こういう話を聞いた
こだわりのかき氷専門店で食べるかき氷はとても美味しいのだそうだ。僕は食べたことないけど。
だって、かき氷だよ?家で食べたらいいじゃないか。でも、本当にうまいのだそうだ。
なにが違うのか?
まず、氷の温度が違うのだという。
愛用しているかき氷器。夏の間はずっとかき氷を食べている。
なんでも、冷凍庫で作った氷は温度が低すぎるのだそうだ。
だから食べたときに頭が痛くなるし、少し溶けた部分が再凍結してガリガリの氷になってしまうという。
検索したら冷凍食品メーカーのWebサイトにもそういう話が載っていた。
なるほど、と思ったので家に帰って氷の温度を計ってみることにした。
いろんな事を考慮し、工夫して温度計を氷に刺した形で凍らせた。
なるほど、確かに冷凍庫から出してすぐは温度が低い。-20℃近い。
これを口に入れたらさぞや冷たかろう。
冷凍庫内の温度と同じくらいである(当たり前)。
では、ということで室温(28℃)で20分ほど放置してみた。表面が溶けて水が出てきた。
室温で放置。さて、何度になっただろうか。
だいたい0℃くらいになった。
これで専門店のようなおいしいかき氷が作れるはずである。
0℃くらいまで上がった。
0℃の氷でかき氷を作ってみる
では温度を上げた氷でかき氷を作ってみよう。
いつものようにかき氷器にセットしてゴリゴリしていく。
手で削るのはなかなか面倒くさい。
0℃の氷で作ったかき氷。粒子が荒い。
天然氷のように澄んだ氷じゃないからガリガリ君になっちゃったと思うかもしれないけど、氷の表層、透明な部分からしてガリガリに削れてしまう。
どうも温度が高くて柔らかい氷を削るとガリガリになってしまうのらしい。
雪で言うと、みぞれみたいな感じ。
比較のために、冷凍庫から出してすぐ削ったかき氷を比べてみる。
左が冷凍庫から出してすぐ作ったかき氷。右が0℃の氷で作ったかき氷。
0℃の氷がみぞれなら、-20℃の氷で作った方はパウダースノー。サラサラしてて乾いた砂のようだった。
パウダースノーのような-20℃かき氷。
味は、確かに違う
-20℃かき氷と0℃の氷のかき氷を食べ比べてみた。
味付けは同じで、みぞれシロップ、あずき、練乳。僕がいちばん好きなやつである。
左がとても冷たい方、右がまぁまぁ冷たい方。
0℃の方は、見た目の通りに舌触りが粗い。60円くらいのかき氷カップアイスがあるだろう、大体あれと同じ感じである。
ただ、冷たさが適度なので頭キーンにならない。そこは良い。
これはこれでおいしいと思うけど、口当たりはザラザラする。
かき氷に温度計を突っ込んでみたら、1℃くらいだった。実際には0℃以下だと思うけど(凍ってるし)、空気を含んでいるので高めに出るっぽい。
このくらいの温度なら歯とか頭が痛くならないらしい。
-20℃の方は滑らかだけど痛い
一方の、冷凍庫から出してすぐの氷で作ったかき氷。こちらは、最初のうちはとにかく冷たい。冷たすぎるので味もよくわからない。
氷も、口に入れてしばらくはパウダー状で溶けない。口どけもなにもない。
滑らかだが冷たすぎる。
かき氷の温度を計ってみると、-4℃だった。なるほど、確かに0℃版より冷たい。
-4℃と出ているが、実際はもっと冷たく感じる。
混ぜてしばらく待って食べるのが良い
こっちの冷たすぎるかき氷は、小豆や練乳などを混ぜてこねて、全体を滑らかにしてから食べた方がおいしく感じた。
その時の温度が-1.8℃。
このくらいがおいしいようだ。
温度計がデジタルに変わったが、アナログのを落として割ってしまったので急きょ買ってきたのだ。
つまり、こういうことだ
少なくとも家庭では、氷の温度が高いと粗いかき氷になってしまう。0℃では氷が柔らかくなってしまうからだ。
氷の温度が低いまま削った方がいい。氷が硬い方が細かく削れる。
でも、それをすぐ食べると冷たすぎるので、トッピングなどとよく混ぜてしばらく待ってから食べた方がおいしい。
冷凍庫から出してすぐの氷でかき氷を作って、食べるときは全体を混ぜて馴染ませてからいきましょう。
電動かき氷器を買った
さて、上の様に結論してみたものの、果たしてそれはうちのかき氷器だけの話ではないのか?
