あれを探しにベトナムの渋谷へ来た
まずは現物がこちら。
これだ!
スイッチを押すと、LEDが青白く光ります。
今ここで、「あ~あれか!」となった人もいると思う。まだピンと来なくとも、遊んでいる光景を遠巻きに見せれば「あ~あれね!」となるかもしれない。そもそも海外旅行に行ってないから思いようがないんだよ、という方は、いつかの予習として読んでほしい。行った先にあるかは知らないけど。
「ベトナムの渋谷」ことグエンフエ通りに来ました。
冒頭で書いた通り、6年前から存在は知っていたが、ベトナムで見かけた時期はつい最近。場所はグエンフエ通り、草木風の
ヘアピンを付ける若者が現れるということでも取り上げた場所で、ベトナムのナイトライフカルチャーは、なにかとここから火がつくことも多い。
ちなみにこの「草ピン」、今や完全に廃れました。
ベトナム南部は常夏なので、外で遊ぶ時間は涼しい夜。だから若者はもちろんのこと、小さな子連れだってここで遊ぶので、同じ渋谷でもこちらは和気あいあいとしている。
ただ、ベトナム全土においてもこれだけ開放的な盛り場はなく、地方から出てきた若者の観光スポットにもなっているらしい。若者がホーチミン市に行ってグエンフエ通りに行かないということは、東京へ行って渋谷に行かないことと同義なのだ。なのだと言いながら私は関西出身だからよく分かんないけど、合ってるよね!
周辺で売られるストリートフードがうまい。
これはライスペーパーに具材を挟んだピザ、一個75円。
オモチャを売るおじさんはすぐに見つかる
目的のオモチャを売っているおじさんは、常にこのグエンフエ通り内を移動していることは分かっている。RPGゲームのモンスター探しっぽい。とは言っても、しばらく待っていると勝手に居場所を知らせてくれるのだ。
あっ
あれだな。
発光体を見かけた場所に行くと…手元を光らせたおじさん、この人だ!!
私「すみません!」
おじさん「買うのかい?一個15,000ドン(75円)だよ」
すげぇ持ってるな…。
LEDライトを付けるとハリーポッターっぽくなる。
LEDライトを付けて、
ゴムを引っ掛けて伸ばしー、
パチンコの要領で上へ向けて手を…離すと!
パシュッ!!と光りながら飛ぶ!!
キレイに軌道が見えるとこうなる。
目立つだけに焦って拾いに走ると実に滑稽に見えます。
世界中で見かける謎の流通網
そんなこの光る竹とんぼが、不思議なくらいに世界各地で売られている!という話。海外在住者や旅行での目撃談を聞いてみたところ、確認できただけでも、
台湾、スペイン、エジプト、フランス、イタリア、ポーランド、スロベニア、モンテネグロ、オーストラリア、中国、ハワイ、シンガポールで目撃した!ということでした。多い!
ここまであると日本にない理由が気になる。一応、
楽天でも売られているようだけど(ちなみに謳い文句の一部に「海外で大人気の飛ばすおもちゃ」…そりゃまぁ、そうだけど)、まず日本の屋外で飛ばされているという光景は見たことがない。確かに日本の観光地は広くもないし、すぐに建物の上に乗りそうだからかな。
当のおじさんはなにか知らないだろうか。
私「このオモチャ、どこで仕入れてるの?」
おじさん「市場で安く大量に仕入れてるよ」
私「これ、世界中で売られてるって知ってる?」
おじさん「え、そうなの?それは知らなかったね」
全然知らなかった。
それじゃ!とおじさんは去っていった。ここで商売は禁止されているので、警察が近づいたら離れないといけないのだ。そのほかで分かったことといえば、昼間は工事現場で働いていたり、稼いだとしても一日500円くらいでガソリン代の方が高くつく日もあったり、という完全におじさんについての個人的な話でした。
しばらく経つと各所で竹とんぼが飛んでいたので、今日のおじさんの売れ行きは、どうやら好調のようでした。それはよかった。
ついでだからハロウィンの様子も見てください
結局、光る竹とんぼについてはあまり分からなかったのだけど、海外に行かれた際に目撃したらぜひ買ってみてください。安定して飛ばすにはコツが必要みたいだけど(まだ掴んでない)、魔法らしくて爽快感がありますよ。
ところで、本旨とは関係ないのですが、この日はハロウィンが近い週末ということもあって、グエンフエ通りは異常な盛り上がりを見せていました。その様子をお届けして本稿を締めたいと思います。
グエンフエ通りでは、
こうして予告なく噴水が飛び出します。
柵もなければ、音や光で知らせることなく、いきなり飛び出す通り魔的な噴水。
中部のドラゴンブリッジにしてもそうだけど、ベトナム人は水に濡れるということに対してすごく寛容。親たちも「ほら、濡れるチャンスだ!」と言わんばかりに抱きかかえて突っ込んでいく。
こんな風に子どもたちが飛び込む。
この子は噴水が終わるまでこの体勢だった。
奥からやけに目立つ謎の羽。
ハロウィン、気合入ってんなー。
このスパイダーマンもハロウィンの仮装と思いきや、彼はいつもいます(飴を売っています)。