カオハメ・ザ・ワールド全貌
合成のように見えるけど全体の写真
1.顔ハメ看板に顔を出す
2.手前のカメラが顔をキャプチャする
3.その映像を後ろのプロジェクターが横浜税関の壁に投影
という仕組みである。
僕です
昔ながらの顔ハメ看板とプロジェクションマッピング技術の融合である。テクノロジーを使っているのにフレンドリーだし、でかくてシンプルという素晴らしい作品だと思う。
顔ハメに至るまでの道
作ったのはアーティストの高橋匡太さん。
高橋匡太さん。スマートイルミネーション横浜には初回から参加している。
話を聞いてみると、いきなりの顔ハメ看板ではなく、建物に顔を出す作品をこれまでも作ってきたとのこと。
3年前に「たてもののおしばい」という作品でビルに顔を投影して、ビル同士が会話して演劇する作品を作り、2年前は横浜税関のタワーの愛称がクイーンなので、ドラッグクイーンを投影してクイーンを歌うというイベントをしていた(すごいな…)。
その流れがあっての今回の顔ハメ看板なのだ。
「最近特にフォトスポットとかインスタ映えという話があるので ザ顔ハメ看板はのようなべたなところに一回行ってみるのも面白いなと思って。
観光地にありそうな手書きの看板を僕自身が筆とペンキで描きました。プリントアウトじゃなくて。そこがこだわりです」
橋、観覧車、船というみんなが知ってるベタな横浜
近くで見ると手描きでかわいい
マッピング技術
そしてよく見るとクイーンの塔に投影しているプロジェクターが正面ではなく斜めである。
写真中央やや右にプロジェクターがある。
これそのまま投影すると顔が歪んじゃいますよね?
高橋さん「そこはマッピングの仕事ですね。画像を歪ませてます。正面で打てないので補正して」
ただ顔をプロジェクターで投影しているわけではないのだ。でもこんなに親しみやすいプロジェクションマッピングもそうそうない。
上海の人も顔を出す
カオハメ・ザ・ワールドがワールドたる所以は、上海にも顔ハメ看板があり、そこから顔を出した人の顔も投影されるからだ。そのようすはネット中継で上海の人も見ることができる。
つまり、国を超えて顔ハメができるのだ。世界最大の顔ハメである。
カオハメザワールドの電源はトヨタの車から供給。左はオープニングイベントで挨拶する高橋さん。
今回は上海→横浜だけだが、逆もできるといいと高橋さん。
「例えばパリの凱旋門やスフィンクスに映ったり、そういうのが相互にできると面白いなと思ってます。私出ちゃっていいの!?なんて(笑)。
メディアを使って家どうしをつなぐことはできるけど、(顔ハメでそれが)気張らずに実感できるとわくわくする」
顔ハメで海外と交流できるなんてドラえもんの道具だ。僕もスフィンクスの顔になってみたい。ラムセス2世像でもいい。
高橋さんの作品はほかにもある
光の実
LEDをフルーツキャップ(桃などの果実をくるむ緩衝材)と果実袋でくるんだ作品。そのふたつの色の組み合わせで色を変えている。
子どもたちに袋に絵を描いてもらっているのだが、なにもないところに絵を描くのは難しいので丸を描いてあるのだ。
で、この丸は高橋さんがひとつひとつ手で描いている。
「これはスタッフにやらせないで自分で描いてます。描きすぎて腱鞘炎です。」
とのことだった。それからこれが光る雲。
持ってたら通りすがりのカップルに「なにあれ?いいなー」と言われた
使っているLEDはひとつにつきひとつである。どれもLEDの数で勝負のイルミネーションではなくトンチがきいていて、手触りがある。
5日まで!いそげ!
カオハメザワールドはスマートイルミネーション横浜のうち、5日まで開催されるコアフェスティバルだけの展示である(12月31日までヨコハマ・イルミネーション・マンスというプログラムを開催)。
顔を大きくしたい、横浜港に入稿する船に自分の顔を見せつけたい人は行くべきだろう。
僕は取材のために2日行って、2日ともやってしまった。