特集 2017年10月22日

つくりかけ高速道路見物(デジタルリマスター版)

ずっとこのままでもいい
ずっとこのままでもいい
第二東名はもっとも早いところで2012年開通だ。あと5年。

免許も持ってない僕がなぜ第二東名の開通時期を気にしているか。つくりかけの高速道路が見られる時期が終わってしまうからである。

つくりかけの高速道路は面白い。

高速道路のみどころは橋脚ができて道路が乗っかるまえの限られた時期だと思う。春はあけぼのみたいなものである。第二東名のその刹那な景色を満喫してきた。楽しかった。

2007年11月に掲載された記事の写真画像を大きくして再掲載したものです。
1971年東京生まれ。デイリーポータルZウェブマスター。主にインターネットと新宿区で活動。
編著書は「死ぬかと思った」(アスペクト)など。イカの沖漬けが世界一うまい食べものだと思ってる。(動画インタビュー)

前の記事:これが老婆心だ!

> 個人サイト webやぎの目

まずは御殿場です

御殿場線の駅から20分ぐらい歩くと巨大な壁がならんでいる場所に出た。第二東名 御殿場インターチェンジ(予定地)近辺である。
遺跡? ドミノ倒し? ゼビウス?
遺跡? ドミノ倒し? ゼビウス?
この上に道路が乗っかって完成となるのだが、まだ橋脚だけの状態である。この状態が見たかったのだ。

まわりの景色に対するコンクリの唐突さ、役に立っていないところ(いまのところ)、むやみなその大きさ。すべておかしい。面白い。高速道路を通した政治家も設計した技術者も別に面白さを求めているわけではないのに、結果として途中でこんなひょっとこな景色が生まれてしまった。それがまた面白いと思う。

美容院で髪を染めるときにサランラップ頭に巻かれてる状態である。かっこつけるためとはいえ、あれは面白い。
横にももう一列並んでます
横にももう一列並んでます
遠近感じゃなくて遠くのが実際に小さい
遠近感じゃなくて遠くのが実際に小さい

でかいのだ

いちばん高い板の前で記念写真を撮った。僕と比べてもその大きさがわかってもらえるだろう…。
わかりますか。
わかりますか。
たいへん分かりにくい写真になってしまった。板の右端、手前の人影が僕である。横を向いて走っている。
UMAじゃなくて僕
UMAじゃなくて僕
なぜ記念写真なのに横を向いて走っているのか。

壁が大きすぎ→全体を入れるためにカメラを相当後ろに置く→セルフタイマーとともにダッシュするが壁中央に間に合わず。その結果がこの「ビッグフットは実在した!」みたいな写真である。

つまりいろんな段取りを無にするぐらい大きいのだ。25メートルぐらいではないかと思う。

この景色ももうすぐなくなりそうです

前後はけっこう道路が乗っている
前後はけっこう道路が乗っている
ひとんちと茶畑と壁
ひとんちと茶畑と壁
橋脚だけで残されている部分は残り少なく、ほとんどこの地域の工事は完成していた。田園風景から高速道路へ、そのあいだのさなぎみたいな時期はもうすぐ終わりだ。

この橋脚の向こうは自衛隊の演習場が広がっている。自衛隊の飛行機が低空で飛んでいると思ったら、ぱらぱらとパラシュートを落として行った。
たぶんパラシュート部隊
たぶんパラシュート部隊
壁みたいな橋脚とかパラシュート部隊とか、ふだん見られないものがたくさん見られる場所である(富士山も見えます)。
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こっちの橋脚は形が違う

浜松からローカル線で30分ほど北上したところで鉄道と第二東名が交差している。ここでまた純粋な壁が見られるかもしれない。
うーん
うーん
あるにはあるのだが
あるにはあるのだが
………。かなり道路が完成していた。橋脚だけの物件もあるにはあったが、いまにも道路が乗せられんとしている。なにも乗せられてない壁が並んでいる景色ではなかった。

橋脚はもう純粋な壁であることを諦めて本来の目的に就こうとしている。ついにあいつも就職か。

事前にネットで調べて行ったのだが、ネットで得た情報よりもさらに工事が進んでいた。けっこうドッグイヤーですね。建築。

巨大な三味線のバチ

はずれははずれとして受入れて、別の現場に向かう。別のローカル線に乗って移動し、駅から2キロほど歩くとそこは三味線のバチ祭りみたいなことになっていた。
ふつう三味線のバチは土に刺さない
ふつう三味線のバチは土に刺さない
しかも巨大なコンクリ製のバチでなんて、あるわけない。
しかも巨大なコンクリ製のバチでなんて、あるわけない。
でもここはそうだヨー
でもここはそうだヨー
おもしろい。かわった眺めである。なにがどうしてこんななってしまったんだろう。あ、高速道路作ってるのか。

