特集 2017年9月6日

スーパーのオリジナルトートバッグのかわいさ

!
気づいてしまったんです……。
スーパーマーケットオリジナルのトートバッグのかわいさに……。
はい、ただそれだけの記事なんですが、お時間あればお付き合いください。
1978年東京生まれ。酒場ライター。著書に『酒場っ子』『つつまし酒』『天国酒場』など。ライター・スズキナオとのユニット「酒の穴」としても活動中。

前の記事:気軽にナイトピクニックのすすめ


きっかけは、スーパー「いなげや」

読者のみなさん、「スーパー」ってご存知ですよね?

生鮮食品や日用品などをお手頃な価格で売っていて、正式名称の「スーパーマーケット」から肝心な「マーケット」の方を省略されてしまったという悲しい過去を持つ、あのスーパーです。


先日、地元のスーパー「いなげや」で買い物をした帰り、ふと出口近くに陳列されている、オリジナル買い物バッグコーナーに目が止まったんですね。

コンパクトにたためるエコバッグから、大きめの保冷バッグまで、様々なデザインのものが売られており、「ほ~、今まで気づかなかったけど、いなげやってけっこうオリジナルバッグに力を入れてるんだな~」なんて、好々爺のような目で眺めていました。
が、突如獲物を見つけた猛禽類のような目に変わったのは次の瞬間。
「こ、このトートバッグ……かわい~ !!」
「こ、このトートバッグ……かわい~ !!」
えぇ、即レジに舞い戻ってやりましたよ。
スーパーいなげやのオリジナルトートバッグ、税抜き980円。

もう、写真を見てもらえたらそれ以上何の説明の必要があるんだっていう、シンプルかつスタンダードなデザインの好ましさ。
いそいそとタグを切って肩にかけてみたところ、絶妙に柔らかな布素材がボディラインにフィットし、サイズ感も絶妙で、こりゃあいなげやに買い物に行く時にだけ使うんじゃもったいない! と、最近はもっぱら、仕事にもレジャーにもこれを持ち歩いている次第です。


それから数日、すっかり身体に馴染んだこのバッグを肩からぶら下げて街を歩いている時、ふと思い立ちました。

「……他のスーパーにもオリジナルのトートってあるのかな?」

急にいてもたってもいられなくなった僕が、その日の仕事帰り、地元の主要スーパーを巡ったことは言うまでもありません。


結果はどうだったかというと……?

※あくまで僕が観測した範囲の情報です
「クイーンズ伊勢丹」
「クイーンズ伊勢丹」
トートバッグ、ありました!
しかもすげーいい感じのやつが!

買いました。
発見もありました。
持ってるバッグと違うスーパーで買い物をすると、謎の背徳感
持ってるバッグと違うスーパーで買い物をすると、謎の背徳感
「サミット」
「サミット」
ありませんでした。

トートではなく「エコバッグ」は数種あって、たたむとピンポン玉くらいちっちゃくなってしまう便利そうなやつとかもあったので、サミットはエコバッグ重視傾向か。

よく考えると、トートバッグとエコバッグって違うし、そもそもスーパーで扱っているのは基本はエコバッグですよね。
トートバッグがある方が珍しいのかもな~。
「西友」
「西友」
ありました!

これまでとはまたちょっと違ったタイプが充実。
「イトーヨーカドー」
「イトーヨーカドー」
ありませんでした。
「まなマート」
「まなマート」
ありませんでした。

僕の地元にしかないスーパーをさも当然のようにしれっと並べてすいません。
「ライフ」
「ライフ」
ありませんでした。

僕が一番よく利用しているスーパーということで期待してましたが、見たところトートもエコもありませんでした。


以上、一通り地元を巡ってみたところで、さらに気になってネットでもスーパーのトートバッグ事情を調べてみたところ、今まで知る由もなかったシーンが見えてきました。


発端は、平成19年に施行された「改正容器包装リサイクル法」で、一部のスーパーや商店でレジ袋の有料化がスタート。
エコロジーに対する意識の高まりから注目が集まったのが、エコバッグやオリジナルの買い物バッグ。

