カレーファウンテンってなんだ
ちょっといいホテルのバイキングや食べ放題のレストランなんかで子どもたちに人気なのがチョコレートファウンテンではないか。
湧き出すチョコレートに串に刺したマシュマロやらイチゴやらバナナなんかをつけて食べる。湧き出すチョコがまず楽しいし、チョコをつけたらだいたいの物が美味しい。
このたびKIRINが、カレーの湧き出る「カレーファウンテン」を開発したという。それはたしかに夢のような話ではあるが、KIRINってビールとか缶コーヒーとか作ってる会社じゃなかったか。どうなっているのか。
湧き出すチョコレートに串に刺したマシュマロやらイチゴやらバナナなんかをつけて食べる。湧き出すチョコがまず楽しいし、チョコをつけたらだいたいの物が美味しい。
このたびKIRINが、カレーの湧き出る「カレーファウンテン」を開発したという。それはたしかに夢のような話ではあるが、KIRINってビールとか缶コーヒーとか作ってる会社じゃなかったか。どうなっているのか。


これがKIRINのどごし〈生〉キャンペーンで当たるカレーファウンテン(の説明書)。本当に作ったんだ。

このKIRINのどごし<生>のカレーファウンテン、少し前にネットニュースやSNSなんかで話題になっていたので存在だけは知っていたのだけれど、今回KIRINのどごし〈生〉担当の人が実際にカレーファウンテンをしてみるので体験して宣伝してほしいというのでおじゃましたのだ。


こちらがKIRINが用意したカレーファウンテンの具。撮っていたら「デイリーさんはこういうの並べたりしないんですね」と言われたけど、すみません僕だけだと思います。

カレーファウンテンに合うと思う具があれば持ちよりましょう、ということだったのでライター玉置さんに来てもらった。


玉置製麺(Tシャツは私物)。

玉置さんは以前は生き物を捕まえて食べたりしていたのだが(おめでとう書籍化)、最近では趣味の製麺が高じてすっかり製麺機の人として認識されている。玉置さんが手にしている同人誌はすでに6巻をかぞえ、毎回コミケでも人気だ。製麺機のハンドルを回したところ、人生の舵が大きく切れた形である。
でもそんな玉置さんの打つうどんは美味い、これは間違いない。今回、KIRINのカレーファウンテンに負けないアトラクションとして、美味いうどんを手打ちしてほしいとお願いしたのだ。
でもそんな玉置さんの打つうどんは美味い、これは間違いない。今回、KIRINのカレーファウンテンに負けないアトラクションとして、美味いうどんを手打ちしてほしいとお願いしたのだ。


ということでこれ着てください。


ほら似合う。

玉置さんには自宅から製麺道具一式持ってきてもらっている。製麺道具って洗面道具と音が近いが物量はかなり異なり、乗用車だとトランクがいっぱいになる。


それではよろしくお願いします。

まずは小麦粉に塩水を混ぜて手でこねていく。きっといい小麦を使っているのだろう、この時点でふんわりとした麦のいい香りが広がり期待が高まる。


この状態を製麺業界では「グルテンが育ってきた」というらしいです。

ほぐした小麦を丸めてまとめ、この状態になったらしばらく寝かす。うどんの打ち方の詳しいことはクックパッドか玉置さんの製麺本を参照してください。


ものの10分くらいでこの状態に。さすがである。

うどんは順調である。カレーファウンテンの準備はどうなっているのだろうか。


見に行くとまだかなり初期の状態だった。

今回、カレーはKIRINのどごし〈生〉の関係者が準備してくれることになっている。奥でわれわれが(正確には玉置さんが)慣れた手つきでうどんを打ち始めて焦ったのだろうか、ザワザワし始めた。


玉置さんの華麗な製麺を見てあわてるKIRINカレー陣。

ところでカレーファウンテンのカレーには具を入れてはいけない。なぜなら壊れるから。


KIRIN島袋さん「ということはお湯にルーを溶かしたらいいってこと?」
LION内田さん「おたまありました!」
LION内田さん「おたまありました!」

具のないカレーをどう作るのかで議論しているところにおたまを持って入ってきたのはLIONの内田さんである。いま急にLIONの人が出てきて混乱したかと思うが、実はここはLIONの研究所の一室なのだ。


