特集 2018年3月2日

パリのカフェで絵はがきを書きたかった

拝啓、僕は今パリにいます
拝啓、僕は今パリにいます
昨年、パリに1泊した。

香港でカンフーを想像するように、パリと言えばカフェのテラスで絵はがきだ。

「拝啓、僕はいまパリにいます。カフェーでくつろぐエトランゼ。君にも見せたかったよ。まるでカマス釣りにでも行くような僕の滑稽さと言ったら! 」(傍点筆者)

と翻訳文体で書いてみたい。
1971年東京生まれ。デイリーポータルZウェブマスター。主にインターネットと新宿区で活動。
編著書は「死ぬかと思った」(アスペクト)など。イカの沖漬けが世界一うまい食べものだと思ってる。(動画インタビュー)

前の記事:ピエロになって、なにもしない…(デジタルリマスター版)

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その前にパリのハンカチを使ってみたい

カフェの前にやっておきたいことがある。数年前にパリの地図がプリントされているハンカチを買ったのだ。

ださいと思ったが、これはいつかパリに行ったときにこの地図で歩いてやろうと思って買ったのだ。
デザインとしての地図という洒脱を無視して実用品として使いたい
デザインとしての地図という洒脱を無視して実用品として使いたい
宿の最寄り駅も載っているし、都心の駅も載っている
宿の最寄り駅も載っているし、都心の駅も載っている
東京で言えば環八の内側ぐらいの範囲(直径15キロメートルぐらい)が載っているようだ。広すぎて街歩きには向いてない。

ただ、これまでただの模様としか思ってなかった地図に自分がいる感覚は不思議でおもしろい。
こんな細い道は載ってない
こんな細い道は載ってない
「わっかんねえなー」という写真なのだが、この溢れるパリっぽさはなんだ。おもしろサイトの背景ではない。
しかし布の地図は使いづらい
しかし布の地図は使いづらい
両手で引っ張らないと地図を見ることができないのだ。それでも下の方は風でピロピロしてしまう。地図は紙かスマホがいいことがわかった。パリで。
鼻はかめるけど
鼻はかめるけど
結論、地図としては使えるけど布に印刷してある点が使いにくい。しかし、ハンカチの中に立つという積年の夢が果たせて満足だ。

パリミキに行く

パリでやりたいことはもうひとつある。パリミキに行くのだ。

メガネのパリミキはパリに店がある。ロンドンにキャバレーロンドンはなかったが、パリミキはあるのだ。パリの名前は伊達ではない。
新宿のパリミキと同じファザードがパリにある!パリに店を出すという男気あふれる展開もかっこいい。
新宿のパリミキと同じファザードがパリにある!パリに店を出すという男気あふれる展開もかっこいい。
パリの中心地、オペラ座の近くにパリミキがある。パリミキパリ店という山本山のような名前ではなく、パリミキオペラ店という名前である。
パリ在住の日本人が来ているようだった。もちろんフランス人も。
パリ在住の日本人が来ているようだった。もちろんフランス人も。
興奮のあまり日本人の店員に、パリにパリミキがあるんですね!と言ったところ、メガネ拭きをくれた。
レアアイテムである
レアアイテムである
日本でパリミキに行ったら、パリでは来たことがあるんですけどねーとヨーロッパ通ぶってみたい。そのためだけにメガネを作りに行こうと思う。
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テラスで絵はがきを書いてみよう

いよいよ本題だ。パリのカフェで絵はがきを書くのだ。郵便よりも飛行機で帰る僕のほうが早いかもしれない。というかネットがあれば一瞬だ。でもそういうことではない。いちどそういうことがしてみたいのだ。

まずは絵はがき探しである。パリなんて書いた絵はがき売ってるのかなと思ったら…
ものすごくたくさん売ってた
ものすごくたくさん売ってた
エッフェル塔に凱旋門、セーヌ川の写真にパリと書いてある。どれもパリパリ書いてあって素晴らしいパリ具合だ。
絵はがきを10枚買って、どこかのカフェで書こう。
そのために万年筆も持ってきた。ブルーブラックで線の濃淡が出るように太めのものを選んだ。

ちょうどいいカフェを探すこと30分。もういいやここでと入った店でブランチのセットを頼んだ。
なんかたくさん来た!
なんかたくさん来た!
クロワッサン、サンドイッチ、カフェオレ、オレンジジュース、フルーツ、ヨーグルト。観光客用の店だったのか、岐阜のモーニング文化の影響をうけた店だったのかもしれない。
テーブルの上に余分なスペースなし
テーブルの上に余分なスペースなし
とてもじゃないけど絵はがきを書くようなスペースはない。
おかしいな………イメージではもっとゆったりとした場所で書いているのに…。
仕方ないのではがきを持って書く
仕方ないのではがきを持って書く
こんな松尾芭蕉のような書きかたをするつもりはなかった。パリでこの俳人っぽさはいらない。

急いでクロワッサンをやっつけてテーブルの上にスペースを作った。
パリで「早いとここれやっつけよう」なんて言うとは思わなんだよ。
しかし狭い……
しかし狭い……
はがき1枚分のスペースを作って手紙を書き始める。
ひょえー
ひょえー
手が、手がものすごく冷たいのだ。テーブルに触れる手の横の部分が冷たすぎて痛い。
屋外に出しっぱなしにされていた金属のテーブルはライクアコールドストーンである
屋外に出しっぱなしにされていた金属のテーブルはライクアコールドストーンである
「つめてー」などと言っていたら通りすがりの東洋人から中国語で話しかけられた。パリには中国人がたくさんいるので同胞だと思われたらしい。

アイムトラベラーみたいなことを言ったら去っていった。どうもなかなかオーシャンゼリゼな雰囲気にならない。
そして漢字が分からずにしょっちゅう調べる
そして漢字が分からずにしょっちゅう調べる
そしてスマホを出すたびに手紙を送る相手にメッセージ送っちゃおうかなと思う。
そうして書き上げたはがきがこれである。
そうして書き上げたはがきがこれである。
「この底冷えするカフェ、氷のように冷たいテーブル!君にも味わってもらいたかった!」

なんで僕はパリのカフェで嫌味を書いているのだろうか。予想とは違う困難さにひねくれたはがきになってしまった。しかしこれが実際にやってみないとわからないことである。

パリッコさんを探すというミッションもあった

パリといえば、デイリーポータルZでも執筆しているライターのパリッコさんである。

パリッコさんに似ているパリっ子はいるのか気にして歩いていたら、ふたりぐらいいた。
パリっ子ではなく観光している東洋人かもしれないが、パリでパリッコさんに会うというミッションもコンプリートである。
なにげなく撮った街の写真にもパリッコさんに似た人がうつりこんでいた
なにげなく撮った街の写真にもパリッコさんに似た人がうつりこんでいた

ちなみにパリッコさんの名前の由来は漬物だそうです。
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