中でも定番なのが、東京を拠点とするスーパー「紀ノ国屋」。
確かに、紀ノ国屋といえば高級スーパーの代表格ですし、これを持っていれば「あら、あそこで買い物されたのね」なんて羨望の眼差しを集められること必至でしょう。
また、1958年に横浜で創業したという、いかにもハイセンスな成り立ちの「もとまちユニオン」のものなども人気だそうです。

なるほど、自分が知らなかっただけで、はるか以前からこんなカルチャーが存在していたんですね。
が、僕が求めているのは多くの人に支持される人気の定番ではなく、自分の判断基準で心から「好きだなぁ」と思えるトート。

引き続き足を使って探していきましょう。
買ってないので参考までにイラストで、「紀ノ国屋」と「もとまちユニオン」のトート
買ってないので参考までにイラストで、「紀ノ国屋」と「もとまちユニオン」のトート
翌日、仕事の昼休みを使って、職場がある池袋付近を捜索。
「成城石井」
「成城石井」
ありました!

成城石井、オリジナルバッグにかなり力入れてますね。
 「肉のハナマサ」
「肉のハナマサ」
ありました!

しかも非常~にハナマサらしい逸品が。


というわけでここからは、これまでにゲットしたスーパーのオリジナルトートバッグについて、写真を混じえて自慢させてください!

いなげや オリジナルトートバッグ

980円(税抜き)
980円(税抜き)
言わずと知れた、現在愛用中の一品
ロゴも「いなげやです!」って感じじゃなくて良い
ロゴも「いなげやです!」って感じじゃなくて良い
どこか英国のトラディショナルな風格をも感じさせる、控えめで好ましいロゴ。
書かれている英文は「より良く、長く、健康に年を重ねて生きていこうよ。生活と社会のお店『いなげや』」て感じでしょうか?
英語はからっきしなもので違ってたらすみません。
サイドはポケットになっていて、しかも両面全く同じロゴ入りのデザイン
サイドはポケットになっていて、しかも両面全く同じロゴ入りのデザイン
なので、「どっちが表だ?」みたいなことを気にせず、すっと持っちゃって大丈夫なところも素晴らしい。
サイズ感のご参考に(モデルは身長168cm、ザ・中肉中背、男)
サイズ感のご参考に(モデルは身長168cm、ザ・中肉中背、男)
あとから出てくる写真と見比べてみてほしいんですが、何気なくスッと立った時、手が自然にバッグの底を抑えられる絶妙すぎるサイズ感!
もちろん体型によると思いますが、僕的には言うことなしです。

クイーンズ伊勢丹 ハンプトートバッグ

1,500円(税抜き)
1,500円(税抜き)
帆布製のしっかりした作りで、これまたかわいい!
クイーンズ伊勢丹には、これの白地バージョンや、同デザインの保冷バッグなどもありました。

カバンにカバンの絵、しかも生魚や生卵らしきものを直で入れてしまっているという少しの天然っぽさ、そして、
クイーンズ伊勢丹のシックなロゴ
クイーンズ伊勢丹のシックなロゴ
が相まって、シンプルながらも遊び心を感じるデザイン。

英文は「良い食べ物が良い人生を作るよ『クイーンズ伊勢丹』」ですかね。
中にメッシュポケット、開口部を止めるベルト付き
中にメッシュポケット、開口部を止めるベルト付き
内側には「水に強いPVC加工」とやら
内側には「水に強いPVC加工」とやら
これがゴムのようなビニールのような質感で、中で何かの汁がもれたりしても、沁み出すことがなさそう。
全体的に非常に丁寧な作りですね。
少し小ぶり&持ち手が短め
少し小ぶり&持ち手が短め

