*イメージです
めくって確認したらいいものの、その勇気が私にはなかった。本当にお札があった場合、どうすればいいかわからない。どうお札と向き合えばいいかわからない。モヤモヤしながら夜を明かした。
そもそも、「お札を絵の裏に隠す」という発想が悪いと思う。なぜなら、めちゃくちゃ怖いから。
それに、お札の効果が薄れるような気もする。なんかこう、除霊パワー的なものが絵によって遮られて部屋全体に充満しないイメージだ。エアコンを板で隠すような。そんな気がしませんか。しますよね。
そこで私は考えたのだが、お札と絵を融合させればいいのではないだろうか。お札をアートとして昇華するのだ。頭が良すぎるかもしれない。パブリックドメインの名画たちとお札を掛け合わせれば、違和感もなく恐怖心を煽ることもなく除霊できるかもしれない。
なので、お札に合う名画を探そうとおもう。
ラファエロ 天使たち
はじめに試してみるのは、ラファエロの「天使たち」だ。「システィーナの聖母」という絵画の下の部分。サイゼのあれだ。これにお札を貼ってみた。
天使たちがお札を眺めているような感じはでているが、全くしっくりこない。そもそも信仰が違うから違和感があるのだ。自作の「悪霊退散」と書かれたバカが作ったようなお札も相まって違和感を増幅させているように感じる。
プリントして飾ってみた。いかがでしょうか。ワケありのサイゼリヤって感じだ。この部屋を案内されたら秒でフロントに電話するだろう。
もうこの企画を終わりにしたいほど熱意が薄れてきたけれど、やり始めたからには、しっくりくる絵を見つけるまで頑張りたいと思う。
フェルメール 牛乳を注ぐ女
次は、フェルメールの「牛乳を注ぐ女」。右下にある四角い箱が気になったので調べて見たら、足を温める機械だそうだ。なぜ描かれているかもっと調べてみると、性的なメタファーということだった。この絵には他にも性のメタファーとして色々なものが描かれているらしい。機械の後ろにあるタイルに描かれた青い絵もそれの一つ。
そんな絵にお札が合うか分からないが、「やらない後悔よりやる後悔」という言葉があるので、ひとまずやってみることにした。
絵の中にある壁にお札が貼ってある感じを演出できるかな、と思ったが、やはりこれも違和感がある。それに、何か大喜利や雑コラのような感じになってきてしまった。ふざけたいわけではなく、ピタッとハマる絵画を探しているだけなのだ。
いかんせん、お札を目立たせないように小さくしたので、遠目からだと違和感はない。このくらい小さいお札はシルバニアファミリーの神社にしか存在しないと思うが。
ゴッホ ひまわり
こちらも言わずと知れた名作、ゴッホのひまわりだ。あまりアートのことは詳しくないのだが、見ているだけで心が晴れやかになる絵だなあと感じる。Wikipediaの受け売りだが、南フランスにいたときに太陽の象徴としてひまわりをモチーフにしていたそうだ。
テーブルに何気なく置いてあるようにしたかった。ちょっと郵便物を置いときます風にしたかった。でも、パースが全く合っていないので違和感しかない。ゴッホにも失礼だ。ごめんなさい。
お札に合う絵画なんてこの世に存在しないのだ。やめだやめだ。そう諦めていたところだが、一筋の希望の光が差し込んだ。
モンドリアン 赤青黄のコンポジション
今まで具象絵画を取り上げていたが、抽象画だったらどうなんだろう。そう思って、モンドリアンを検索してみた。この形……ワンチャンありますね。
ハマった。想像以上にぴったりハマった。縦横比が測ったかのようにぴったりだった。
インテリアとしてモンドリアンを飾るのもハイセンスな感じがあり、ホテルにも合う。ヒルトンホテルの一室に飾ってあってもきっと違和感がないだろう。
お札にはモンドリアン
もし、ワケありなホテルの部屋があったらモンドリアンの絵の中にお札を入れ込んで飾って欲しい。私からのお願いだ。