刃を研いだり調整したりはしたものの、かき氷器の問題でないとは言いきれない。
そこで、Amazonで良さそうな電動かき氷器を買った。
『とろとろふわふわ』というコピーにやられた。
製氷用のカップが2個。あとレシピ集がついている。
同じようなもんだった
結論から書いてしまおう。
普通の氷でかき氷を作るという点においては、従来のかき氷器と、出来に変わりはなかった。
温度が高い氷はザラメかき氷になり。温度が低ければパウダースノーになる。
温度が高いかき氷。やっぱり粒子は粗くなる。
0.5℃。食べごろの温度である。ザラメだが、個人的にはこういうのも好きだ。
食べ方としては、高温かき氷はそのまま、低温かき氷は全体を混ぜてシャーベット状になってから、となる。
シャーベット状にしてから食べれば頭キーンを抑えられる。
電動ちゃんの真価は水以外のやつ
手動かき氷と同じような結果になった。
では電動かき氷ちゃんの存在意義はないかというと、ちゃんとある。
水以外を凍らせて作る場合だ。
こういうやつ。
手動の方でも出来るだろうと思うでしょう?確かにできる。
が、手動の方は氷を入れる部分が分離しないのだ。電動のは下の写真のように分離する。
だから洗いやすい。
この部品が汚れるが、丸洗いできるので助かる。マンゴーラッシーとか味付きの氷を使うとベタベタになるので、是非洗いたい。
また、歯に調整ダイヤルが付いていて簡単に氷の細かさを調整できる。これが便利。
あと電動だから楽。
簡単に刃の位置を調整できるのがとても便利。
ボタンを押せばガーッと出てくるので楽です。良いものだ。
電動ちゃんで楽においしいかき氷を!
電動ちゃんに付いていたレシピ集を見たが、色々な材料を用意しなくちゃいけなくて面倒だった。
そこで、簡単においしいかき氷を作る方法を考えました。
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マンゴーかき氷の材料。
マンゴーラッシーで台湾風かき氷
スーパーで売られていたマンゴーラッシー(100円くらい)を凍らせてかき氷にしたらうまいに違いないと直感したのでやってみた。
ちょうど製氷カップ一杯分くらい。
凍ったが、ちょっと柔らかそう。
柔らかそうだったけど特に問題なく、かき氷にしたら噂に聞く台湾風かき氷(食べたことない)になった。
マンゴーの果肉とミントをトッピングして完成。
あらま、おいしそう。
食べてみたら、こいつが美味い。氷は低温のまま削ったので滑らか。これはあれだわ、人気があるのもわかる(本物を知らずに作っております)。
すっげーうまい。
温度を計ってみると、-5.6℃。キンキンに冷えている。でも滑らかだし甘酸っぱいしおいしいし、頭キーンも起こらない。
作るのも簡単。
超冷えてるけど、とてもおいしい。
アサイーかき氷
製氷カップが2個あるので、もう一種類。アサイーという、丸の内OLが好きそうなジュースがあったので冷凍してみた。
果肉入りですってよ。
なぜかリカちゃんパッケージ。
かき氷にしたら練乳をたっぷりとレモン果汁少々、あとミント。ミント載せておけば大体オッケーになる。
こういうの食べてみたかったんですよ、実は。
連勝である
外しようがない味。
とてもうまい。
これ、とても好き。
練乳の甘さとレモンとアサイーの酸味、あと赤い色が良い。
そして温度は-5.9℃。ひっくー!
このくらい低くてもいいんである。
温度が低くても台湾風ならおいしいのだ。
つまり、味とトッピングの物量
なぜ温度が低くてもおいしいのか?
まず、氷の滑らかさ。ラッシーやジュースをかき氷にすると、それはもうアイスクリームやジェラートに近いものになる。
だから温度が低くても口どけがいいのでおいしく感じる。
そしてトッピングと味。
フルーツを添えたり、練乳やソースなどをたっぷりかけると味にインパクトが出るし、果肉と氷が口の中で混ざってちょうど良い温度になる。
温度計では低くても、口の中ではおいしくなるのだ。よく出来てる!
これだけ分かりやすくおいしいとSNSに投稿したくなる。インパクト系外食メニューのお手本通りである。
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ところで、なんで背景が赤い布なのか?
この記事の写真は背景がやたらと赤い布だったことにお気づきだろうか。
ビロードっぽい布を買ったので敷いてみたのだ。
すると、なんだか高級感が出る。
材料原価が安くても高級っぽく見える。
駄菓子だって高級感が出る。
背景が白いと、こうだけど。
普通の駄菓子。
高級駄菓子。
金の延べ棒で出来てるうまい棒。
朝どれ、さっきまで生きていたアオリイカで作ったよっちゃんイカ。
国産天然うなぎの蒲焼さん太郎と、A4ランク和牛の焼肉さん太郎。
普通はこう。
ほら、高級。
普通の赤いきつね。
紅のきつね。
明るすぎる冷やし中華。
満漢全席に出てくる冷やし中華(出ません)。
リカちゃんも高級感が出た。ちゃん付けなんて!リカ様と呼ぶべきである。
じゃんけん様。
コジロー様。
現代アート。
撮影風景。
分かりやすくしよう
布きれ1枚で分かりやすく高級感が出る。
同様に、おいしさも分かりやすく出来る。
かき氷なんて家で食べられるし、氷なんて原価数円だろう。それに1000円を払わせるには分かりやすいストーリーや見た目、味の違いが必要だ。
マンゴーラッシーみたいな、水以外のもので氷を作れば滑らかで濃い、分かりやすい味になる。
フルーツやソースをたっぷり掛けて分かりやすい見た目と味にすればインスタ映えするし、誰でも味を言語化出来るのでSNSで拡散しやすい。
ラーメン二郎と、有名店のかき氷の根っこは同じである。
だから、家でおいしいかき氷を食べたければ、氷の種類、トッピング、味付けを過剰にすればいい。
世の中のおいしいものは大体そういう風に出来ているのだ。
ごちそうとはそういうものだ。