西友 エコバッグ 17 サマー

155円(税抜き)
155円(税抜き)
他とは違ってポリエステル製なので、ワンシーズンで使い捨てるような感覚のものですが、西友にはこの手のバッグのデザイン違いがたくさんありました。
ちょっとした買い物や、旅行バッグに1枚しのばせておいても便利そうですし、何しろこの激安価格!
「ハローサマー」「ビーチバレーボール」「ビーチバー」「サマーバケイション」
「ハローサマー」「ビーチバレーボール」「ビーチバー」「サマーバケイション」
など、ポジティブなワードがひたすら並んでいます。
それぞれTシャツにして着たいくらい手の込んだデザイン。
容量もなかなか
容量もなかなか
内側の両サイドにある謎のベルトはなんだろう?
ペットボトルを倒れないように収納できるのかも。
西友の親会社である「Walmart」のロゴ
西友の親会社である「Walmart」のロゴ
買ってからこのロゴを見つけて気づいたんですが、これ、西友のオリジナルっていうか、親会社であるアメリカのスーパーマーケットチェーン、Walmartのものですね。
アメリカをはじめ、世界中にこのバッグを使っている人がいるのかもしれないと思うとなんだかワクワクしますが、個人的には「SEIYU」ってロゴが入ったものも作ってほしいな。
視線が自然と上向きになるポップさ
視線が自然と上向きになるポップさ

成城石井 エコバッグ レッド

550円(税抜き)
550円(税抜き)
成城石井のオリジナルバッグはかなりのバリエーションがありました。
こちらの、小ぶりでシンプルな作りの布製トートも、白、グレー、赤の3種類。

他とは一味違うこだわりを持ったスーパーだけあり、達筆な外国人が何気なく書いたような英字によるデザインがハイセンス。
何より、真っ赤という攻めたカラーリングは他にないものでした。

英文は「私たちはグルメな食材を探して世界中を旅しています『成城石井』」ですかね。
持つ者じゃなくて、それを販売している方の主張がメイン。
ファッションブランドで例えるなら「私たちはかっこいい服を作るために毎日一生懸命がんばっています」と洋服に書いてあるようなもんですが、そんなおもしろさもスーパーのトートバッグならではの魅力でしょう。
近所へのおでかけに最適
近所へのおでかけに最適

肉のハナマサ 特大保冷バッグ

980円(税抜き)
980円(税抜き)
これ見つけた時は興奮しましたね~。
見ての通り、たたんでしまえば大変コンパクトながら、
広げると、でっかい!
広げると、でっかい!
「あれ? エスパー伊東が入ってたやつ、もしかしてこれ?」って感じで、もはやボストンバッグ。
生地は今回唯一のナイロン製。
しかも保冷仕様!
しかも保冷仕様!
底に2Lのペットボトルを3本並べても余裕
底に2Lのペットボトルを3本並べても余裕
さすが「プロ仕様」のお店という他ありません。
奥ゆかしいサイズの「HANAMASA」のロゴが嬉しい
奥ゆかしいサイズの「HANAMASA」のロゴが嬉しい
全然旅行に行けますね
全然旅行に行けますね

突然に出会ってしまった、スーパーのオリジナルトートバッグの魅力。
全国には僕の知らないローカルなスーパーなども星の数ほどあるでしょうし、人生の楽しみがひとつ増えてしまいました。
今後ものんびりと、かわいいオリジナルトートを探していこ~っと。
青空カバン屋さんと間違われそうなので、なるべく迅速に撮影しました
青空カバン屋さんと間違われそうなので、なるべく迅速に撮影しました
▽デイリーポータルZトップへ

banner.jpg

 

デイリーポータルZのTwitterをフォローすると、あなたのタイムラインに「役には立たないけどなんかいい情報」がとどきます!

→→→  ←←←
ひと段落(広告)

 

デイリーポータルZは、Amazonアソシエイト・プログラムに参加しています。

デイリーポータルZを

 

バックナンバー

バックナンバー

▲デイリーポータルZトップへ バックナンバーいちらんへ