アイツの名はアイシ
ついビンタしてしまって申し訳ない。大手メーカーさんに聞いた所、そもそもあの白くて薄い紙は、アルミ同士のくっつきを防ぐためにあるそうだ。それ以上でもそれ以下でもない。ゆえにすぐ捨てる人が大半なのはごもっともなのである。
これです。「捨てるのみ」と我々は脳にインプットされてきた。
正式には「合紙(あいし)」と言うらしい。
なぜ今回この合紙に注目することになったかというと、去年意外な一面を見てしまったのがきっかけだ。この動画を見てほしい。
ゆったりと落ちていく合紙。その儚い姿を見てハッとした。今まで捨てるだけと思い込んでいたこの紙…実はもっと使い道があるんじゃないのか、もっと存在価値を認めてあげるべきではないか、と。
そこで今回は、厚さだけでなく存在感も薄いこの合紙にスポットを当て、使い道を考えていきたいと思う。
なおメーカーさんは他の用途は推奨していない。人体に影響のない紙で作っているそうだが、もしこれから紹介するものの真似をする場合は全て自己責任でやりましょう。
使い道その1:箸ふき
さて一発目。私が最もイチオシの使い方がこれだ。
地味だけどこれが一番実用的! お弁当詰めるとき、箸が汚れるの気になってたんだよね
お弁当に惣菜を詰めていくとき、他の惣菜の味がついた箸で別の惣菜をつまむのに抵抗がある。でも、その度に箸先を洗うのも面倒だし、別の箸を使うのも面倒。
自分の弁当だからいいや、とついペロリと箸先を舐めてしまう事もあったかもしれないが、これからは合紙の出番である。合紙で拭きとってポイすればいいのだ。
使い道その2:箸おき
これも地味だけど便利!
これも非常に実用的な使い方だ。料理やお弁当詰めをしていて箸の置き場に困ることは多々あるだろう。しかし台所はできるだけ汚したくない。そんな時に汚れ役になってくれるのが合紙だ。なんて良いやつなんだ。
使い道その3:アルミと共にそのまま使う
油もの、水分が多めのものはそのまま使ってみる
薄いながらも合紙は油や水気を吸い込んでくれる。揚げ物のギトギト感や要らない汁気をとってくれるのはちょっとした事だけどありがたい。
食べ終えたあと。濡れたら穴が開きやすいかなと思ったけど、意外と強度があった。
さあどうだろう。最初に忠告した通り本当に地味だろう。だがジワジワと、あの鬱陶しかった合紙が実はけっこう使える愛らしい存在に見えてきてはこないだろうか。
続けてどんどんいくぞ。
使い道その4:キレイなお花になる
地味だ地味だと言ってきたが、ほんのちょっと派手な利用方法もある。合紙が5枚あれば、運動会とか入学式とかに使えそうな花ができる。
ほらキレイ! たった5枚をクシュクシュして重ねただけ。
ちなみに色付けは絵の具で色水を使った。
試しに後ろに安全ピンを通して胸元につけてみたのだが、これがなかなかいい。和紙のような風合いが出ていて、まさかいつもアルミに挟まれているアレとは思えない素敵なコサージュになった。
また、これに細い針金を通して花瓶に刺したら、ちょっとだけ台所が明るくなって良い感じだった。だがかなり燃えやすいと思うので火から離れたところに飾るのがいいだろう。
味のある風合い
使い道その5:金魚すくいにつかう
これはある意味この企画最大の発見かもしれない。なんと合紙(9号サイズ)は、金魚すくいのポイにピッタリのサイズなのだ!
ポイにピッタリ! 金魚すくいがやり放題じゃないか!
わ~いめっちゃたのしい~
強度つよめ!
ちょい重いスーパーボールに変えて跳ねさせても穴あかず。だいぶ長く楽しめそうです。
使い道その6:トレース紙につかう
合紙はその薄さゆえに半透明である。だから例えば何かの絵を複写したいときや、消しゴムハンコを掘る時の下絵として使うトレース紙かわりになるのだ。
簡単にトレースが可能!
子どもの頃ジャンプの漫画をトレースしまくってたの思い出した。合紙があればやり放題だったな
こうしてみると、お弁当をつくる時に役立つ以外にも、子どもが喜ぶような遊びに合紙は使えることが分かってくる。今まで気づいてやれなくてごめんな、と謝りたくなってくるではないか。
使い道その7:障子の穴埋め
さてそんな子どもが暴れて障子に穴を開けてしまったときの対処法にも合紙は使える。職場にちょうど穴が開いた障子持ちの人がいたので穴をふさいできてもらった。
この穴が…
あら可愛い。デザイン性がちょっとある合紙だった。
使い道その8:ティッシュかわりにつかう
大人的使い方は、まずティッシュケースに入れて持ち歩くことからである。これさえあれば、ガムを捨てたいときや顔がテカテカになった時にサッと使えるのだ。
9号サイズの合紙は幅がティッシュケースにピッタリ。交互に重なるように積み重ねておく。
これでティッシュのように使うことが可能
顔の脂を取るのは大人のマナー
使い道その9:おすそ分けにつかう
大人のコミュニケーションとして欠かせない、おすそ分けにも使える。
個包装していないお菓子を会社の同僚なんかに配る時、そのままつまんでもらうのではなく合紙に乗せたりくるんだりして渡してあげるのだ。そうすることで高級感が高まり、マナーも良くみられるだろう。
高級さを増した豆
使い道その10:計量につかう
舞台はまた台所に戻り、お菓子作りでも合紙は役立つ。料理と違ってお菓子作りは計量がもっとも大事と聞いたことがある。そこで合紙の出番だ。
砂糖やベーキングパウダーなどを量るとき、いちいち器を用意しなくとも汚さずに計測ができる。
紙が軽いから、器の分の重さを差し引かなくてもいい。化学の実験とかでも使えそう。
使い道その11:カップケーキ作りにつかう
さて砂糖を計量したついでにカップケーキを作ろう。本来は専用のグラシンケースやちょっと固めの型紙を使うことが多いがこの合紙も使えるのだ。(ネット情報)
生地を合紙(アルミ付き)に流し込み、焼き上げれば完成。
紙の固さが足りなくて平べったく広がっちゃったけど。
でもまあ良い感じ! アルミで作るよりもこっちの方が後でレンジで温められるという利点も。
使い道その12:コーヒーをいれる
ケーキと言えば次はコーヒーが欲しいところ。この合紙、薄いからもしかしたらコーヒーを抽出できたりしないだろうか?
ろうとに合紙を乗せ、コーヒーの粉を入れてお湯をそそぐ
すごくゆっくりだけど出てる!
粉入れ替えを1回して、30分くらいかけてドリップしたコーヒー。もちろんぬるい。
スーパーボールで見たように、なかなかの強度があるので紙が破れるということはなかった。ただ、コーヒーフィルターより繊維が細かいのか抽出にすごく時間がかかった。
いざ飲んでみると…これが普通においしい! 正直あまり期待してなかったけれどしっかり苦みのきいたブラックコーヒーができた。コーヒー専用フィルターを買いに行くのが面倒で、でも時間はありホットじゃなくて良い人にはお勧めである。
最後はなんだか優雅な気分になれた。
これまで無視してごめんよ、合紙
という感じで、合紙が意外と使えるということがお分かりいただけただろう。このうち一つでも使えるかも! と思っていただければ幸いである。ゴミ箱に行く前にちょっとでも役立てば、きっと合紙も嬉しいはずだ。