キリンとかライオンとか、動物園なのかと思うが、なぜここでやることになったのかはいずれわかります。

玉置製麺が本気出す
カレーの準備がようやく始まったころ、寝かせておいたうどんの生地が整った。


製麺の方がばっちり進んでいるのに


カレーの方が楽しそうに見えるのはどうしてだろう。

うどん作りはいよいよ製麺機を使った工程へと突入する。いわゆる「見せ場」というやつである。


ローラーで伸ばした生地を製麺機でカットしていきます。ここが見ていて一番面白い。


ほらー。

製麺の楽しさをわかってもらいたくてカレーを作ってる人たちを一人ずつ呼んで体験してもらった。


「あ、これは楽しい!」「でしょう」


「え、こんなにすぐにうどんってできるんですね」「そうなんですよ」

これは製麺機を使ったセラピーだなと思った。もちろん癒されているのは玉置さんである。
しかしカレーを作るとかうどんを打つとか、こういう準備段階をみんなでやることで仲良くなれるのはいいことだと思う。
歓声につつまれて、うどんが打ちあがった。
しかしカレーを作るとかうどんを打つとか、こういう準備段階をみんなでやることで仲良くなれるのはいいことだと思う。
歓声につつまれて、うどんが打ちあがった。


手打ちうどんの麺、完成。


同じ頃、具のないカレーも無事完成していた。


カレーファウンテンの準備もオッケーとのこと。

計ったかのような連係プレーである。全員が一つの目的のために機能していた(ここまでは)。
うどん班はいよいよ最後の工程「茹で」に入る。
うどん班はいよいよ最後の工程「茹で」に入る。


茹でます。


LION内田さんは玉置さんに「うどん屋さんなんですか?」と素で聞いていたが、いま写真を見返すとこれでうどん屋さんじゃない方が不思議だ。


3分ほど茹でたら


急いで移動して


水で洗います。

もう一度言うがここはLIONの研究所である。主に洗剤だとかの研究が日々行われている場所だ。


そんな場所でも玉置さんは平常心でうどんを洗う。

玉置さんはこれまでもいろいろな場所に出張してうどんを打ってきたらしいが、ほとんどがどこかの家だったという。今回のチャレンジでまた製麺の幅が広がったに違いない。


完成しました。


見よ、このツヤを。

その頃、他の人たちが持ち寄った具材も配置され、いよいよカレーファウンテンが始まろうとしていた。


ほぼ美味いの確定だなこれは。

今回の首謀者であるKIRIN島袋さんが、カレーをファウンテンにそそぐ。


最も盛り上がる瞬間。結婚式でいうとケーキカットだ。

さあカレーは入った。スイッチオンだ!出てこいカレー!


「ウイィィィィィィーーーーン。」

元気に回るモーター音。そして


何もおきなかった。

「……。」
カレーがまったくファウンテンしないのだ。
カレーがまったくファウンテンしないのだ。





いったん広告です
前ページまでのあらすじ
KIRINのどごし〈生〉担当者に「カレーファウンテンというすごいものを作った。今度実際にやってみるから来て、そして宣伝してほしい。」と頼まれた。具は持ち寄りで、とのことだったのでライター玉置さんにお願いして製麺機を持ち込み、うどんを打ってもらった。準備は整ったかのように見えた。
だが、カレーはファウンテンしなかったのであった。
だが、カレーはファウンテンしなかったのであった。


伝わるだろうかこの空気。


感じてほしい、この気まずさ。


事務局の人がメーカーに電話したりしてるなか。


もしかしたら部品が逆なんじゃないか、差し込みが足りないんじゃないか。何度もバラして組み立てなおしたが、やはりカレーはファウンテンしなかった。

カレー、ファウンテンせず
KIRINのみなさんが作ってくれたカレーは、ファウンテンすることなく朝の湖のように平らなままだった。これまで楽しそうに作業していたスタッフたちの間に急に割って入る焦り。
「カレーが重すぎるのでは」という意見を元に、お湯を足してサラリとしたバージョンも作ってみたりしたのだけれど
「カレーが重すぎるのでは」という意見を元に、お湯を足してサラリとしたバージョンも作ってみたりしたのだけれど


カレーが軽いほうが上がるのかも


しかしファウンテンせず。

今日はこのまま終わるのだろうか。この企画、KIRINのどごし〈生〉のキャンペーン担当者が直接仕切っていたのでまだましだが、間に制作会社とか広告代理店とかが入っていたりすると空気はさらに緊迫したものになっていたに違いない。大人の修羅場というやつである。僕も宣伝してくれと言われた手前、この記事をどう着地させたらいいのか、ひそかに悩んでいた。
しかしなぜカレーはファウンテンしないのか。考えすぎて「気圧が」とか「地軸が」とか大きな話になりかけていたところを、もう一度基本にかえって説明書を読んでみた。
しかしなぜカレーはファウンテンしないのか。考えすぎて「気圧が」とか「地軸が」とか大きな話になりかけていたところを、もう一度基本にかえって説明書を読んでみた。


