。
え、そうなんですか? コーヒー飲まないから気づかなかった。砂糖どうしてんですか?
ほとんどスティックシュガーですよね。
いわれてみれば……知らないうちに砂糖のトレンドが変わってる……。

なつかしいパッケージを鑑賞

パッケージがなつかしい
パッケージがなつかしい
この「モノゲンユニ」のパッケージ、なつかしくないですか? 羊のやつ。のっぺらぼうでこわかったんですけど。
あー、なつかしい。

え、そうですか? ちょっとみおぼえがないですね……家は柔軟剤使わない家庭だったからかな……。
当時の洗濯用洗剤って、ポリタンクぐらいの大きさがあって、一回でカップ1合ぐらいの洗剤ドサドサ入れてましたよね?
入れてた! だから、今ぐらいの大きさの洗剤が出たときは衝撃でしたよね、スプーン一杯で、これだけでいいんだ! って。
ばあちゃんが、コンパクト洗剤にものすごく感動してて「エラいもんが出た」って。新しいものにまったく興味を示さないあのおばあちゃんが、新製品を手放しで褒めてたので、すごい時代が来たなって子供心に思いましたもん。って何の話だこれ。
パッケージが変わってるといえば、これいいですよね、カルピスの瓶。
カルピスだ
カルピスだ
これは、なつかしい。カルピスウォーターとかない時代だったから。
原液はいまはペットボトルで売ってますよね。
調べずに勝手なこといいますけど、瓶は今でも贈答用で売ってそうですね。しかし、カルピスウォーターの登場も衝撃的でしたね。カルピスのアイデンティティをある意味否定したようなものですから。
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