特集 2018年1月23日

肉におぼれるもっこすらーめんを食べる

神戸に伝わるもっこすラーメンとはなにか…?
神戸に伝わるもっこすラーメンとはなにか…?
兵庫県神戸市を中心に展開しているもっこすラーメンを知っているだろうか。熊本の言葉であるもっこす(熊本県男児の無骨な気性を表した言葉)がなぜ神戸のラーメン屋になっているのか。名前だけは聞いたことあったのだが、どのようなものなのか食べてきた。
1988年神奈川県生まれ。普通の会社員です。運だけで何とか生きてきました。好きな言葉は「半熟卵はトッピングしますか?」です。もちろんトッピングします。(動画インタビュー)

前の記事:メガネがくもればおいしそうに見えるのでは?


一般的な知名度はどうか

世の中、自分だけが知らないことが多い。そんなのあったかと後で知ることが結構ある。ハンガーってかけるだけでシワがつかないから使った方がいいですよ。(最近、再認識した。)
もしかしたらもっこすラーメンもそうかもしれないと思い、Twitterでアンケートを取ってみた。
500票ぐらいの投票で70%ぐらいが知らない。
500票ぐらいの投票で70%ぐらいが知らない。
投票の結果、知らない人が多かった。知っている人の中には「え?神戸にしかないの?」「知っているけど行ったことない」「大好きだ!」という方がいた。あと、ライターの土屋さんが「もっこり?」と書いていたが無視した。

色々な意見があるが、何はともあれ実際に食べに行こう。

これがもっこすラーメンだ

兵庫県の神戸駅にて案内の人に「もっこすラーメンって知ってますか?」と聞いてみたところ「知っていますよ。神戸では子供から大人まで食べてます」とやはり有名なようである。

おすすめのお店を聞いたところ「24時間やっている大倉山にある本店が好きです」と教えてもらったので三ノ宮駅から電車と徒歩で10分ぐらいの大倉山という駅にある本店に向かった。
これがもっこすラーメンの本店。
これがもっこすラーメンの本店。
勢いのある総本山の看板を見たら気合が入った。家にも欲しい。
勢いのある総本山の看板を見たら気合が入った。家にも欲しい。
店内は赤いテーブルとイスが並べられている。最近おしゃれなラーメン屋が増えているがこういうシンプルのほうが緊張しないのでいい。そして、壁にはメニューが貼られている。
中華そば、チャーシューメンはしょうゆとみそ味が選べられる。
中華そば、チャーシューメンはしょうゆとみそ味が選べられる。
メニューはシンプルだ。ラーメンに餃子、しゅうまいがある。お持ち帰りもできるので家庭でも楽しめるのはうれしい。

そして、どうやらパスタも売っているらしい。聞いてみたところ、麺を作るノウハウを活かしてパスタを作ったところ、好評なので販売しているとのこと。

とりあえず、基本の中華そばを注文してみる。
テーブルの上に置かれた数々の調味料たちが食欲をそそる。そして、そこに見慣れないものが。
テーブルの上に置かれた数々の調味料たちが食欲をそそる。そして、そこに見慣れないものが。
ニラ唐辛子(ニラと唐辛子を合わせたもの)、焦がしニンニク、ニンニクチップなど充実した調味料や無料トッピングたち。そこにある黄色のもの。
黄色い。
黄色い。
たくあんである。ラーメン屋にたくあん、あまり見ない組み合わせだ。でも、やよい軒やかつ屋など漬物がテーブルに置いてある飲食店は全部うまいのでもっこすも絶対おいしいだろうと予感させる。
常連は小皿にたくあんを乗せる。来た人全員やっていた。暗黙のルールだ。
常連は小皿にたくあんを乗せる。来た人全員やっていた。暗黙のルールだ。
たくあんをぽりぽり食べながら待っていると、5分ぐらいでやってきた。ファストフードだ。
これがもっこすラーメンだ!
これがもっこすラーメンだ!
チャーシューメンがきてしまったと思って、一回、店員に聞いてしまうぐらいのチャーシューの量。そして、ネギのコントラストが美しい。これがもっこすらーめんか…。
アンケートを取ったときに「ライスは必ずつけます!」という意見があったが、これはつけたくなる気持ちもわかる。