市販のカレールウを使う場合は水量を2割程度減らしてくださいって書いてあるじゃないか。自作でカレーを作る際の分量までしっかりと書かれている。

原因、あっさり判明
説明書には普段のカレーよりも濃く作るようにと書かれていた。よかれと思って薄く作ったのが逆だったのだ。
僕たちはファウンテンというので滝のようにサラサラと流れるカレーを想像していたのだが、先入観とは恐ろしいものである。
僕たちはファウンテンというので滝のようにサラサラと流れるカレーを想像していたのだが、先入観とは恐ろしいものである。


で、煮詰めた。

どうだろう、これで本当にファウンテンするのだろうか。行ってくれ、記事にさせてくれ!
カレーを投入、スイッチオン!
カレーを投入、スイッチオン!


来た!


やった!

この瞬間の感動、場の一体感は今思い出しても鳥肌が立つ。カレーが出た!カレーが出た!一生のうちに何度も味わうことのないタイプの感動である。
それでは改めて、カレーファウンテンを開始したい。
それでは改めて、カレーファウンテンを開始したい。


喜び冷めやらぬうちから、みなさん気が早いですな。

カレーファウンテンパーティーが始まった
KIRINのどごし〈生〉チームとLIONの担当者が用意してくれた食材はトマトやブロッコリー、チーズにはんぺん、そしてチキンなどなど。さすがどれもカレーに合いそうなものばかりだ。


これがカレーファウンテンかー。


たのしー。

もうこんなの美味いに決まっているのだけれど、あえて聞いてみよう、味はどうでしょう。


美味しいです!!

カレーをファウンテンさせようと、みんなで試行錯誤したあとということもあるのだろうか。何を食べても美味しかった。単に予定よりも1時間ほど始まりが遅くなったからおなかが空いていて、ということなのかもしれないけれど。

うどん登場
ここで満を持してうどんを投入したい。いろいろあったため茹でてから少々時間が経ってしまっていたが、だし汁を足すことでほぐれた。


もちろんだし汁を用意したのも玉置さんです。

それでは手打ちうどん in カレーファウンテン、行ってみよう。


うお!

カレーの粘度を高めてあるため、いったんうどんにカレーが触れるとそのままファウンテンの底に引きずり込まれそうになるのだ。釣りで言うところの魚が「食った」感触である。そのまま元気な「引き」を味わいつつ、逃がさないよう慎重に引き寄せて食べると


あ、これ美味いですよ。


これどこにファウンテンしたらいいの。


結局このくぼみが一番ファウンテンしやすかったです。


なるほど、これは美味いですね。


「ちょっと!これ楽しい!」

その楽しさはプライスレス
みんなで試行錯誤したカレーファウンテンに加えてうどんは手打ちだ。ここまで時間をかけて、食べているのは結局カレーうどんという一周回った感はあるが、違うのだ。これは普通のカレーうどんとはまったく別物である。
この後もみんなで競うようにしてカレーにうどんをファウンテンして食べた。あれだけあったうどんがすぐになくなった。心から美味しかった。「美味しい」と「楽しい」はかなり似た感情なのかもしれない。
この後もみんなで競うようにしてカレーにうどんをファウンテンして食べた。あれだけあったうどんがすぐになくなった。心から美味しかった。「美味しい」と「楽しい」はかなり似た感情なのかもしれない。

楽しさの後にはカレーよごれが
でもみんな、カレーうどんを食べる時に白い服着ちゃダメって知ってるだろう。


「あ!」

そういえば途中からみんな白いシャツを着ていたのに気付いただろうか。じつはこれはLIONが用意したもの。カレーファウンテンでカレーが飛ぶのを予想して「あえて白で行きましょうよ!よごれたらトップ スーパーNANOXが受けて立つので!」と。今回の会がLIONの研究所で行われた理由がようやくわかった。


「カレーのシミはなるべく速く対処するのがコツです。」とのこと


そしてそのまま洗濯すると


まるで何事もなかったかのようにスッキリきれい。

さらにLION、食器用洗剤
Magicaまで用意していた。まじか!


カレーの油を水のように分解してサラサラ落とします!(LION談)

以上、興奮のカレーファウンテンからの洗濯、洗い物ショーでした。すっきり。






なにを入れても楽しいし美味しい

カレーファウンテンは当たり前だけどカレーに合う具なら何を持ってきても美味しい。そしてテーブルの真ん中でカレーがファウンテンしているのは盆と正月がいっしょに来たくらいのめでたい感じがあるので、みなさんもぜひキャンペーンで当ててください。当たった人はくれぐれもカレーの濃さに気をつけて。


うどんを持ってLIONの研究所を歩いている玉置さんの場違い感がすごかったです。



