特集 2018年1月31日

「虎の威を借るキツネ」マフラーを作る

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「権力者の力を頼みにして威張る小者を意味する故事成語。」(Weblio「実用日本語表現辞典」より)

つまり強者=虎、小者=キツネだ。ところでキツネといえばマフラーだ。

キツネが虎の「衣」を借るマフラーを作ってみた。

この記事は工作特集3DAYSの3日目、「お題『虎」』の1本です。ほかの記事はこちらへどうぞ。
1970年群馬県生まれ。工作をしがちなため、各種素材や工具や作品で家が手狭になってきた。一生手狭なんだろう。出したものを片付けないからでもある。性格も雑だ。もう一生こうなんだろう。(動画インタビュー)

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人それぞれのキツネマフラー

「キツネといえばマフラーだ」とは言ったものの、本物のキツネの毛皮にはこれまで触れたことがない。でも私が小学校の頃、偽のキツネマフラーが流行っていた時期がある。フェイクファーで作られていて、頭がキツネのそれを模してわりかし精巧に作られていた。口の部分にはクリップが使われ、首を一巻きしてからまるで尻尾にかじりつくようにして留めることができた。アレ、ファッションに興味のなかった自分でも、買ってもらった時は嬉しかったな。

というわけで、あの記憶の中のマフラーを参考にしつつ、芯になるキツネのマフラーをまず作って、そこに着ぐるみのように、虎の黄色きコロモをまとわせようと思うのだ。
虎のフェイクファー、「阪神ファンの方必見!」とかいうキャッチコピーが添えられていたような。
虎のフェイクファー、「阪神ファンの方必見!」とかいうキャッチコピーが添えられていたような。
とにかく毛足の長めなフェイクファーを、キツネっぽいのと虎柄のと2種類。
その他、各動物の目となるボタン、マフラークリップも買う。どこから見ても「ああ、あの人は『虎の威を借るキツネマフラー』を作る人なんだな」とわかる買い物内容だ。
毛足が長いので、飛び散らないようにちびちびハサミを入れよう。
毛足が長いので、飛び散らないようにちびちびハサミを入れよう。

先に描いて公開済みのラフ画くらいのイメージしかなく、あとはいきあたりばったりだ。驚くだろう?私も驚いている。
だいたい、マフラー自体が着ぐるみを着ているのなんて作ったことないのである。それ以前に、キツネのマフラーも虎の頭も初めて作るのである。今、日本で一番、目の前で起こることがわかってない人物だ私は。
お腹は別布(白)。スイーツは別腹。
お腹は別布(白)。スイーツは別腹。
縫ってから表に返し、縫い目に埋れた毛足を目打ちで引き出す、これが地味に楽しみ。
縫ってから表に返し、縫い目に埋れた毛足を目打ちで引き出す、これが地味に楽しみ。
やっぱしキツネのクライマックスは、尻尾だよね。
やっぱしキツネのクライマックスは、尻尾だよね。
たまに手縫いしないといけないところがあって、毛足が邪魔してとても辛い。動物病院のように、毛を刈ってしまってから縫いたいくらいである。
敷地が草ボーボーのまま、地面に埋まったガス管工事するような心もとなさ。知らないけど。
敷地が草ボーボーのまま、地面に埋まったガス管工事するような心もとなさ。知らないけど。
鬼のパンツじゃないよ。
鬼のパンツじゃないよ。
難しいのは、キツネも虎もやはり「顔」だ。立体感が、写真からではどうも掴みにくい。なので、「それらしい」パーツ頼みになる。
耳も、キツネの「っぽい」メインパートである。
耳も、キツネの「っぽい」メインパートである。
頭にはワタ詰めてパペット風に。
頭にはワタ詰めてパペット風に。
これがマフラークリップだ!あの頃のキツネマフラーと同じ布で被覆してある。
これがマフラークリップだ!あの頃のキツネマフラーと同じ布で被覆してある。