前にデイリーのネタ会議で「ラーメンを頼むときって半ライスも必ず食べるじゃないですか?」と言ったときに「え?」となったことを思い出したが、これは半ライスを注文したくなるだろう。ちなみに私はどんなラーメンでもライスがあれば頼むタイプだ。
受け皿も味がある。
受け皿も味がある。
ラーメンを食べるために前日の夜から何も食べてないせいか食欲がすごかった。
ラーメンを食べるために前日の夜から何も食べてないせいか食欲がすごかった。
うまいな…。
うまいな…。
しょうゆのきれ、コクのあるスープ、すっきりとした後味。麺は細めんでするする食べられる。全部がおいしい。心にしみるおいしさだ。
聞いたところ、豚骨と野菜のスープを合わせてつくっているらしい。濃厚な味がちまたにはあふれるが、こういうさっぱりしたスープが地元には定着するのかもしれない。

ただ、普通のラーメンでこんなにチャーシューが乗っているのに、チャーシューメンを頼んだらどんなことになるのか興味はないだろうか。というより興味しかない。
別の店に行って食べたチャーシューメン。肉しか入ってないんじゃないかと思うぐらいチャーシューが乗っている。
別の店に行って食べたチャーシューメン。肉しか入ってないんじゃないかと思うぐらいチャーシューが乗っている。
数えてみたところ15枚以上あった。王様に献上するためのチャーシューメンが来てしまったのかと思った。食べても減らないチャーシューだ。ありがとうございます。
ドヤ顔をするほどうまい。
ドヤ顔をするほどうまい。
この後、お腹がいっぱい過ぎて休憩のために滝を見て休んだ。
この後、お腹がいっぱい過ぎて休憩のために滝を見て休んだ。

工場直営のもっこすは一味違う

もっこすはスープや麺を作っている工場がある。そこにはなんと「工場店」としてお店を開き、ラーメンを提供しているのだ。地球の歴史の中で工場直営のものは全ておいしいと聞いたことがあるので足はやに向かう。迷って逆に行ったけど。
「みどろ」という地名にある工場店。地名に味が入ってくる場所にあるなんて興奮するじゃないか。
「みどろ」という地名にある工場店。地名に味が入ってくる場所にあるなんて興奮するじゃないか。
10分弱歩くとでかい看板が出てくる。
10分弱歩くとでかい看板が出てくる。
これが工場店。見るからに工場だ。
これが工場店。見るからに工場だ。
工場直営と言っても普通のお店かなと思っていたらそのまんま工場だった。工場の中にスペースが作られており、そこがお店になっている。
全てのもっこすラーメンはここから作られている。親もっこすだ。
全てのもっこすラーメンはここから作られている。親もっこすだ。
営業時間が11:00~15:00とお昼の時間帯のみの営業となる。その時間になるとお店の外はもっこすを求める人たちで行列ができる。この日もお腹がペコペコであろうサラリーマンたちが並んでいた。
中華そば、チャーシューメン、つけ麵、魚介そば??
中華そば、チャーシューメン、つけ麵、魚介そば??
普通のメニューの他に見慣れない魚介そばがある。見慣れないメニューは頼む挑戦的な人生を歩んできたので、魚介そばを頼むことにした。
工場限定の赤玉ミンチも頼んだ。
工場限定の赤玉ミンチも頼んだ。
赤玉ミンチがやってきた。
赤玉ミンチがやってきた。
赤玉ミンチは豚ミンチや唐辛子などを団子状にしたものだ。辛いもの好きにはぜひ頼んでほしい。きっと、幸せの風が神戸に吹くから。
やってきた魚介そば。絶対おいしい。
やってきた魚介そば。絶対おいしい。
中華そばのチャーシューがうすいのに対し、魚介そばのチャーシューはぶ厚く食べ応えがある。かむたびに肉の脂があふれ出てまた違った味だ。
麺も違う。
麺も違う。
手もみの平打ち麵。よくラーメン店などで「全粒粉を使ってます!」という表示を見たことがある。「全粒粉だ!」と思って頼んでみると「やっぱり麺が違うなー、だって全粒粉だもんな」と思うでおなじみの全粒粉の麺だ。おいしいってことである。
餃子もおいしいし、ラーメンもおいしい。桃太郎電鉄だったらもっこす工場(100億円)を買いたい。
餃子もおいしいし、ラーメンもおいしい。桃太郎電鉄だったらもっこす工場(100億円)を買いたい。
工場っぽい作り方のポスターも貼ってあった。
工場っぽい作り方のポスターも貼ってあった。
この後、グミを買って食べたらお腹がすごく膨れてしまったので、近くにあった古墳のある公園で古墳を見て休んだ。
この後、グミを買って食べたらお腹がすごく膨れてしまったので、近くにあった古墳のある公園で古墳を見て休んだ。
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ロックなもっこすで食べる油かすラーメン