ここで宇宙からの電波を観測してますといわれたら納得するだろう。三味線のバチを信仰する人たちが作った偶像ですと言われても信じるかもしれない。考えてるだけで1日つぶれそうだ。だから高速道路なんだけど。

いろんな角度から見てまいりましょう

面白い景色なのでまわりをぐるぐる歩いてみた。犬みたいである。
横から。なぜ携帯が写っているかというと…
横から。なぜ携帯が写っているかというと…
高さの違う板が並んでいるので、横から見たら携帯の電波状況(アンテナの数)みたいになるのではないかと思ったのだ。巨大な橋脚で「バリ3!」って言ってみたかったのだ。

ぜんぜんならなかったけど。
黄色い電線、赤い標識、鉄塔、ごっちゃごちゃな景色
黄色い電線、赤い標識、鉄塔、ごっちゃごちゃな景色
壁に登るための階段
壁に登るための階段
橋脚には登るための足場が設置されていた。

足場はコンクリのマットさ損ねていて無粋な気がしていたのだが、ぐるぐる見ているうちにこれはこれでいいのではないかと思うようになった。年を取ると肘当てのあるジャケットとか平気で着るようになるのと同じだろうか。

とくにこの足場だ。
この足場で「あ、おれ、足場好きかも」と気づいた
この足場で「あ、おれ、足場好きかも」と気づいた
永遠に続くかのような足場
永遠に続くかのような足場
足場もかっこいい。建築現場には建材がきれいに等間隔に並べられていた。最後にはそれすらかっこいいと思えるようになっていた。畑に苗が等間隔に植えられているのも超クールである。
でもやっぱりコンクリ超クール(真横から)
でもやっぱりコンクリ超クール(真横から)
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夜の橋脚

第二東名ではないが、第二東名とつながる道路の橋脚を偶然見つけた(伊豆縦貫自動車道)。ほかの仕事の関係で夜になってしまったが行ってみた。
板ではなく、つながった柱のタイプ
板ではなく、つながった柱のタイプ
中央やや右のコンクリのかたまりが冷蔵庫だといいと思う。コンクリ製の冷蔵庫。
中央やや右のコンクリのかたまりが冷蔵庫だといいと思う。コンクリ製の冷蔵庫。
これまで見たような茫漠とした形ではなかったので、橋脚だけが並んでるひょっとこ感は得られなかった。

しかし、このうえに幅広の道路を乗せるのではなく、このまま細くて高い道ができたら意外で面白い。

だったらおかしいですね。細い道。
だったらおかしいですね。細い道。
本で読んだトロイの木馬に似ているが、こんなのが城の前に置いてあったら間違いなく入れてはだめだ。重いだろうし。

ずらしたことばかり書いているが、夜でなんだか狙った写真みたいになっているのが恥ずかしいのだ。

やっぱこういうのがいいっす
やっぱこういうのがいいっす

電車でがんばった

今回、すべて電車と徒歩でまわった。

第二東名が電車と交差している点を調べて最寄り駅まで電車で行き、そこから歩いた。だいたい一ヶ所につき2時間ぐらい。電車と交わってないところにいい橋脚がありそうだが、どうしようもないので諦めた。免許を撮ろうかと本気で考えた。

移動のローカル線では隣に座ったおばさんにアメをもらった。おばさんは伊豆などを旅行していると話していた。僕は気になった駅で降りて歩いて写真を撮ったりしてますと答えた。橋脚を、とは言わなかった。
いまが見どころ、という点ではもみじやコスモスと同じかもしれない。
いまが見どころ、という点ではもみじやコスモスと同じかもしれない。
2017年10月追記

この記事で紹介している橋桁にはちゃんと道路がのっかって第二東名は開通した。もうこの景色はない。

確かこの記事は、三島で富士通グループの研修があって、その帰りに写真を撮って書いた記憶がある。ビジネスカジュアルでお越しくださいと言われてパーカーを着ていって浮きまくった。

まさに今ちょうどよく高速道路を作りかけの場所があったら教えてください。見物に行きます。
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