夜なべをして、マフラーに着せる衣を作ってやる

キツネマフラーの形が決まったところで、次は虎の衣作りである。もう、一層どうしていいかわからない。とにかく包むのだ、キツネを。お稲荷さんなら包む方だが、包まれる方は慣れてないに違いない。
虎布の柄の向きや分布に注意して、布を割り当てたい。
虎布の柄の向きや分布に注意して、布を割り当てたい。
人間の頭マネキンで、虎の頭の形を探って行く。で、いいのだろうか。
人間の頭マネキンで、虎の頭の形を探って行く。で、いいのだろうか。
バッ!と衣を脱げるよう、軽いスナップボタンで留める。
バッ!と衣を脱げるよう、軽いスナップボタンで留める。
例えば、虎の威が欲しい局面には虎でいいけど、エレガントな場に進むときにはババッと早替りしてキツネのマフラー巻いたマダムになれるといい、って後にも先にもそんなシチュエーションが私に訪れるとはとても思えんが。
問題は、鼻先だよね。
問題は、鼻先だよね。
目でごまかす気満々。
目でごまかす気満々。
つまづいたのは、虎の頭の構造である。奴の頭、どうなってるかわからん。いや、もちろん目で見て、わかるような気はするのだけど、いざ形に落とし込もうとすると途端に手が止まってしまう。

デッサンとかの基礎をやっていない人間の、これが限界である。みんなも、筋トレとか女磨きとか資産運用とかしてないで、デッサンやったらいいと思う。

できあがりと、巻いてみた感じは、次ページで!
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どう見ても虎が強い

絶対これアナコンダにネズミが丸飲みされてる的シーン。
絶対これアナコンダにネズミが丸飲みされてる的シーン。
虎の頭のデカイことデカイこと。
がおー。これが虎の威を借用させていただいている状態である。
がおー。これが虎の威を借用させていただいている状態である。
中から、キツネがこぼれ出なさる。
中から、キツネがこぼれ出なさる。
バッと引っ張り出そうと思ったが結構摩擦があったので、マダムが丁寧に取り出します。
バッと引っ張り出そうと思ったが結構摩擦があったので、マダムが丁寧に取り出します。
グリム童話みたいになってきた。
グリム童話みたいになってきた。
第2形態「キツネのマフラー」で迫ろう。
途端にしおらしくなる演出。
途端にしおらしくなる演出。
顔がキツネっぽくないのは置いといて、しっかりキツネのマフラーになった。普段でも使えそうだ。
「虎さん虎さん、実は私は偉いので、食べてはいけません。」
「虎さん虎さん、実は私は偉いので、食べてはいけません。」
「そうなのかい?」
「そうなのかい?」
「証明しますから。私をすっぽりお包みなさい」「わかったよ」
「証明しますから。私をすっぽりお包みなさい」「わかったよ」
「もしかして、私食べられてます?」「そうなるね」
「もしかして、私食べられてます?」「そうなるね」
でも最後は人間にひっぺがされて、2匹はすっかり打ち解けました。おしまい。
でも最後は人間にひっぺがされて、2匹はすっかり打ち解けました。おしまい。
こうして、人形劇も可能かもしれない。演目は非常に限定されるけども。

虎の鼻先が平べった過ぎて、虎に似せた工夫(首回りの白いふわふわとか黄色い目とか)がまるっきり台無しになった感はあるが、構造的にはなんとか成立したのでホッとした。

だが二重にする事で首回りが異様にパンパンになったので、構造的には最初からおかしいに違いないのであった。

今回は故事成語に基づき、虎の「威(衣)を借る」ことに注力したので、虎単体ではマフラーとして使いにくくなってしまった。次の改良としては、分離してもそれぞれマフラーとして成立する、闘士ゴーディアン的な(古い)合体ロボット方式で行きたい。
虎だけ被っても違和感ない大きさは「もののけ姫」がやれる勢い。
虎だけ被っても違和感ない大きさは「もののけ姫」がやれる勢い。

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