もっこすはチェーン店ではあるが地域が変わればその町にあったメニューを出すお店もある。それが板宿店である。
普通の中華料理屋っぽいが、
普通の中華料理屋っぽいが、
セットメニューにオムライス。
セットメニューにオムライス。
店の雰囲気がすでにおいしい。
店の雰囲気がすでにおいしい。
この使い古された調味料たちに他の店舗とは違う風格を感じる。
この使い古された調味料たちに他の店舗とは違う風格を感じる。
入店してから「おいしいんだろうな」と「不安」の2つが交互にやってくるが、メニューをとりあえず頼もう。頼んだ感じで怖かったらすぐ食べた帰ろう。なにを食べようか迷っているとき、ふと壁のメニューを見た。
他のもっこすより安い。
他のもっこすより安い。
「ここのお店、他のもっこすより安いですね」と聞いてみた。するとおじさんは「みんなに食べてもらいたいからね」と素敵な言葉で返答をしてくれた。優しかった。
でも会社に対しての反骨精神を持つ素敵な人。
でも会社に対しての反骨精神を持つ素敵な人。
メニューが色々とあることについても聞いてみた。

「毎日来てほしいからね。でも、1000円を超えないようにはしていますよ。」(関西弁だったので関西弁をイメージして読んでください。)
確かにどのメニューも1000円を超える物はない。
確かにどのメニューも1000円を超える物はない。
500円のセットメニューも豊富。
500円のセットメニューも豊富。
「ここいら辺は年寄りがたくさんいるから量が多いと食べきれへんやろ。だからハーフサイズのメニューを色々とおいて毎日来ても飽きないように工夫してるんよ」(こんな感じの関西弁でした。)

地域に密着したもっこすだった。見た目だけでは評価してはだめだ。しかし、これだけあるとどれを食べていいのか迷うがここにしかない油かすラーメンをいただく。
普通のもっこすに入っているチャーシューが油かすになっただけではない。
普通のもっこすに入っているチャーシューが油かすになっただけではない。
めちゃくちゃうまいじゃないか…。
めちゃくちゃうまいじゃないか…。
油かすが入っただけでこんなにも変化するのかと思うぐらいおいしい。油かすのうまみがスープに溶け込んで、普通のもっこすにはないコクがすごい。このもっこすが一番好きかもしれない。
こちらもオリジナルの角煮丼。
こちらもオリジナルの角煮丼。
これも絶品。
これも絶品。
また、神戸に来たらもっこすに来ようと思う。おじさんに「また来ますね!」と伝えたら、「宣伝しといてな!」と言われたので板宿店をよろしくお願いします。

最後ではあるが、板宿店の方になぜ「もっこす」なのか聞いたところ「元々、もっこすラーメンを作った人が熊本の人で、こだわりを持ったらーめんという意味でもっこすラーメンと名付けたらしいね」と教えてくれた。こだわりを持ったラーメンだからこそ長く愛されるのだろう。いいラーメンを食べた(いい話っぽい終わりになった。)
食べ歩きをしているときに見つけた良さのある公園の水道。
食べ歩きをしているときに見つけた良さのある公園の水道。
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